囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

命運のレシピ/別稿㊦

2020年10月30日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

 

鬼平が斬る ~ 「男の作法」池波正太郎から

 ~ 他山の石として己を磨くべし 

 ~ 下品(げぼん)切るべし の巻】

 

 

 

■てんぷらは、揚げたてを 喰らう

 


鮨の場合はそれほどでもないけど、

てんぷらの場合はそれこそ、

「揚げるそばから食べる……」

のでなかったら、

てんぷら屋なんか行かないほうがいい。

そうでないと職人が困ちゃうんだよ。

 

よく、てんぷらの揚がっているのを前に置いて、

しゃべっているのがいるじゃないの。

そういうのはもう、

一生懸命、自分が揚げているのに 何だ

というので、がっかりするんですよ。

 

(中略)

 

わさびは、醤油に溶かさずに、

刺身の上に乗せる。

たいていの人はわさびを取って

お醤油で溶いちゃうだろう。

あれはつまらないよ。

刺身の上にわさびをちょっと乗せて、

それにお醤油をちょっとつけて食べればいいんだ。

そうしないと わさびの香りが抜けちゃう。

醤油も濁って新鮮でなくなるしね。

 


          ◇

 


碁にも局面により

考えるべきところ

長考すべきではないところ

がある。

 

形と筋を格言通りにポンポン置くのも、

気っぷがよくってよろしいか?

おなじみ時代劇の殺陣よろしく、

流れるように打っていくのも美しいか?

指か腕の運動くらいにはなるが……。

(万年上級、万年初段あたりに多い)

 

といっても、

アマの碁で長考長考の連続は嫌われる。

本人も「迷っているだけ」である。

そして、やがて対局相手がいなくなる。

碁会のお誘いリストからも外れる。

 

だからといって、

「そこは考えるところか?(→早く打てよ)」

などと横からチャチャを入れるのは、もってのほか。

こういう輩を出入り禁止にする骨のある碁会所も多かった。

同好会でもこれを放置すると、場の雰囲気が悪くなる。

わたしは今春、ある碁会を退会した。

理由を聴かれ、適当にごまかした。

立つ鳥跡を濁さず、というべきか?

目前の相手を正すのはムリ、ムダである。

 

他人の時間を奪うのも

愉しみの心を奪うのも

いうなれば立派な“盗人”

ああ、悩ましい。

 

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