キミには色んなことを教わったね。
馬鹿馬鹿しいくらいにはっきりと、
欲しいモノは欲しいということも。
陽射しの下で何とは無しにくつろぐ、
そんな時間が大切だということも。 . . . 本文を読む
何もかもが疎ましくて、
何もかもから逃げ出したくて、
ボクは月の道を目指した。
急がなくてはいけない、
太陽の魔力が効かない夜のうちに。
全力で走って、全身が疲れて、
立ち止まって、肩で大きく息をした。
上気して思考の低下した愚かなボクにも、
優しい月は静かに微笑み掛ける、
未だ来てはいけない、
そっと囁く。 . . . 本文を読む
こんなに遠くまで来てしまったから、
綺麗なキミの声が、嗄れてしまったみたいだよ。
本当は電話の向こうで笑うキミが隣室にいて、
糸電話でボクを騙しているのだったら良いのに。
でもボクの心は温かいんだ、
キミからこんなに離れていても。
だって電話でキミの声が届くんだから、
ボクの気持ちだって届くに決まってるからね。 . . . 本文を読む
どちらが良い? 選ぶのはキミだよ。
左の道の方が楽に行けるさ、
但し細いから面白くないかもね。
右の道は楽しいこともいっぱいあるだろうけど、
辛いことだってそれ相応にあるだろうね。
ほら、もうすぐ分かれ道だよ。
さあ、どちらが良い? . . . 本文を読む
そうやって過去の栄光を眺めてるのも、
それはそれでハッピィかも知れないさ。
でもそれじゃ前には進めないよ、
過去の思い出が美しく見えるのは、
思い出しか残っていないからさ。
嫌な記憶をみんな忘れているからさ。
未来がハッピィになることを夢見て、
進んでいくこと自体がハッピィじゃない? . . . 本文を読む
少しニュースでも仕入れようか、
そう言って徐にテレヴィを付ける。
そのニュースは正しいのかい?
少し頭を動かそうか、
そう言って徐にコンピュータの電源を入れる。
キミの頭は動いているのかい? . . . 本文を読む
その場に立つとあまり美しいとは言えない、
そんな場所でも、遠くから見れば違う。
とても美しく見えるようになることがある。
そんな瞬間を多く掴めるように、
掴むことができるようになりますように。 . . . 本文を読む
遠く憧れのあの人に近づこうと、精一杯努力する。
でもどんなに頑張っても、キミがあの人になれるわけじゃないし、
あの人に近づいたら『キミ』はどこに行くんだい?
近くで見れば、ホントはキミの方がキラキラして綺麗なのにさ、
あの人が綺麗なのは、遠くから見てるからなのにさ。 . . . 本文を読む
これだけは譲れない、
そんな大切なものは誰にだってある、
しかし、それは本当の拘りだろうか?
一度意地を張ると引っ込みがつかなくて、
自分でも引きたいと思っているのに後戻りの利かない、
静電気のような微妙な嫌悪。
誰に向かっているのかも分からないその気持ちが、
エマルジョンの如く徐々に硬化する。 . . . 本文を読む
世界はボクを中心に廻っているんだ、
そう思っていた頃もあった。
もしかしたらそうかも知れないけれど、
ボクが世界を廻しているのと、
世界が廻ってくれているのでは、
大きく違うだろう。 . . . 本文を読む