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埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人をめぐり、法務省入国管理局(現出入国在留管理庁)が20年前の平成16年、難民認定申請者の多いトルコ南部の複数の村を現地調査し「出稼ぎ」と断定する報告書をまとめていたことが24日わかった。しかし日本弁護士連合会が「人権侵害」と問題視したことから、調査結果は表に出なくなった。これらの村などがある3県の出身者は現在も同国の難民申請者の8割を占めることも判明、報告書からは、クルド人の難民該当性について、すでに一定の結論が出ていたことがうかがわれる。
この文書は「トルコ出張調査報告書」。当時、クルド人らが難民認定を求めて各地で裁判を起こしており、同省が訴訟対応として16年6~7月、これらの村へ入管職員を派遣し、生活実態などを調査した。
報告書は「わが国で難民申請した者の出身地が特定の集落に集中している」「いずれも出稼ぎ村であることが判明。村民から日本語で『また日本で働きたい。どうすればよいか』と相談あり。出稼ぎにより、近隣に比べて高級な住宅に居住する者あり」などと記されていたという。
ところが報告書が訴訟資料として法廷へ提出されると、クルド人側の弁護団が問題視、入管側が難民申請者の氏名をトルコ当局へ伝え、現地の家族を訪問していたことなどを記者会見して非難した。当時のメディアも「法務省が不手際」「迫害の恐れ」などと批判的に報じたが、報告書の内容自体には触れなかった。
報告書は、氏名を伝えたのは申請者から提出された本国の「逮捕状」の真偽を確かめるためで、トルコ側から「氏名がなければ照会できない。欧州各国も同じ方法で事実確認を求めている」と指摘されたためとしているという。
「かつて敬遠された原子力は今や気候変動の新たな星」。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は15日、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)を取材した記者の記事を伝えた。気候変動交渉での原子力への期待が以前より強まっているという。同紙は米国で影響力がありリベラル色が強い。再エネ推しだが、この1年は論調が変化している。
これは世界各国で原子力への評価がこの数年高まっていることを反映したものだろう。ウクライナ戦争以降、国際エネルギー情勢の不透明感が続く。人工知能(AI)の利用拡大、情報通信技術(ICT)の深まりで、全世界で電力需要の拡大が見込まれる。新興国は経済成長のために電力を欲しがる。一方で気候変動も深刻だ。脱炭素の電源であり、巨大な量の電力を生む手段として、原子力発電が期待されている。
産経新聞は10月20日に「衆院選とエネ政策 原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために」と、世界の流れに沿った社説を出した。ところが、「原発は悪」という一種の思想にとらわれ続ける新聞・メディアもある。COP29を伝えた朝日新聞の社説「気候変動会議 世界の結束に力尽くせ」(11月13日)では、NYタイムズと同じ会議を論評したのに、原子力は他電源と並べ「議論も注視する必要」との言及のみだ。
「再エネへの期待が大きすぎる」(電力会社幹部)と批判される日本経済新聞も「再エネ投資で地方活性化 石破政権初のGX会議」(1日)という記事で、岸田政権のグリーントランスフォーメーション(GX)政策が継承されることを歓迎した。
それどころか原子力への敵意を示す記事は消えない。原子力規制委員会は、日本原子力発電の敦賀原発2号機の下に活断層がある可能性があるとして、13日に新規制基準に基づき不合格とした。同日の東京新聞は「敦賀原発2号機『不適合』が覆る可能性は? 日本原電に『反省』求めた山中伸介・原子力規制委員長」と、その判断に批判的な見方もある規制委の言い分をそのまま掲載した。
東京電力福島第1原発事故の後で、日本の新聞は反原発を主張しすぎた。そのために原子力を巡る世界の変化を知っても、論調を変えられないのかもしれない。原子力問題に「思想」を持ち込まず、公平な視点で見てほしい。このままでは、日本の経済記事も、それに影響を受けるエネルギー政策、供給体制作りも、世界の流れからますますずれてしまう。
産経新聞
凶悪化する外国人や暴力団などの組織犯罪に対峙(たいじ)するため、警視庁は平成15年4月、全国で初めて、「組織犯罪対策部」を発足させた。容疑者の摘発に加え、複雑化する犯罪集団の組織を解明し、壊滅を目指すことが求められた。
14年には全国の刑法犯認知件数が約285万件と戦後最多を記録していた。組対部の発足式で当時の石川重明警視総監は「首都東京の治安回復の鍵は来日外国人や暴力団による犯罪への対策」と危機感を示した。
発足時の組対部は約940人態勢。庶務にあたる総務課のほか、捜査を担当する組対1~5課、特別捜査隊で構成した。1、2課が密入国や偽装結婚、地下銀行など国際犯罪を担当。3、4課は暴力団を取り締まり、5課は銃器・薬物犯罪の対策にあたった。
「警視庁の総合力で組織犯罪に立ち向かうため、刑事、生活安全、公安の各捜査部門から捜査員が集められた」。立ち上げのために編成されたチームの担当者は当時を振り返る。
同部は令和4年に組織を再編。マネーロンダリング(資金洗浄)の捜査に特化した「犯罪収益対策課」を全国で初めて創設した。
匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の実態解明や捜査にも注力。事案ごとにほかの部と共同で「タスクフォース」を立ち上げ、刻々と変わる組織犯罪に最前線で立ち向かっている。(外崎晃彦)
産経新聞
11月23日(土) 訪問者数 613 閲覧数 1182 836位/3194590ブログ
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