能登半島地震の発生から22日で3週間となる。現地では被害を受けた通信インフラの復旧作業が続けられているが、半島北部に位置する石川県輪島市と珠洲市の一部では完全復旧の見通しが立っていない。通信各社は移動基地局や衛星通信の活用などで応急的措置を施しつつ、本格復旧へ向けた作業を急いでいる。
「停電の長期化や道路が通れないことで、復旧に非常に時間がかかるという状況だ」。NTTドコモの小林宏ネットワーク本部長は18日、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルと共同で開いたオンライン記者会見で、通信障害長期化の理由を説明した。地震で通信に用いるケーブルが切れたが、現地へ向かう道路が寸断している上、雪も作業を阻んでいるという。
各社は、車や船に基地局の機能を搭載した移動基地局や、衛星通信などを利用して応急復旧を実施。さらに、米宇宙企業スペースXが手がける衛星インターネットサービス「スターリンク」も国内の大規模災害現場で初めて活用された。低軌道上の小型衛星網の利用により、大規模な地上設備なしに既存の衛星通信より高速かつ大容量の通信ができるサービスで、各社は利用に必要な機材を無償で提供している。
ただ、これらの対応はあくまでも応急的な措置で、各社は既存基地局の機能正常化を急ぐ。ドコモは既存基地局の継続利用が困難な場合、基地局の新設も検討するとしている。 (根本和哉) 産経新聞
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