やさいさんのブログ

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ぼくと星野監督と

2018年01月08日 | やきう
1/4に星野仙一氏が亡くなった。
ご冥福をお祈りいたします。

朝から鷲ファン友達が連絡をして来たけど、確かに大事件だ。
虎ファン鷲ファンにとっては、今で言う神のような人になるのだと思うし、それはとても理解出来る。
一方、選手~監督と一番長く在籍した竜ファンにとっては清濁合わせ持つ、何とも言えない存在の人だった。少なくとも自分はそう感じている。


自分は星野監督の現役時代は全く知らない。
自分が野球を始めてプロ野球に興味を持ち始めた頃に丁度ドラゴンズの監督になり、ドベゴンズと揶揄されていたチームを強くして行く過程を見ていた。
1987~1991年の第一次政権。
チームの歴史をそんなに知らなかった自分でも、牛島上川を含めた4人を出してでも欲しかった落合という打者にわくわくしたのを思い出す。
近藤投手のノーノー。
1988の優勝。
立浪選手の新人王。
与田投手の新人王。
森田投手の新人王。
その間に前述の二人、谷沢、大島、中尾と引退やらトレードやらで消えていったけど、強かったので楽しかった記憶しかない。

1996~2001の第二次政権。
さよならナゴヤ球場。
ナゴヤドーム初年度最下位。
川上の新人王。
1999の優勝。
2001年の監督勇退。
第一次政権の時もそうだったけれど、乱闘とかになれば自分がいの一番に走って行って参加する。
珍プレーでもよく扱われていたけれど、何か起きると楽しい、そんな監督だった。

ナゴヤ球場最終戦でのセレモニーや、2001年の監督勇退セレモニーは生で見た。
そういう意味では、結構リアルでも星野監督の節目を見ているんだなぁと。
勇退セレモニーで星野監督が「情けない監督で申し訳ない」と言った時に、ライトスタンドで一緒に見ていた先輩が「そんなことないぞー!」と叫ぶと、周りがワァー!っと沸いたのを鮮明に記憶している。
ここまでは良かった。ここまでは。


それからわずか2か月後、星野監督は阪神の星野監督として会見をしていた。
当時、サッチーの脱税での逮捕を受けて翌年の留任も発表されていた野村監督が辞任。それを受けての阪神監督就任だった。
そこは虎さんの事情も事情だし、乞われたらやるという星野監督の気持ちも理解出来た。
中日ファンもそこまでならまだ許せただろう。
許せないのは、既にドラゴンズの二軍監督就任が決まっていた星野監督の一番のブレインである島野修を引き抜いてしまったことだ。
これは当時の自分も憤慨したことを覚えている。また、かなり抵抗はしたもののそれを最終的に許してしまった球団にも。
勇退セレモニーで次期山田監督への協力は惜しまないと豪語しておきながらのそれ。
そして2003年にはタイガースは優勝。それもあって竜ファンの怒りは続いて行くことになってしまった。


時は経って2008年。
代表監督としてNPBメンバーを擁して北京オリンピックに出場するも、メダルを逃す。
ここでのGG佐藤選手、川上投手、岩瀬投手の起用法やその処遇についてもかなり疑問だった。
北京オリンピックが終わって帰国してひと月。他チームの代表選手たちがすぐさま一軍復帰して活躍する中、川上も岩瀬も一軍で投げることは無かった。それだけの時間が二人には必要だったのだ。
シーズン中にはされていない起用法に、失敗に対しての罵倒に鉄拳…。
ここで完全に竜ファンにとって星野監督は憎悪の対象になったように思う。

後に冗談半分ながらも「本気で自殺しようと思った」と岩瀬は語った。
翌年イチローの「前の人は失敗してるし」との進言もありWBCの代表監督がかなりギリギリのタイミングで星野監督から原監督に変わったが、それまでは代表へ選手を送ることを拒まなかった落合監督が拒んだのも理解出来る。その経過を知らない他のNPBファンが落合監督を叩くのも仕方ないかも知れないけれども。


2011年、評価が地に落ちていた星野監督にも、再びチャンスが巡って来た。
楽天監督就任である。
直後に東日本大震災が起き、疲弊した東北民を元気付けた2013年のリーグ優勝からの日本一。
これも両方とも生で見ることが出来た。
鷲も好きな自分にとっては本当に素晴らしい初優勝だった。
日本シリーズ第7戦、前日に160球を投じていた田中投手を審判にコールする時の「たなかー!」と叫ぶシーンは今見ても泣ける。
まさに鷲ファンにとっては鷲を日本一に導くことで東北に勇気を与えてくれた神のような人であることは間違いない。


後に楽天の人間でありながらドラゴンズの応援番組に来て「落合を連れて来たのは失敗だった」なんてことを表立って言っていたけれど、それはないだろう?と。
それによって自分も88年に優勝監督になれたし、竜ファンは8年で5回の優勝(うち一回は2位からの日本一だけどもw)を味わえたんだから。
自分はむしろ、4人という犠牲を払ってでも落合を連れて来てくれた星野監督には感謝している。
それによって竜ファンは落合が選手の時も監督の時も喜びを味わえたのだから。そりゃGMとしてはゴミと言っても過言ではない酷さだったけれどね。


最後に。
この訃報を期にワイドショー等に呼ばれた山本浩二や田淵が「鉄拳を受けた選手も分かってくれているし、真意は伝わっている」なんて軽々しく言って美化していたけれど、殴られた人間の気持ちなんて殴られた本人にしか分からない。
暴力を美化することだけは本当に止めて欲しい。暴力を振るった人が亡くなったとしても、いつの時代においても許されることではないし、認められることもない。これだけは言っておきたい。


てな感じで、星野監督は喜怒哀楽全部くれた、自分にとってはそんな人だった。
改めて、ご冥福をお祈りいたします。