加東市議会議員・藤尾潔の出る杭日記

出ない杭は地面で腐食します。杭を打つ手も結構しびれているはず。
打たれないような杭では使い物になりません。

埋蔵金の正体と自治体

2009-07-28 10:05:06 | Weblog
 年をとってから趣味を覚えることが可能なのかどうかが争点になりそうな衆議院選挙ですが…。昨日民主党のマニフェストが発表されましたね。言いたいことは富士山ほどあるのですが、自民党のマニフェストが出てから私なりに考えを書こうと思います。自民党のマニフェストに対して言いたいことはチョモランマくらいなのか、三草山くらいなのか。

 さて、今回のマニフェストの財源問題を見るとき、大きなポイントを占めるのが、「埋蔵金」です。以前はあるかないか、などと話していましたが、今ではあることが前提に話が進んでいます。今回は埋蔵金の正体について私なりにみてみたいと思います。
 埋蔵金の2大エースは、外国為替特別会計と財政投融資特別会計だと言われています。

1.外国為替特別会計
 以前は為替介入をよくしていましたね。今、日本は1兆ドルの外貨準備を持っています。(ドル札で持っていても意味がないので、ドル建ての米国債で持っていることが多い。)言い方を変えると、国家がFX取引をやっているようなものです。
1ドル=120円だったら1兆ドルは120兆円
   =90円だったら      90兆円
含み益や、含み損が出ます。
 埋蔵金の話が出始めたころは、まだそんなに円高ではなかったので含み益がありましたが、今では逆に評価損が出ているくらいです。(20兆円以上)
 
 それに加えて、帳簿上この含み益(含み損)は存在していますけれど、実際に使おうとすると米国債を売って円に変えないといけませんね…
 民主党のネクスト財務大臣は売るとか言っていますが…

2.財政投融資特別会計
 ここには「金利変動準備金」というのがあります。
 自治体や、政府系機関は財政投融資で長期の融資を受けることができます。
 仮に、今金利3%で30年ものの借金をしたとします。
 その貸し出しの元手となる資金ですが、銀行に行って30年ローンでは貸してくれません。短期の借金を元手にすることになります。財政投融資は、短期の借金を長期の借金に変換してくれている役割を負っています。
 10年後、金利は何%になっているのかはわかりません。仮に5%になっていたとすると、財政投融資は5%の金利で資金を調達してきて、返済で入ってくる金利が3%だと、2%分赤字になってしまいます。このようなリスクに備えるために準備金を積んでいるのです。(言い方を変えれば、準備金があるので長期での融資ができる)
 
 外為特会と違い、こちらは円で保有しているので崩しやすい。しかし崩すとどうなるか。
・今までのように、自治体等向けに長期低利で融資するのは無理
・金利が高めに振れた場合の損を吸収できない。

つまり、お金自体はあるけれど、使えば副作用があります。
また、昨年まで地方公営企業等金融公庫といっていたところが、6月1日から地方公共団体金融公庫になりましたが、ここの金利変動準備金もこのたびの2次補正の際取り崩されました。
 というわけで、加東市としても今後は長期・低利の政府系資金に頼れなくなってくる状況を想定しておかねばなりません。

 副作用を考えず、埋蔵金論議をしているのが気にかかります。その上、一度掘ったらおしまいですしね。ゴールドラッシュの後には何があるのか、などという人たちもいますね。
  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿