斧と十穴
電車の中で
急に
「ピッ、ピッ、ピッ」
と、
電子音が鳴り出した
ごめんなさい、そのミドルテンポ、
私のカバンの中からでした
ハッキリ言って
チューニングメーターにメトロノーム機能は
いらない
帰宅後すぐ、
接着剤で、
スイッチを「OFF」に固定
そもそも
持ち物は、
極力「単機能」がいい
ふしぎと増える、
引き出しの中の
「万能ナイフ」
キャンプでも行かない限り、
持ち出すことはない
自室でがしゃがしゃとギミックを弄って楽しむくらいだ
そう、
工具こそ、
単機能がいい
私のハーモニカ用の道具
は、
ひとつにつき、ひとつの使い方しかできない物を吟味し、選んでいる
楽器メーカーから出てるものを使ったことがないので、
ベストではないだろうが
いまのところの、
それで納得してやれてます
「道具は、シンプルな単機能の物が、使いやすい」
そういう信条です
いや、
信条でした、
結局
私の単機能主義も、
所詮モノが溢れている上で成り立っているだけのようなフシもある
つまり、
あるはなしを聞いて以来、
その信条がゆらいている
知り合いに
「カンボジアで学校を建てる」
仕事をした方がいる
「ハナムラ、向こうの大工はすごいぞ、釘打つのも、抜くのも、ぜんぶ手斧だけでやっとったわ」
~手斧で釘を抜くのはどうやるのか?
「それがな~、なんかクイッとやってた」
~クイッとやるのか!
「こっちはナグリとバールでやってたんやけど、なんかだんだん恥ずかしくなってきてなあ、向こうの手斧借りてやってみたけど、それが難しかった!」
「ナグリ」とは「トンカチ」のこと
写真を見せてもらうと、
乾いた褐色の平原に、
ちゃんと木造の学校が建っとった
手斧は確認できなかったが、
きっとほんまのはなしやな
手斧で建てた学校か~
通う子どもたちも、
いずれ手斧使ですか!
この、
「適応がら発生した応用の汎用化?」に、
ぴったりの単語はなんだろう?
とりあえず仮で
「応汎用」
とする、
します
カタログと通販の社会では、裏技程度の発見はあっても
この、
斧業のような応汎用は、
逆にうまれにくいと思う
一方、
楽器なら、
私たちにも
この「応汎用」に出くわすの可能性があり、
とアンテナをはっています
ドイツうまれ、
アメリカ育ちの、
10ホールズ
そして
ここは
〒5300903
東大阪やわ
掘り返すと、
複雑なアヤも
大きな目的は
概ね単純で明快だ
だから
改めて
主義や信条は
取り払って
シンプルを、
見直そうと、
思います
☆10ホールズで学校は建てられませんが、来月のライブの独奏コーナーでは
「10ホールズマンション」を建てます、いや、演ります、クイッと
☆因みに、そのチューニングメーターは、電源が入らなくなった
絶対、接着剤のせいや
いま新しいの探してるけど、
単機能のは、なぜか割高