政府の経済政策のなかでも、最重要課題がデフレ脱却。政府や専門家の言うデフレは、『貨幣流通量の多寡』なのだけれど、われわれ庶民にとっては、『デフレ=商品の値段が低い』。ディスカウントストア店頭やスーパーのチラシに出る価格、特に野菜の値段など。また、街中のガソリンスタンド店頭に出ている値段表示に、物価の上下を感じる。その中で、『数字が大きくなった』と感じるのが、ガソリン・灯油の値段。去年の夏ごろから特に高くなっていたことを実感していたのだが、軽油でさえも100円オーバー。さらに、灯油も週ごとに値上がりしている。
灯油、7週連続で最高値更新 18リットルで8円上昇 (朝日新聞) - goo ニュース
ガソリンに関しては、ガソリンスタンドの価格競争の側面が強く、『異常に値段が安かった』と認識していた。しかし、この冬の灯油の値段については、ここぞとばかりに値上げしているように思われる。形式的には、需要と供給運関係に基づいて決定していることになっているが、この冬の場合は、今までの安値で定着していた感覚を壊そうという意図が働いているように思う。とにかく、ガソリンは、自動車利用機会を減らすことにより、節約していけるが、暖房利用、灯油の消費はなかなかそのようにはできない。
この灯油高、石油元売の『値上げ政策』は、気候というコントロールできない環境条件を使った、巧みな『デフレ脱却作戦』であった。しかし、この石油値上がりは、石油暖房機の需要の押し下げ、ガスや電気への暖房機転換を促すことにもなる。今冬の非常な暖房費支出が、住宅のリフォームを後押しになるかも。