8月に入り本格的な夏休みシーズンを迎えた。一方で、新型コロナウィルスの感染が広がっている。人の往来も増える夏休み、改めてどんなことに気を付ければよいか、大分県感染症対策課の医師、池辺淑子課長に話を聞いた。
夏休みは普段会わないような人とも会う「人にうつさない、人からもらわない」という意識を
ーー新型コロナの感染者が急増しています。これからどんなことに気をつければいいでしょうか
学校の生活の「密」の状態は解消されるので学校現場で感染が広がることは少なくなります。
ただ、部活やスポーツの大会があって、屋外でも屋内でも、感染者との距離が近いと感染は拡大していきます。
塾の補習とか学校と同じ環境もありますよね。密な環境は注意してもらいたいです。
そして、夏休みは普段会わないような人とも会いますよね。
同じ生活をしていれば特定の集団で感染が広がっても、そこから広がることはあまりないのですが、普段会わない人と会うと感染がないところに広がりやすくなります。
地域全体で見ると、感染者がほかの地域に広がり、感染者が増えるという状況に陥りやすいので、夏休みは私達が注意している時期なんです。
5類になってから制限がなくなりましたが、ウイルスの感染力とか病原性が変わったわけではないです。
コロナ対策を厳密に言っていたときと変わらず、距離が近いところでマスクをせずに会話をしたり、食事をともにしたりという環境は、広がりやすい場面であることは変わらないですよね。
夏休みは、普段会わない人と会食をしたり、親戚が帰ってきたり、日ごろ合わない人との交流を持ちやすい時期ですよね。
そういう場面は、ストレス解消にはいいのですが、一方で感染拡大しやすい状況であることは、理解してもらいたいです。
たとえば、少し調子悪いと思えば久しぶりに会いたいという気持ちを我慢して今日はやめておこうと。
自分が発症してしまったときに、その直前で飲食をしてる人には感染させてしまう可能性があることをもう一度思い出してもらいたいです。
「人にうつさない、人からもらわない」ということを、みんなが少しずつ対策すれば、感染拡大を抑えることができるのではないかと思います。
感染者がもう一段階増えると予測できる
ーー今後の感染者数の推移はどうなりますか
5類になった2023年の5月からこの7月までの定点当たりの感染者数の推移と2024年の推移がなぞっているかのように同じような動きをしてるんですね。
2023年の動きをみると、2024年もおそらく夏休みにかけてあと何週間か、感染者がもう一段階増えるということは十分予測できますので、もう少し感染が広がることを想定して対策を取ることが大事になってくると思います。
コロナによる のどの痛みで飲食ができないケースも 熱中症にも注意を
ーー今年の夏もかなり気温も上がりそうですが
そうですね。この季節に気を付けてほしいのは熱中症です。
新型コロナでのどの痛みで飲食ができないケースがありますよね。そうすると、発熱してたくさん汗をかいても水が飲めず、脱水症状で熱中症になってしまいます。
夏は新型コロナとあわせて熱中症にも注意が必要です。
生活リズムが崩れると免疫力が落ちる 規則正しい生活を
ーー最後に改めて気を付けるべきことを教えてください
夏休みの時期に気をつけなければいけないのが生活リズムが崩れることなんです。
朝寝坊したり、夜更かししたりして、夜遅くまでテレビを見たり、ゲームしたりしてしまいますよね。生活リズムが崩れると免疫力は落ちてしまいます。
感染症にかかりやすくなるほか、感染症にかかったときに症状が強く出ます。
夏休みに入ってウキウキして夜更かししそうになりますけど、それは避けてもらい、こういう時期だからこそ、むしろ熱中症予防にも感染症予防にも生活リズムを整えることがとても大事なことです。基本的な感染対策と規則正しい生活、そしてバランスの良い食生活に取り組んでほしいと思っています。
(テレビ大分)
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