自分史　４　　本山博先生と私　１

　前回、「自分史３」として、自分の人生に一人の師との出会いがありました。と書きましたが、その師、本山博先生と私について、少し書いてみようと思います。

　　　『本山博先生と私』

　　　　　　１

　私の手元にある最初のIARPマンスリーは、1977年9月15日発行とあります。1979年1月15日IARPマンスリー・年頭所感『永遠の今』より。少し長くなりますが、紹介させていただきます。

「朝、いつものように御神前で精神集中を始めて十～十五分の間は、今、気になっていることが雑念として浮び上ってきます。時には或る事柄について種々と、どうしたらいいか等と考えてその思考を続けて、精神集中からはずれてしまう事もありますが、それでも周天法を行い丹田に自然に力を入れてゆっくりリズミカルに呼吸をしている間に、いつの間にか雑念は消えてゆきます。全身の上部・下部に生命力のバランスが整い、下腹部（スワディスターナチャクラ）に生命力が充実して上半身が羽毛のように軽く感じられ、身体についての意識がなくなりますと、身体に束縛されぬ、身体を越えた拡がりと自由、明澄と光に満たされてきます。

　その時、何千年も過去のこと、現在のこと、未来のことが同一の次元でその本質的内容を明らかにするのです。過去、現在、未来をこえた次元で、凡てが明らかになってきます。そこにあらわれてくるのは個人の何世代もの前世のこともあります。又、日本や中国、アメリカ等の国の歴史のこともあります。

　時間や空間をこえた次元で、凡てが一つの全体の内で相互に存在し、而も明らかな秩序をもっているのが解ります。穏やかな、平安な、調和に満ちた世界です。何の捉われもない自由な世界、永遠の真理にみちた世界であります。そこには物事の本質の洞察があり、自分の全存在が高い異次元の聖なる生命力で満ちた状態になります。やがて潮が徐々にひいてゆくように、聖なる力が自分からひいてゆきます。

　今、より高い次元で見たことが、過去の事なのか現在の事なのか時々解らないことがあります。一ヶ月、半年、或は数年経って或ることが生じ、あの時見たあの事だな、と解る時もあります。又、それが、朝お宮に座りに来る人のうちの特定の個人に関係のある場合は、その本人に話すと、自分の先祖に関わる言い伝え或は土地の言い伝えがそれと同じであると解り、更に郷土史等を調べてみると何百年か前にその事実があったこと、現在の自分に生じ家に生じていること、自分の生まれた土地に生じていることが、その昔の事実と深く関わってその影響を受けていることが解る時もあります。

　精神集中を通して達したより高い次元の世界とは、一切の事象が過去、現在、未来の区別をこえてその本質的様相において存在する“永遠の今”ともいうべき世界なのです。自由な、捉われのない、調和と至福にみちた世界であります。

　人間は本質的には、存在の奥底で、この「永遠の今」の世界に住んでいるのです。ただ、目の前の現実にのみ捉われている、つまり或る場所で或る時刻に或る事にのみとらわれてそれを追いかけまわしたり、それに追いかけまわされていますから、自分の奥底に横たわって過去、現在、未来に通じる真実をみることができないのです。

　この過去現在未来を通して存在する真実は、現実の世界に種々に形をかえて現象しているのです。ですから個々の現象に捉われず、それらの本質を知ることが大切です。その時、人間は、盛衰離合に捉われず、ものの本質をみることができ、自在な境地を実現できます。

　そのためには日常の一つ一つの行為において、果を求めずして己が本分を尽くすこと、そして精神集中、瞑想を通じて己の殻を破ることを毎日欠かさず行うことが、最も安全な近道であります。

　皆さんの努力を願いつつ、これをもって年頭の所感を終えたいと思います。」

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　私が本山博先生と実際に会ったのは数える程で、ほとんどは、本山博先生の書かれた著書とIARPマンスリーの記事から多くを学んだのですが、本山博先生と実際に会って感じたことは、どっしりとした落着きのある優しい親しみある人柄でした。その人柄とその生き方に、生きるということに悩んでいた自分は、しっかりとした芯を持つことが出来たのです。超心理学者であり玉光神社宮司でもあった本山博先生の業績や概要などについては検索していただければ詳しいことがわかりますが、ここに書こうとしていることは、私自身の、私に取っての本山博先生です。

・下の写真は、１９７８年24歳、IARP初級ヨガクラスの研修日程表です。