Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

【授業紹介】Healthcare Marketing

2009-03-17 23:35:01 | 授業紹介
この授業は、タイトルから示唆されるとおり、マーケティングのフレームワークを、ヘルスケア分野のケーススタディにあてはめて理解を深めていきます。

教授のMary Luceは、Consumer Behaviorの授業を教えていたこともあるようで、Prospect Theoryを中心に、購買者の意思決定の仕組みの理解とそのマーケティングへの応用が、この授業の大きなテーマになっています。

授業は、まず、マーケティングの3C,4Pに基づき、テーマごとに進行していきます。教材は、(ヘルスケアに限らない)普遍的なフレームワークの理論・実証研究、それをヘルスケアに当てはめた研究に関する読み物と、それらのケーススタディへの応用がうまく配分されており、しっかりした理論とその応用が関連づけられている分、マーケティングの授業にありがち(?)な、なんとなくふわふわした感(結果オーライなんじゃないの~?という違和感)があまりなく、結構、しっくりくる感じ(なるほどね~、という納得感)がありました。

ケーススタディでは、医薬品、医療機器、バイオテクノロジー、診断薬、病院まで幅広くカバーしますが、基本的には、メーカーサイドの話が中心で、ややこしいアメリカの医療制度なんかをあまり気にしなくてすむ分、日本人にもとっつきやすいと思います。

後半には、製薬企業での新製品上市時のマーケティング責任者(の経験者)をゲストスピーカーとして招いた2回のケーススタディや、倫理的な問題が指摘されるマーケティングのケーススタディ、利益相反の問題に関連する実証研究などもカバーしていき、ディスカッションが白熱することもたびたびあって、内容的にも楽しめました。

全く数字(計算)が出てこないQualitativeな授業で、教材(コースパック)の読み物は、それほど多くもなく、興味がある分野については、各自、クラスのWeb-siteにリンクされたE-Reserveから関連する読み物を閲覧して理解を深められるよう、メリハリがつけられています。

受講生の9割はSecond Year Studentsであり、内容的にも、(私の個人的な印象ですが)他の授業の応用編に位置づけられるような新しいフレームワークを学ぶという感じなので、しっかり理解するためには、特にMarketing of High Technologyで出てくるようなイノベーションの普及に関する理論や、Consumer Behaviorの基本書(Influence)に書いてあるような話は事前に知っておいた方がいいかもしれません。

by Max