仏典、聖書、ジョージ・アダムスキー氏により伝えられた宇宙精神文明(空=言葉=天の父=宇宙の英知=真如=法・ダルマ=灯明)

ワクチン薬害、祈りの科学的研究、人体構成分子によるオーソモレキュラー医学、医学の大罪、太陽系惑星文明の科学的証拠

特に新型コロナの予防と治療のための参考情報として: ポーリング博士のビタミンC健康法: ウイルス・細菌感染へのビタミンCの使用

2020年04月04日 22時40分09秒 | ビタミンCによるウイルス細菌への対処

特に新型コロナの予防と治療のための参考情報として: ポーリング博士のビタミンC健康法: ウイルス・細菌感染へのビタミンCの使用

 

ビタミンCは、風邪、インフルエンザ以外のウイルスや細菌による感染症疾患にも効果があることが古くから知られていますが、医学界は故意にこの非常に重要な事実を無視して、抗ウイルス剤や抗菌剤やワクチンを使用し、巨額の金もうけを行い、これらの医薬品による突然死や重度の心身障害を含む副作用を起こしています。

ノーベル賞を2度受賞されたアメリカのライナス・ポーリング博士は、1968年に科学誌サイエンスで、「体の中に自然に存在する物質(ビタミン、ミネラル、アミノ酸など)を分子レベルで最適な量を投与して病気の予防と治療をする」という意味のオーソモレキュラー療法を提唱されました。

ここでは、ポーリング博士の著書から抜粋して紹介します。

 

『ポーリング博士のビタミンC健康法』

平凡社1995年8月15日

英語の原本のタイトル『How to Live Longer And Feel Better長生きして心地よく感じる方法』

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%81%AE%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%B3%95-%E5%B9%B3%E5%87%A1%E7%A4%BE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%B9-%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0/dp/4582761100/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%81%AE%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%B3%95&qid=1585982568&s=books&sr=1-1

 

「かぜとインフルエンザを除くウイルス・細菌感染へのビタミンCの使用についての抜粋」

特に新型コロナの予防と治療のための参考情報として

 

 

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 ビタミンCは、カゼとインフルエンザばかりでなく、その他のウイルス性疾患や細菌感染症の予防と治療にも効果がある。その作用の主な機序は、免疫系の増強によるものであるが、これについては12章で述べた。このほか、ビタミンCには、直接ウイルスに作用して、ウイルスを不活化する働きがある。ウイルス感染症に効く薬はきわめて少ないので、ビタミンCの抗ウイルス作用は注目に値する。細菌感染症は、抗生物質その他の薬剤によって治療できるが、この場合でもビタミンCは、その治療を大いに助ける。

一九三五年、コロンビア大学内科外科専門学部で研究していたクラウス・W・ユングプルート博士は、世界で初めて次のような報告をした。ビタミンCは、大量摂取して体内の濃度を高

 

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めると、ポリオウイルスを不活化して麻痺の発症を防ぐ、というのである。次いで、博士および、その他の研究者によって、ビタミンCがヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、肝炎ウイルス、その他のウイルス(インフルエンザウイルス、狂犬病ウイルス、口蹄病ウイルスなど)を不括化することが報告された。博士は、一九七六年に亡くなったが、自分が先駆けた分野で活発な研究が展開されつつあるのを十分にみることができた。

 ビタミンCの抗ウイルス作用の研究は、村田らによっても行われた。村田らは、細菌のウイルスをモデルに用いて研究し、ウイルスがフリーラジカル(奇数個の電子をもつ分子)の働きによって不活化されることを明らかにしている。

 ノースカロライナ州リーズヴィルの内科医、フレッド・R・クレナ一博士は、ユンゲプルートの報告に刺激されて、小児麻痺、肝炎、ウイルス性肺炎などの患者の治療にビタミンCを用いた。博士のウイルス性肝炎の治療法は、静脈注射で体重一キロあたり四〇〇~六〇〇ミリグラム(体重六八キロの人で二八~四二グラム)を八~一二時間おきに投与するものであった。また、いろいろなウイルス性疾患の治療に、この二倍までの量を試みている。

 抗ウイルス作用のほかに、ビタミンCの細菌に対する作用についても報告が多い。初期の研究の一つは、ポイセヴィンとスビレーン(一九三七年)によって行われた。100ミリリットルあたり1ミリグラムのビタミンC---血中濃度をこの濃度にするのは容易である---によっ

 

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て、結核菌の増殖が抑えられることを明らかにしたのである。また、ビタミンCが多種の細菌(腸チフス菌、破傷風菌、ブドウ球菌など)を殺し、細菌毒素(ジフテリア菌、破傷風菌、ブドウ球菌、赤痢菌などの毒素)を不活化することも報告された。殺菌の仕組みについては、ウイルスの場合と同じように、銅を触媒としてビタミンCと分子状酸素から生じるフリーラジカルが攻撃する、と考えられる(エリクソン、ルンドベク一九五五年。ミラー一九六九年)。

 ビタミンCの大量投与によって各種の細菌感染症の治療に好成績をあげた例が、クレナー(一九七一年)、マッコーミック(1952年)、その他の医師によって報告されている。この好成績は、一部は、細菌に対する直接作用(13章参照)に帰せられようが、大部分は、人体に備わっている防御機構の力がビタミンCによって増大するせいであろう。

肝炎は、感染または毒物によって起きる肝臓の炎症である。肝炎になると、通常、黄疸が現われる。血中の胆汁色素が過剰になるために皮膚が黄色くなり、目が白くなるのである。重金属や四塩化炭素などの毒性物質だけでなく、各種の薬物も中毒性肝炎を起こすことがある。ビタミンCは、毒性のある有機化合物を水酸化またはグリコシル化したり、重金属と結合したりして、かなり広範な解毒力をもつので、中毒性肝炎にある程度の効果を発揮する。

 流行性肝炎(A型肝炎)は、ウイルスや細菌によるが、ふつうは、糞便で汚染された食物や水によってウイルスが体内に侵入して起きる。一般的な治療法は、三週間以上病床で安静にす

 

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ることである。血清肝炎(B型肝炎)は、B型肝炎ウイルスという別のウイルスが原因で、輸血、消毒の不十分な注射針、歯科用ドリルなどから患者に感染するのがふつうである。潜伏期間は一~五カ月である。血清肝炎は、主として比較的年配の人に起きる。流行性肝炎より症状が重く、ある研究によれば、死亡率は二〇パーセントにもなるという。

 日本の森重博士は、医学生のときにビタミンCに興味を抱くようになった。学位論文のテーマが、創傷の治癒を促進するビタミンCの効果について、であったからである。博士は胸部外科医であるが、福岡の病院の外科部長になったとき、輸血した外科患者の多くに、ある程度大量のビタミンCを投与した。その結果、これらの患者は血清肝炎にかからず、その一方、ビタミンCを投与しなかった患者では血清肝炎が発生することを知った。一九七八年に博士と村田は、一九六七~七六年に福岡鳥飼病院で輸血を受けた外科患者一五三七人について調査した結果を報告している。ビタミンCを与えないか、少量しか与えなかった患者170人では11人が肝炎にかかり(発生率7パーセント)、一方、一日二~六グラムのビタミンCを与えた患者1367人では3人しかかからず(発生率0.2パーセント)、しかも、その3例ともB型ではなかったのである。この数字は、93人の患者がビタミンCのおかげで肝炎にかからずにすんだことを示している。

(ブログ著者注:原文の記載ミス:「この数字は、93人の患者がビタミンCのおかげで肝炎にかからずにすんだことを示している。」

B型肝炎の発生率は、C投与無しor少量7%、C投与あり0。よってC投与により7-0=7%発生率が低下。)

 ビタミンCの大量摂取は肝臓を守る。それは、中毒性肝炎の原因になる毒物を解毒する。喫

 

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煙やアルコールの飲みすぎによる肝臓障害を防ぐのに役立つ。また、免疫系の機能を強化して、肝臓のウイルス感染および細菌感染を防ぐ。

 ビタミンCとウイルス性疾患について最も経験の豊かな医師は、カリフォルニア州サンマテオのロバート・F・カスカートである。

                                                               

 カスカートは、初め数年のあいだ整形外科医をつとめていた。そして、多数の患者に人工股関節を埋め込む手術を行った。この人工関節は、大腿骨上端の内側に差し込んだくさびに金属球がついたもので、大腿骨上部の丸い部分の代わりをするために、英国のオースチン・ムーアが開発したものだった。カスカートは、この埋込みの失敗が多いのに悩まされた。金属球を受ける人工股関節窩が腐食するからだった。彼は、人工関節の改良にのりだした。そして、人の股関節を多数調べた結果、大腿骨上端の球状部が球面体ではなく、回転楕円体であることに気づき、その形状により近い人工関節を新しく設計した。現在、このカスカート式人工関節が広く使われている。

一九七一年、私の著『ビタミンCとカゼ』が出版されてから間もなく、カスカートは、次のようなことを書いた手紙をよこした。本を読んでその勧めに従った結果、彼が子供のときから悩まされていた、しつこい呼吸器疾患と内耳炎にすばらしい効果があった、というのである。

また、カゼについて、徴候がみられたときに八グラムのビタミンCをとれば(二回、三回ととり

 

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つづけなければならないときもあったが)、たいてい治まった、と述べている。

 カスカートは、ビタミンCの効果に強い感銘を受け、整形外科医から一般開業医に転向して、もっぱら感染症の治療に従事するようになった。そして一九八一年には、ビタミンCの大量療法を施した九〇〇〇人についての報告を行った。

 彼は、患者一人一人について、腸のビタミンC最大耐容量(不快な下痢を起こさずにビタミンCを経口摂取できる最大量)を調べた。そして、ビタミンCは、通常の治療法の補助手段として、必要なとき最大耐容量まで摂取させると、ひじょうに有効であることを知った。この最大耐容量は人によって異なるし、同じ人でも時によって異なる。カスカートの観察によると、この最大耐容量は、一般に重症患者できわめて大きいが、回復するにつれて小さくなる。驚いたことに、重症患者のなかには最大耐容量が一日200グラムを超える者がいたという。なお、最大耐容量は、症状が抑えられると、二、三日で正常時の一日4~15グラムに下がる。

 このように、患者の生化学的個人差に応じたビタミンC投与量の基準を設定することによって、カスカートは、さまざまな感染症の分子矯正療法に豊かな経験を積んだ。彼によれば、急性疾患の場合、ビタミンCは最大耐容量の八〇~九〇パーセントを投与しなければ、あまり効果がないという。また、いくつかの症例で症状の抑制は不完全であったが、一般に、その効果は著しく、症状の好転が急速で完全であることが多い、と述べている。

 

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 ストレスの多い状態ではビタミンCが破壊されるので、ビタミンCを大量摂取して補わなければ、その血中濃度が低下することが知られている。このような状態には、感染症、ガン、心臓疾患、手術、負傷、喫煙、および精神的ストレスがある。ビタミンCの血中濃度が低い状態を、アーウィン・ストーンは、低アスコルビン酸血症と呼び、カスカートは、誘導性壊血病あるいは誘導性アスコルビン酸過少症と名づけている。これを改善しないと、健康が損なわれ病気が悪化する。配偶者に死なれた人の羅病率と死亡率が増大するのは、ストレスが増えてビタミンCが破壊されるためである可能性がある。ストレスによって、とくに副腎のビタミンCが減るのは、ストレス・ホルモンであるアドレナリンの産生にビタミンCが余分に使われるからである (8章参照)。

 誘導性アスコルビン酸過少症がもたらす可能性について、カスカートは次のように述べている(一九八一年)。

 

 ビタミンCがひじょうに減少すると、次のようなことが起こり、随伴する疾患の発生率が増加することが予想される。免疫系の障害(二次感染、リューマチ様関節炎とその他の膠原病、薬物・食物などに対するアレルギー反応、ヘルペスのような慢性感染症、急性感染症の合併症、猩紅熱など)、血液凝固系の障害(出血、心臓発作、卒中、痔疾、その他の血栓症など)、副腎機能の低下に

 

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よるストレス対応の失調(静脈炎、その他の炎症性疾患、ぜんそく、その他のアレルギー症など)、コラーゲン生成の障害(治癒力の低下、肥大性瘢痕、床ずれ、静脈瘤、ヘルニア、妊娠後の腹部の伸び跡、しわなど。さらには、軟骨組織の損耗や脊椎骨の変性も含まれよう)、神経系の機能不全(倦怠感、痛みに対する耐性の低下、習慣性の筋けいれんなど。さらに精神障害と老人性痴呆も含まれる)、免疫機能の低下や発ガン物質の解毒能低下に起因するガンなどである。ただし、ビタミンCの欠乏がこれらの疾患の唯一の原因である、というのではない。このような機能系の障害によってこれらの疾患になりやすくなる、このような機能系は、その機能を発揮するためにビタミンCを必要とする、ということを指摘しているのである。

ビタミンCの欠乏によって、感染やストレスに伴うこの種の合併症が起きる可能性が、理論的に存在するばかりでなく、ビタミンCを経口または静脈注射によって大量投与すると、数多くの患者に起きるはずの合併症が目立って減少するのである。ここであげた疾患が著しく減少することは、クレナー(一九四九年、一九七一年)やカロケリノス(一九七四年)のように、ビタミンCを臨床で用いた医師たちの誰もが気づいている。

 

 伝染性単核症(腺熱)は、急性の感染症で、主に若い人たちがかかりやすく、ときどき学校で大流行する。身体中のリンパ腺がはれ、血中に異常なリンパ球が増えるのが特徴である。五

 

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~一五日の潜伏期の後、頭痛、疲労、熱、悪寒、倦怠感などの漠然とした症状が現われる。ときには、リンパ球が詰まって喉の二次感染や肝臓障害を起こし、脾臓、神経系、心臓、その他の器官の障害が出ることもある。全治するまで一~三週間ですむこともあるが、数カ月かかることもしばしばである。

 カスカートは、大量のビタミンCの経口投与によって伝染性単核症の治療に成功した、と報告している(217ページの表参照)。次に報告の一部を引用する。

 

 急性の伝染性単核症は、ビタミンCを投与するかしないかによって、症状の進行過程に顕著な相違が生じる好例である。また、検査による診断が行えるので、治療している疾患が伝染性単核症であることを確認できる。症例の多くは、投与を二~三週間以上続ける必要がなかった。投与の必要な期間は、患者自身でわかるものである。スキー場巡視員の患者たちを一週間でスキー場に戻したことがある。この人たちには、スキー巡視をするときナップザックにビタミンCの溶液を入れるように指示した。ビタミンCは、病原体が残っていても、症状をほとんど完全に抑えこむことができる。リンパ節と脾臓は、急速に正常な状態に戻り、強い倦怠感は二、三日で軽快する。しかし、患者自身が完全に治ったと思うまで、最大耐容量の投与を継続しなければならない。さもなければ、症状が再発するだろう。

 

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一般的な腸のビタミンC耐容量(カスカートによる)

身体の状態

24時間当たりの総量(g)

24時間当たりの投与回数

健常

4~15

4

軽い風邪

30~60

6~10

重い風邪

60~100

8~15

インフルエンザ

100~150

8~20

エコーウイルス, コサッキーウイルス感染症

100~150

8~20

単核症

150~200

12~25

ウイルス肺炎

100~200

12~25

桔草熱、花粉症、喘息

15~50

4~8

環境・食品アレルギー

0.5~50

4~8

火傷、外傷、手術

25~150

6~20

不安、興奮、その他のおだやかなストレス

15~25

4~6

ガン

15~100

4~15

強直性脊椎炎

15~100

4~15

ライテル症候群

15~60

4~10

急性ぶどう膜炎

30~100

4~15

リューマチ性関節炎

15~100

4~15

細菌感染症

30~200

10~25

ウイルス性肝炎

30~100

6~15

カンジダ症

15~200

6~25

 

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 最近、後天性免疫不全症候群(通称エイズ)という新しい病気が流行している。これはウイルス性疾患で、主として性行為中に伝染するようだが、ときには輸血でうつるらしい。患者は、乱交する同性愛者に多いが、そうでない人もいて、子供や乳幼児でもみられる。患者は、二次感染症やカポジ肉腫というある種のガンを併発し、死に至る者も多い。

 ビタミンCは、ウイルス性疾患に効果があるので、当然、エイズに対しても試験すべきである。この三年間、エワン・キャメロン博士、ロバート・F・カスカート博士、および私は、それぞれ独自に、適当な医療機関に対してその試験を要請したが、なんの反応もなかった。

 唯一の研究は、カスカート(一九八四年)が九〇人のエイズ患者を調査したものである。患者は、ほかの医師の治療を受けながら、自分から進んで大量のビタミンCをとった人である。また、カスカートは自分でも、経口あるいは静脈注射によるビタミンCの大量投与(一日五〇~二〇〇グラム)を行って、一二人のエイズ患者を治療した。博士は、これらの限られた資料から、ビタミンCはエイズの症状を抑え、二次感染症の発生率を下げる、という結論を得た。

明らかに、この線に沿った研究を重ねる必要があるのである。

 食細胞の走化性は、免疫機構の重要な部分である(12章参照)。〝化学運動性″とは、化学物質の刺激に応じて細胞の運動性が増すことで、方向性は有ったり無かったりであるが、〝走化

 

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性″では、正しい方向、すなわち感染部位のように必要な部位に向かう運動性が増す。好中球は、ひじょうに走化性の強い白血球で、炎症の生じた部位に最初に到達する。その後、その他の白血球が到着するのである。

 食細胞の走化性は、いろいろな原因で異常になる。遺伝的に異常な場合はきわめて危険で、生まれたその日にブドウ球菌などによる感染が起こり、皮膚にも異常が現われ、大多数のものが長くは生きられない。リューマチ様関節炎やガンを含むいくつかの疾患では、患部の組織から血中にある物質が放出され、食細胞の運動性が妨げられる。

 数多くの研究が、ビタミンCの摂取を増すと食細胞の走化性が改善されることを示している。アンダーソン(一九八一年)は、慢性肉芽腫症の子供に1日1グラムのビタミンCを与え、好中球の運動性が改善された、と報告している。ぜんそくや結核の患者でも、同様な改善が報告されている。パトローネとダレッリ(一九七九年)は、次のように結論している。「ビタミンCは、再発性感染症患者の食細胞機能の欠陥を治す特効薬である」。

 食機能に関連させて、ここで話を感染症から遺伝病に移そう。チェジアック・東病という劣性遺伝の遺伝病があり、その患者は、重い化膿性感染症を多発するが、それは好中球やその他の食細胞の走化性に異常があるためである。これらの食細胞は、その前縁部にあるアクチン・ミオシン原繊維(筋肉のそれと同じ)の収縮によって運動する。細胞がうまく運動できるのは、

 

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その構造が中心部から末梢部にのびた微小管という多数の小菅で安定化されているからである。

チェジアック・東病の遺伝的異常は、微小管を形成するチューブリンというタンパク質にある。

10年前、ビタミンCがこの好中球の走化性を改善することが見いだされた。その後、ビタミンCは、チューブリン分子の異常を正常化するわけではないが、チェジアック・東病の患者に大量摂取させると感染症を予防できることが示された(ボクサーら一九七六年、一九七九年。ガリンら一九七九年)。この患者たちの感染症を抑える効果がビタミンCにあるという明白な事実は、免疫系にとってビタミンCが重要であることを強く示している。

 カルタゲネル症候群は、発生率の低い(出生児三万~四万人につき一人)劣性遺伝病で、驚くほど多くの症状を示す。特有の症状は、慢性気管支炎、副鼻腔や中耳の感染症、および慢性の頭痛である。男の患者は、その精子に運動性がなく、子供をつくることができない。さらに、内臓が逆位していることが多い - 心臓が右にあり、一部あるいは全部の内臓が左右逆の位置にある。

 この事実から、人体の広範囲にわたる対掌性はどのように決定されるのか、という問題が浮かび上がってくる。なぜ、大多数の人の心臓が左にあるのか。カルタゲネル症候群の患者は、何が原因で内臓逆位を起こすのだろうか。

 

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 9章で右手型と左手型のアミノ酸について論じた際、人体のタンパク質はすべてL・アミノ酸でできている、と述べた。タンパク質を構成しているポリペプチド鎖(アミノ酸の連鎖)の主なねじれ方の一つは、アルファ・ヘリックスである。このアルファ・ヘリックスは、L・アミノ酸の手の状態から、ふつうのねじのように右巻きでなければならない。アミノ酸の大きさは、人の約一億分の一にすぎないが、アルファ・ヘリックスの一区切りは、その一〇〇倍になる。したがって、人体全体の一〇〇万分の一の部分に、右か左かのメッセージを伝えることになる。

一九五三年、私は、もっと大きな部分に対掌性を伝える別の方法を発見した。球状タンパク質分子(おそらく一万個の原子からなる) には、その表面に粘着性のある相補的な二つの小部分が存在し、これで同じような分子と結び付いて、管状の大きならせんをつくるのである。微小管のような単位は、このような構造をもっているので、細胞全体に右か左かが伝えられる。

 通常、精子は尾を推進具として泳ぎ、らせん状に進む。らせん状の動きは、右巻きのこともあるし、左巻きのこともある。この精子の動き方を決めるのは、尾の右側か左側に突き出ているダイニン腕という突起である。カルタゲネル症候群の患者の精子には、このダイニン腕がない。したがって、尾が動けず、精子は泳げないので、患者は子供をつくれないのである。

 同様に、気管支の繊毛も前後に動いて痰を除くことができないので、患者は、気管支炎や随

 

222

伴する感染症にとくにかかりやすくなる。慢性の頭痛を起こしやすくなるのは、脳室や脊髄管の内膜にある繊毛の欠陥による。

 各器官の対掌性を決め、心臓の位置を左側に定める仕組みはわかっていないが、精子の尾のダイニン腕と同じようなことであろう。カルタゲネル症候群の患者は、そのような異常があるので、心臓やその他の器官の位置が偶然によって決まり、そのため半数の者に、内臓逆位が現われるのだろう。

 これらの患者は、好中球の走化性に異常があるが、それは微小管の異常に関係している。この患者たちもチェジアック・東病の患者と同様に、ビタミンCの大量摂取で細菌感染に対する抵抗力がつく可能性があるが、これはまだ立証されていない。

一つの物質があらゆる病気に役立つことが二〇世紀の最後の四半世紀に認められようとしていることに、私は、ほかの人々と同じように、驚いている。ビタミンCがそのような物質であるのは、これが人体の多くの生化学反応にかかわって、自然防御力を増強するからである。病気に対する抵抗力は、大部分がこの自然防御力によっているのである。われわれの身体が効果的に病気と闘えるのは、器官や体液の中に十分にビタミンCがあって、防御機構が効果的に働けるときなのである。いうまでもなく、そのためのビタミンCの必要量は、過去に医学や栄養学の権威が推奨してきた量より、はるかに多い。

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