ふくろうはうす昔話 第2話

2008年02月08日 | Weblog

  小学4年から家業を手伝い始めた高橋少年は、15歳の頃には 立派な職人になっていました。

 もちろん、今と違い 車すらなかなか見かけないような時代。

 機屋から譲ってもらった『人絹箱』に材料を積み込み、自転車の荷台へくくりつけて

 現場へ移動する毎日でした。

 (桐生といえば、その当時は 機織産業が非常に盛んで 

 町のあちこちに三角のギザギザ屋根の機織工場があったため、

 木でできた長方形の人絹箱は容易に手に入り 材料入れなどにとても重宝したそうです)

 “職人になって一番初めに 一人で任された仕事って、何だったんですか?”

 と質問すると しばし昔を振り返りながら考えて

 “確か、下見板の防腐剤塗りだったなぁ・・・” と答えてくれました。

 下見板 とは、家の外壁に貼られた板の事で その頃の家屋の外壁は

 これが主流だったそうです。

 でも その材料として使われていた塗料は 皮膚についてしまったりすると かなり厄介で

 火ぶくれになってしまうことも良くあり、ひどい時には アトピーのようになったりもしたのだそうで・・・

 “でも不思議と 何度も火ぶくれを経験するうちに 免疫がついて、塗料がかかっても大丈夫になったなぁ~” 

  えぇぇぇっ

 わたしじゃぁ 絶対に無理な気がする・・・

                                      つづく・・・