広報担当者や露独立系メディアによると、ナワリヌイ氏は9月の露統一地方選の選挙キャンペーンのためにシベリア西部トムスクを訪問。20日朝、モスクワに戻る途中の航空機内でうなり声を上げ、倒れた。航空機は露南西部オムスクに緊急着陸し、同氏は緊急搬送された。医師は「熱い液体を通じて毒物が摂取され、中毒になった可能性がある」と診断した。ナワリヌイ氏はこの日朝、空港のカフェでお茶を飲んだという。
ナワリヌイ氏は政権側の腐敗を追及する「汚職との戦い基金」(7月に閉鎖)を主宰。昨年9月のモスクワ市議会選では公平な選挙を訴えるデモを組織し、有力な非与党系候補に投票を集中させる「賢い投票」戦術を主導して与党側の議席を減少させた。直後、露連邦保安局(FSB)は資金洗浄容疑などでナワリヌイ氏や同基金の銀行口座を凍結。複数の政府機関などから損害賠償請求訴訟も起こされ、1億ルーブル(約1億4千万円)近い賠償を命じられた。同氏は「政権側の政治圧力だ」と批判していた
産経新聞