兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題を巡り、日本維新の会の県議団が9日、斎藤氏に辞職と出直し選挙を申し入れたことについて、すでに辞職要求の方針を決めていた他会派からは「(衆院の解散)総選挙を見据えて焦っているのでは」などの声が上がった。
「党本部の意向で決めると聞いていた。政局を考えた維新らしい判断ではないか」。最大会派・自民党の北野実幹事長は維新の動きをこう表した。
自民は6日の県議会調査特別委員会(百条委員会)の斎藤氏の証言内容などを踏まえ、辞職を申し入れる方針を同日中に決定。全会派一致を目指して各会派にも呼びかけ、9日も、第3会派の公明党や立憲民主党系の第4会派「ひょうご県民連合」幹部と会合を開き、12日に申し入れ書を提出する方針を確認した。北野氏は「全会派で提出したかったが、維新が先に出すならそれで構わない」と述べた。
「全会派一致であれば(斎藤氏の)受け取り方は違ったはず。なぜこのタイミングなのか」。公明の会派幹部は首をかしげつつ、「他会派と一緒では埋没すると考えたのかもしれない」と推測した。
斎藤氏が辞任に応じなければ、9月議会で不信任決議案提出を提出する方針をいち早く決めた県民連合、上野英一幹事長は「維新の支持率が低下しているので、国政選挙を見据えて中央(党本部)が焦って決めたことではないか」と指摘。他会派に先立つ提出については、「注目を浴びるためではないか」と冷ややかな見方を示した。
産経新聞
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