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農産物の硝酸塩の問題の調査

2019年08月15日 15時41分24秒 | オーソモレキュラー医学 生体分子と人体の反応

農産物の硝酸塩の問題の調査

 

調査のポイントは次の2点です:

(1)野菜の硝酸塩は安全か?

(2)有機栽培は、慣行栽培(農薬・化学肥料使用)よりも良いか悪いか?

 

ネット調査を行ない、以下のサイトの情報を抜粋してまとめました

 

西尾道徳の環境保全型農業レポート

http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?page_id=1496

西尾道徳(にしおみちのり)

東京都出身。昭和44年東北大学大学院農学研究科博士課程修了(土壌微生物学専攻)、同年農水省入省。草地試験場環境部長、農業研究センター企画調整部長、農業環境技術研究所長、筑波大学農林工学系教授を歴任。

著書に『土壌微生物の基礎知識』『土壌微生物とどうつきあうか』『有機栽培の基礎知識』など。ほかに『自然の中の人間シリーズ:微生物と人間』『土の絵本』『作物の生育と環境』『環境と農業』(いずれも農文協刊)など共著多数。

新刊に『検証 有機農業』がある。

 

要約(2019年8月15日)

 

フランスの医学者のリロンデル親子は人間では硝酸の害作用は問題にならないと主張して,1996年に単行本を発行した。その英語版が2002年に出され,2006年12月にリロンデル親子の英語版が日本語に翻訳されて出版された(J.リロンデル,J-L.リロンデル著,越野正義訳「硝酸塩は本当に危険か〜崩れた有害仮説と真実」.農文協)。

 

リロンデル親子の主張の概要は下記のとおりである。

 1)これまでの症例を吟味してみると,乳児にメトヘモグロビン血症が生じたのは,細菌に汚染された井戸水を用いた場合と,調理した離乳食のニンジンスープを室内に放置してスープに細菌が増殖した場合だけで,乳児が摂取する前に細菌によって硝酸から多量の亜硝酸が生成されていたケースに限定されている。

 2)乳児では胃のpHが高く,細菌が定着して硝酸を亜硝酸に変えるといわれているが,pHの高い期間は数時間に過ぎず,直ぐに成人並みの低いpHに低下して細菌レベルも激減する。

 3)口内の細菌によって硝酸が亜硝酸に変えられるが,その量はメトヘモグロビン血症を起こすほどの量ではない。

 4)摂食した硝酸の大部分は小腸上部で吸収され,血液に溶けて,腎臓から尿に排出される。

 5)小腸で吸収された硝酸の一部は血液で運ばれて唾液とともに口内に分泌される。

 6)吸収された硝酸の一部は大腸に分泌されて細菌の作用を受けるが,そこでメトヘモグロビン血症を起こすほどの亜硝酸は生成されない。

 7)体内においてアミノ酸の代謝によって生じた一酸化窒素(NO)から硝酸と副産物の亜硝酸が生成されているが,健康な人間では問題になることはない。

 8)しかし,乳児が感染性腸炎にかかっていると,一酸化窒素の生成量が急増してメトヘモグロビン血症になりやすい。

 9)かつて硝酸は薬としてかなりの量が服用されていたが,当時害作用が出たという記録はない。

 つまり,細菌汚染のない飲料水を使用し,調理した離乳食中で細菌が繁殖してないなら,感染性腸炎にかかっている場合を除き,乳児がメトヘモグロビン血症になることはないと主張している。

 

リロンデル親子の本は1996年に出版されており,国際機関も承知しているはずだが,その主張を採用していない。例えば, JECFAの2つのモノグラフでは1995年までの論文を引用しているが,リロンデルらの1994年までに発表した研究論文を引用していない。

WHOとFAO合同の食品添加物に関する専門家委員会(JEFCA: Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives)

 

硝酸や亜硝酸と発ガン性の関係について,WHO/IARC (2010)は次のように結論している。

『人間の体内には,硝酸や亜硝酸の関与した,活発な内生的窒素サイクルが存在し,硝酸や亜硝酸は生体内で相互変換されている。酸性の胃の条件下で亜硝酸に由来するニトロソ化物質は,特に第2級アミンやアミドといったニトロソ化可能な化合物と容易に反応して,N-ニトロソ化合物を生ずる。こうしたニトロソ化条件は,硝酸,亜硝酸やニトロソ化可能化合物の追加摂取によって強化される。人体内のこうした条件下で形成されるN-ニトロソ化合物のいくつかは発ガン物質として知られている。』

 

だが,上記の研究で注目されるのは,亜硝酸と同時に抗酸化物質を多く摂取した場合には,胃ガンのリスクが低いことである野菜の硝酸や亜硝酸を摂取した場合には,同時に抗酸化物質も摂取している。抗酸化物質が含まれていないか少ない飲水や保存肉で硝酸や亜硝酸を摂取した場合に比べて,野菜で摂取した場合には,リスクがはるかに低いはずである。

 

これに対して,EU食品安全機関EFSA (2008)は,硝酸の発ガンリスクについて,より懐疑的であり,次を結論している。

『疫学的研究から,食事や飲料水による硝酸摂取が発ガンリスクをともなっていることが示唆されていない。亜硝酸の多量摂取が発ガンリスクの増加と関連しているとの証拠は疑わしい。・・・全体として,野菜による硝酸暴露量の試算値が相当な健康リスクを生ずることはありそうになく,それゆえ,野菜摂取によって認識されている便益効果のほうが勝っている。・・・食事の大部分を構成している野菜の,ローカルないし家庭での好ましくない生産条件や,ルッコラのような高硝酸含量の野菜を食べている人達では,まれな状況があることを認識した。』

 

いずれにせよ,抗酸化物質を同時に含む野菜の硝酸や亜硝酸を摂取した場合には,発ガンリスクは低く,これまで考えられたほどは重視しなくて良いであろう。

硝酸は口内で亜硝酸に還元され,その濃度が高ければ乳児にメトヘモグロビン血症を起こす。野菜の硝酸を摂取した場合には,同時に抗酸化物質を摂取し,それによってメトヘモグロビン血症や発ガンリスクが大幅に低下する。しかし,水や貯蔵した肉などから多量の硝酸を摂取した場合には,抗酸化物質が含まれていないか少なく,メトヘモグロビン血症や発ガンリスクが高まる。

野菜の硝酸濃度については,これまでいわれているほど,メトヘモグロビン血症や発ガンリスクを心配する必要はないと考えられる。

 

野菜の硝酸が人間の摂取する硝酸の主要供給源であるために,野菜の硝酸の危険性が指摘されてきている。しかし,野菜の含む各種抗酸化物質が硝酸の害作用を抑制している。問題なのは,乳児の人口乳に使用する水に高い濃度の硝酸が含まれている場合や,野菜をあまりとらずに硝酸濃度の高い肉製品などを摂取した場合である。

 

有機栽培と慣行栽培(農薬・除草剤・化学肥料を使用)

ロンドン大学のダンゴアらが,既往の文献をメタ分析して,有機と慣行の作物体や食品は,おおむね栄養物含有量の点で同等であって,健康に対する効果にも違いがないと結論した。しかし,その後,有機と慣行の作物体や食品の品質を調べた研究が増えて,一部の成分の抗酸化物質,カドミウム,残留農薬含量については,両者に有意の差が認められ、有機の方が抗酸化物質が多く、カドミウムと残留農薬が少ないことが認められた。

しかし,有機栽培では平均の窒素供給量が慣行よりも少ないことが同時に示されていることを重視すべきである。家畜ふん堆肥や有機質肥料を多量に施用して,慣行なみあるいはそれを超える窒素の供給を行なっては,抗酸化物質が有機で多いことはありえないことを銘記すべきある。

 

結論

(1)野菜は硝酸・亜硝酸と抗酸化物質(ビタミンC, E, βカロテン、カテキン、フラボノイド、アントシアニン、ポリフェノールなど)を同時に含むため、摂取した場合には発ガンリスクは低く,これまで考えられたほどは重視しなくて良いであろう。  

(2)家畜ふん堆肥や有機質肥料を多量に使用して,慣行なみあるいはそれを超える窒素の供給を行なわなければ、慣行栽培に比べて、有機栽培の方が抗酸化物質が多く、カドミウムと残留農薬が少ない。  

(3)窒素肥料を異常に大量に投入しなければ、有機JASが危険であるという根拠はない。

 

参考にした記事

https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=1355

No.73 硝酸は人間に有毒ではない!? 2007年2月15日 

https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3509

No. 300 野菜の硝酸は有毒ではないのか  2016年5月24日 

http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3529

No. 302 抗酸化物質による亜硝酸の害作用の緩和  2016年6月23日 

https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3357

No.281 有機と慣行の作物で,抗酸化物質,カドミウム,残留農薬含量に有意差を確認  2015年7月22日 

 

*有機栽培で野菜の抗酸化物質が増える件に関する記事 

https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3485

No.296 有機栽培作物で高い抗酸化物質濃度は窒素多用で減少しやすい  2016年3月25日 

http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3557

No.305 なぜ有機栽培で野菜の抗酸化物質が増えるのか?  2016年8月22日 

http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3615

No.312 有機作物の品質目安としての低硝酸・高ビタミンCの可能性  2016年11月25日 

https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3683

No.319 有機栽培したコメの抗酸化物質含量と抗酸化能  2017年3月27日

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