カディスの緑の風

スペイン、アンダルシアのカディス県在住です。

現在は日本の古い映画にはまっています。

小津安二郎エッセイ『僕はトウフ屋だからトウフしか作らない』

2013-10-21 22:35:25 | 映画
蚤を懐しむ 南昌攻略は春だった。 修水河の渡河戦に始って、夜を日についでの追撃だった。 何処も彼処も菜の花の盛りで、菜の花に夜が明けて、菜の花に日が暮れた。 夜が明ければ、陽をうけた一面の鮮かな黄に、眠不足の目を細め、 「いまだ生きている目に菜の花の眩しさ」だった。 日が昏れれば、一面の黄が、夜空に白く抜けて、いつまでも目に残った。 着のみ着のままの、埃と汗と垢で . . . 本文を読む