2017年2月12日。

僕たちは何気なく「国」という言葉を使うけれど、
国という存在はとっても不思議ですよね。
「北キプロス・トルコ共和国」という国をご存知でしょうか?
キプロスの北部にあるこの「国」は、隣国のトルコ以外、その存在を認めていない。
社会の授業で出てくるけど、国家の三要素には「領域」「国民」「主権」の3つがある。
それに加えて「他国の承認」というのもとっても重要で、
北キプロス・トルコ共和国は、いわゆる「他国の承認」を得られていない。
このように聞くと、この「国」はとっても恐ろしい存在のように聞こえるかもしれないが、
実は簡単に入国(入域?)することができるし、キプロスとの関係も落ち着いている。
僕はこの「存在しない国」に入るため、キプロスの首都、ニコシア(レフコシア)に向かった。





キプロスは、基本的にはキリスト教徒の国である。
そして北キプロス・トルコ共和国はイスラム教徒が住む地域である。
というか、事実上トルコ軍がその実権を握っているらしい。
ニコシアの旧市街のメインストリートを歩くと、やがて小さな事務所のようなものが見えてくる。


なんと、これが国境なのだ。
北キプロス・トルコ共和国に行くためには、ここでパスポートチェックを受けなければならない。
とは言ってもそれは簡単なもので、軽くピッとするだけで簡単に通してくれる。
安全だし全く問題はないと聞いていたが、さてさてどんな世界が待っているのか・・・。
と思いきや、国境付近はもはや観光地と化していて、キプロス側からやって来た欧米人でごった返していた。

危機感など全くない。
北側に入った途端にモスクが立ち並び、人々はイスラームの服装をしており、


北キプロス・トルコ共和国の国旗が上空をたなびいているものの、


とても平和な世界が広がっていた。
国境付近を離れて、僕は奥へ奥へと進んでいった。
キプロスに比べると、そこには物質的な貧しさは感じられた。




しかし、危険な雰囲気は全然なく、人々の普通の生活がそこにはあった。




※北側からの国境付近はこんな感じ。

その日のうちにキプロス側に戻って来なければいけないので、
僕は数時間の滞在の後、再びキプロスに入国をした。
これまで幾度となく陸路の国境を越えてきたけど、
「国」っていったい何なんだろうなぁ。
○○人とか○○国出身とかって、いったい何の意味があるのだろう?
キプロス島に引かれたこの境目には、いったい何の意味があるのだろう?
僕は仲良くなったキプロスの安宿の従業員のクリストスくんに、
「実際さ、キプロスの人は北キプロスのことをどう思っているの?」と聞いてみた。

「ん?いや別に、特別何かを思っているわけではないよ。今は対立もないしね。」
「ただ、かつては戦争があった。だからどうしても思うところはあるけど、それはそれだよ。
今の日本と中国の関係みたいなんじゃないかな。」
この地球という星に、きっと最初は「国境」はなかったはずだ。
だけど、人間という存在が生まれて、「国境」が引かれ出した。
そりゃあ動物だって縄張り争いをするわけだし、何かにおいて「境目」があることは別に悪いことじゃない。
だけど、人間で問題なのは、
生存のためや家族を守るためといったような目的を超えて、
私利私欲のために縄張り争いをすることなんじゃないかな。
国や国境について色んなことを考えさせられながら、
僕はまた「国境」を超えて、次の「国」へ向かった。
藤本正樹(ふじもん先生)
ふじもん先生ホームページ
http://fujimosensei.com/
著書『中学教師が行く、無計画世界紀行』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YO9OL3K/ref=cm_sw_r_tw_dp_9x5Bvb0HR324E

僕たちは何気なく「国」という言葉を使うけれど、
国という存在はとっても不思議ですよね。
「北キプロス・トルコ共和国」という国をご存知でしょうか?
キプロスの北部にあるこの「国」は、隣国のトルコ以外、その存在を認めていない。
社会の授業で出てくるけど、国家の三要素には「領域」「国民」「主権」の3つがある。
それに加えて「他国の承認」というのもとっても重要で、
北キプロス・トルコ共和国は、いわゆる「他国の承認」を得られていない。
このように聞くと、この「国」はとっても恐ろしい存在のように聞こえるかもしれないが、
実は簡単に入国(入域?)することができるし、キプロスとの関係も落ち着いている。
僕はこの「存在しない国」に入るため、キプロスの首都、ニコシア(レフコシア)に向かった。





キプロスは、基本的にはキリスト教徒の国である。
そして北キプロス・トルコ共和国はイスラム教徒が住む地域である。
というか、事実上トルコ軍がその実権を握っているらしい。
ニコシアの旧市街のメインストリートを歩くと、やがて小さな事務所のようなものが見えてくる。


なんと、これが国境なのだ。
北キプロス・トルコ共和国に行くためには、ここでパスポートチェックを受けなければならない。
とは言ってもそれは簡単なもので、軽くピッとするだけで簡単に通してくれる。
安全だし全く問題はないと聞いていたが、さてさてどんな世界が待っているのか・・・。
と思いきや、国境付近はもはや観光地と化していて、キプロス側からやって来た欧米人でごった返していた。

危機感など全くない。
北側に入った途端にモスクが立ち並び、人々はイスラームの服装をしており、


北キプロス・トルコ共和国の国旗が上空をたなびいているものの、


とても平和な世界が広がっていた。
国境付近を離れて、僕は奥へ奥へと進んでいった。
キプロスに比べると、そこには物質的な貧しさは感じられた。




しかし、危険な雰囲気は全然なく、人々の普通の生活がそこにはあった。




※北側からの国境付近はこんな感じ。

その日のうちにキプロス側に戻って来なければいけないので、
僕は数時間の滞在の後、再びキプロスに入国をした。
これまで幾度となく陸路の国境を越えてきたけど、
「国」っていったい何なんだろうなぁ。
○○人とか○○国出身とかって、いったい何の意味があるのだろう?
キプロス島に引かれたこの境目には、いったい何の意味があるのだろう?
僕は仲良くなったキプロスの安宿の従業員のクリストスくんに、
「実際さ、キプロスの人は北キプロスのことをどう思っているの?」と聞いてみた。

「ん?いや別に、特別何かを思っているわけではないよ。今は対立もないしね。」
「ただ、かつては戦争があった。だからどうしても思うところはあるけど、それはそれだよ。
今の日本と中国の関係みたいなんじゃないかな。」
この地球という星に、きっと最初は「国境」はなかったはずだ。
だけど、人間という存在が生まれて、「国境」が引かれ出した。
そりゃあ動物だって縄張り争いをするわけだし、何かにおいて「境目」があることは別に悪いことじゃない。
だけど、人間で問題なのは、
生存のためや家族を守るためといったような目的を超えて、
私利私欲のために縄張り争いをすることなんじゃないかな。
国や国境について色んなことを考えさせられながら、
僕はまた「国境」を超えて、次の「国」へ向かった。
藤本正樹(ふじもん先生)
ふじもん先生ホームページ
http://fujimosensei.com/
著書『中学教師が行く、無計画世界紀行』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YO9OL3K/ref=cm_sw_r_tw_dp_9x5Bvb0HR324E
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