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Meister von Grünfelder

日々の出来事を綴ります。たまにまともなことも書くかも知れません。

アメリカ人が分からん。

2005-04-30 12:21:05 | Gesellschaft
 アメリカ・フロリダ州でちょっとおかしな裁判があった。
 妊娠3ヶ月の13歳の女性に、「若年であるため自己決定を行うには尚早であり、人工妊娠中絶をしてはならない」という判決が出されたのだ。
 人工妊娠中絶の差し止めと、彼女の精神鑑定を行うことになるそうだ。

 ??? という感想しか出てこなかったので、ちょっと考えてみた。

 現在は日本でも、13歳であれば独立した自己決定権が認められることはあまり無い。未成年であることから、親による保護と補佐が必要とされている。例外は、未成年であっても結婚した男女。これは20歳未満であっても成年と同等の扱いを受けることができる。
 妊娠した女性がこの扱いを受けることができるのかは、残念ながら知らない。しかし妊娠の時点で親になるため、認められる可能性はあるだろう。

 この事件の女性--少女と言っても良い年齢だが--は残念ながら結婚可能な年齢に達していないため、この判決に抗することはできないだろう。
 背景には、妊娠を望む望まないに拘らず人工中絶を受け入れない意見が強いことがある。
 しかし、『13歳の少女が未熟な判断で妊娠してしまったことに対し、「未熟であるから」中絶をしてはならない』というのは、論理的には明らかにおかしい(どうやら一読した際、僕はここに疑問を感じたようだ)。
 未熟な判断で犯した過ちを、正してやるのが大人の責任じゃないだろうか。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (流離いのPT Americus)
2005-05-29 06:59:34
 こんにちは。実は私もこのフロリダの裁判官と同じ考えではないがこの場合の中絶反対の考えを持っています。確かに、未熟な親というのも問題なのですが、おそらくこの判決の奥には、それが受精卵かすでに胎児になっているか知らないが「生まれてくる権利」という生命倫理に沿った判決でもあると思われます。例えば、レイプなどであると、中絶は許可されますが、親が未熟であろうとなかろうと、生まれてくるであろう子供には責任はないので命を絶たれるというのは「生まれてくる権利」が迫害されているという観点からであると思われます。未熟であることが、生まれてくる命を絶っていいという理由にはなりませんしね。ただ、反対にその場合、成人はなんで許されるんだ、というと困りますが。特に、アメリカでは、クリスチャンが多く、裁判でもやや宗教よりなことも少なくない。特にアメリカ南部ではそうです。日本人は簡単に中絶を考えてるのですが、意外と中絶禁止の国も少なくないんですよね。一つの理由が、この生命倫理に基づくものです。さらに、最近の着床前診断など色々な問題、選別出産の是非、が問われてるところもその根は同じところにあります。考えは人それぞれ違うものですから賛否両論あるのですけれど、このニュースで中絶を正しい、と考えるのもどうか、と思います。「人の命」というものを改めて教え、未熟な少女に育てることも経験させて、「命」の重さ、そして、軽々しい性行為などについてもう一度考え直すきっかけを与えることもできますし、なにより、「命の尊さ」を考えることが重要と思います。

 但し、もちろん養育などに関する経済的問題もあることは承知しております。精神面の未熟に関しては、成人であっても同様ですから、大きな差ができるかは疑問ですが。
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コメント&TBありがとうございます。 (むろ)
2005-05-29 13:39:55
 本文に書いていないので恐らく誤解を受けたものと思いますが、僕自身は人工中絶に絶対反対の立場です。

 胎児であれ、それ以前の胚子であれ、新しく生まれた生命であることには変わりなく、従ってそれを絶つ権利など何人にもない。そう考えています。



 ただそれとは別に、望まれない妊娠というものがあるのも現実だと知っています。勿論、望まれない妊娠だから中絶して良い、という理由にはなりませんが。

 しかし今回の話しのように、無知の上の過ちによって妊娠した場合、その責任を一生取らせることが社会として正しいのか。そう考えたときに、悩みます。安易に「中絶を認めるべき」と主張している訳ではないのです。



 流離いのPT Americusさんも『成人はなんで許されるんだ、というと困りますが』と書いていますが、件の判決では未成年であることを理由に中絶が認められていません。必ずしも宗教的・倫理的価値観に則った判決ではないでしょう。

 未成年というある種の権利弱者に、社会の責任を押し付けているようにも見えました。
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