今年も毎日様々なニュースを耳にしました。政治不信はもとより、多くの犯罪のニュースが流れ、どんどん世の中が悪くなっていくと皆が感じていることと思います。ところが一方で、先の全国教誨師大会で聞いたところによると、実は日本全国の犯罪件数は減少しているとのことでした。確かに、小生の出仕する某少年刑務所も一時期は収容定員を500人近くオーバーしていたのが、今は少し落ち着いているように見受けられます。つまり相対的には取り立てて犯罪が急に増えているわけではないのだそうです。
しかし一方で、年間3万人を超える自死者がいる社会がこの日本の現実です。そしてこの多くの自死を選んでいる人達のベクトルが、自分ではなく他に向ったとき、それは恐ろしいことになるのではないかとの指摘が、ある方のお話にありました。因みに先日の茨城の無差別通り魔事件などは、まさにこの典型ではないかと思わざるを得ません。まさに不気味な恐ろしいものを感じます。
そんな中、今年、初めて仏画の教室を開くことになって、まず実感したのは、“世の中にはこんなにも多くの、やさしく、善良な人達がいたんだなあ~”ということでした。
仏画に取り組んでいる方の口からは、“お迎えの来る前に、何とか自分の仏画を描きあげたい”というような言葉をよく聞きます。おそらくこれは、40代以前の方にはあまりぴんと来ないでありましょうが、高齢化社会の一つの切実な思いの一つであろうと実感したのでありました。なので、ろくに教えることはできなくとも、なんとかその人達のお手伝いをするようなことはできないかと思い、来年も仏画教室を続けることを決心しました。
私が思うに、これは、大げさかもしれませんが、まさに人生の総決算、人間として生まれてきた答えを仏画にぶつけて死んでゆきたいという、いわば「魂の浄化」という「祈りの行」を、仏画に求めておられるということでありましょう。
これを私は「高霊化」と呼ぼうと思います。そうです、私たちが目指すもの、それは、
「高霊化社会」なのであります

シャレです
清志郎のこの歌を聞きながら、兎年の来年は、もっと「ジャンプ」できたらいいなと願う今日この頃です。
http://www.youtube.com/watch?v=b85bd2f_G48&feature=fvw