「あなたは本当にハーモニカが好きなんですね」
「ハーモニカのことばかり考えてるのですか?」
という旨の言葉をいただくことがあります
こんな小風呂敷を拡げた手前、
仕方ないとは思いますが
「できればなるべく10ホールズは見たくもない」
というのが、
大方の本心です
そして
「見たくもないからこそ、その周囲を拡大して見よう」
とも、思います
「嫌やったらやめればエエやん」
~これはもっともですが、
楽器は棒や石ころのような物ではなく、
たとえ手にしていなくても、
関係は続くものだと思います
だから皆さんも、
悩みながら、
イヤイヤやる期間も、
アリ、
にしましょう
とはいえ、
10ホールズは、
間違いなく、
楽しい楽器です
しかし、
この楽しさこそが、
継続を妨げる、
根の深いボトルネックになりえる、
というハナシです
10ホールズ奏者が、
演奏のあと、
必要以上に共演者に握手を求めたり、
必要以上に頭を下げているのを目にされたことはありますか
「そら、感謝は大切だろ」
といわれれば、
それまでですが
私の見立てでは、
10ホールズ奏者が、
共演者を労い、
握手を求める回数は、
他の楽器奏者より、
弱冠多い
平均して他の楽器奏者の
「2割増し」
と、にらんでますね、多分
その心情を、
一言でいうと
「もし私だけ楽しんじゃってたら、なんか申しわけない、問題」
あるいは
「やっぱり、実演は稽古より楽しかった、イヤになって、なんかすみませんでした、問題」
と呼ぶことにします
この楽器は、
大部分を口の中に入れて呼吸で演奏します
直感的な演奏が可能な分、
楽しさに至るまでのプロセスが極端に少ない
それこそ
「ンダ~」
と、かるく鳴らすだけでも、
かなりの満足度得られることもあります
そうして出た音は、
音程や楽曲云々より、
音楽に血や息吹を与える効果をもたらしていると確信しています
続けます
さっきは
「楽しさがボトルネックになる」
と書きました
問題は、
気分の移り変わりです
プロセスが少ない分、
気分がのっていないと、
てきめんに演奏が難しくなる
そんなときは
「ンダ~」も
重い
?こいつは特別な楽しさのシワ寄せかもしれない
~オテテのシワとシワと合わせて、シワヨセ~
技巧派、テクニシャン、
と呼ばれている奏者の場合は、
基礎とセオリーで、
華麗に走り抜けはりますが、実際はどうだろうか?
さて、
ひとつの楽器の価値は、
参加可能な音楽の数では決まりません
よね
ブルーズやカントリーでは、
最大限に機能している10ホールズですが、
ジャンル問わず、オールラウンドに活動するのは、
スタートの時点で、
結局、滅茶苦茶アクロバティックなことをしなければいけません
歌謡曲はどうか?
現状を冷静にみれば、
明らかではないでしょうか?
さらに、
生々しさが出る分、
「人間不在の音楽」も
難しい
お芝居でいうところの
「木や石の役」です
にも関わらず、
この10穴は、
滅茶苦茶お手軽なのです
全長約10センチに3オクターブですよ
「ナニコレ、ナンジャコリャー」
です
「どんどん参加しろよ、イケヨ」
と、楽器の内なる声が聞こえそうです
特徴を理解するには、
繊細な分析と、
大胆な一般化の、
両面で考えるのがよいと思います
まさに微分積分です
大分削りましたが、
長くなりましたので、
シリーズにします
今回は、
ややネガティブな面を取り上げました
次回は、
そこから改めて見えてくる魅力についてです
そのあと、
趣味や教室で楽しんでおられる方に向けて、
いま私が考えていることに触れる予定です
以上です
☆5月は、
ヤバイ発表会もありますし
前向きにいきます