天皇陛下が23日の東京五輪の開会式に臨席されることが20日、正式に発表された。新型コロナウイルスの感染拡大下で迎える五輪で、名誉総裁を務める陛下の関与の形が注目されていたが、陛下は以前からスポーツ振興に取り組む関係者を激励する一方、コロナ禍で困難にある人々に寄り添い、心を合わせて乗り越えていくことを願われてきた。陛下に近い関係者は「あらゆる立場の国民に心を配り、五輪に臨まれる」と話す。(橋本昌宗)
「この試練を乗り越えるためには、国内外を問わず、私たちが、なお一層心を一つにして協力していくことが大切です」。五輪開会式を約1カ月後に控えた6月21日、東京・上野で行われた日本学士院賞の授賞式で、陛下はコロナ禍に触れ、こうお言葉を述べられた。陛下は昨年以降、さまざまな式典でのお言葉やビデオメッセージでコロナ禍に言及し、苦しむ人々を気遣われてきた。
国民との交流に際しても、最も優先されてきたのは一貫して感染拡大防止だった。昨年始まったオンラインによる地方視察や懇談は、自身が動くことで、警備や出迎えなどの「密」が生じることを避けるため取り入れられた苦肉の策だった。
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