(お知らせ;予めご了承下さい)
今回のブログ以降は「MMS」や「かなひろいテスト」を実施している医療/介護関係者を念頭に置いた実務的な内容の解説を「4回シリーズ」で続ける予定です。一般の読者の方々には難解な内容になると思いますので予めご了承下さい。理屈っぽいことが好きではない読者の方々や「MMS」「かなひろいテスト」を実施した経験がない医療/介護関係者の方々は今回のブログをスルー(素通り)して下さい。
以前のブログ「 05 知的機能(4)」〔2018/05/15〕でも述べたように「MMS;Mini-Mental State」は知的機能(主に左脳が担う認知機能)の簡易検査法として繫用されていますが、一般的には「MMSE;Mini-Mental State Examination」と略称されることが多いと思います。しかし、浜松2段階方式においてはこの検査法についての詳細な解析や臨床応用が確立していることから、このブログでは意図的に「MMS」と略称しています。したがって、このブログ「誰も知らない認知症」では、認知機能の簡易検査法として一般的に用いられているMMSEを「MMSE]、浜松2段階方式で用いられているMMSEを「MMS」と表記したいと思います。また、認知症の医療や介護の領域で知名度が高く、広く用いられている「改訂長谷川式簡易知能評価スケール;HDS-R」または「長谷川式認知症スケール」は「長谷川式」と表記したいと思います。

今回のブログでは、医療/介護関係者を念頭に置いて、何故「MMS」なのか、何故「MMSE」ではなく「MMS」なのか、何故「長谷川式」ではなく「MMS」なのか、ということについて解説していきたいと思います。
○ 何故「MMS」なのか?
今回のブログでも「MMS」に固執する最大の理由は「浜松2段階方式」の主導的な存在である「エイジングライフ研究所」によって「MMS」の「下位項目」(時の見当識、記銘、想起、命名、口頭命令など)の「項目困難度」(その項目の設問に正しく回答することの難しさ)が詳細に解析されていることです。「MMS」の「項目困難度」をもう少し理解しやすく表現すると「被験者に質問する様々な項目の難しさの程度の指標」ということになると思います。この「エイジングライフ研究所」による「MMS」の解析から導き出される具体的な内容(有用性)を以下に列記しておきます。
A 認知障害の進行に伴って「主に左脳が担う認知機能」が低下、障害されていく
過程を理解することが出来る
B 認知症高齢者の欠落機能(出来なくなったこと)と残存機能(まだ出来ること)
を的確に評価することができる
C 「時の見当識」の一部(年月日)を評価することによって被験者のMMS得点
(評価点)を簡便かつ的確に推定(予測)することができる
*被験者のMMS得点が推定(予測)できるので、最初に質問する
「時の見当識」以降の下位項目の検査を円滑に進めていくことが
可能となり、被験者や検査担当者の負担が少なくなる
*このブログで紹介した「MMS」の「簡略法」や「超簡略法」を
を用いることによって、いつでも、どこでも、誰でも「MMS」
の得点(評価点)を推定(予測)することができる
○ 何故「MMSE」ではないのか?
基本的には「MMS」と「MMSE]は全く同様の簡易知能検査法です。では、何故「MMSE」ではないのか、その理由を2つ挙げておきたいと思います。
1つは、「MMSE」が「長谷川式」と同様な検査法として安易に理解され、実施されている現状があるからです。もう1つは、あるテレビ番組に出演した認知症の専門医が「MMSE」の「注意と計算」を「100引く7は? では93引く7は、86引く7は? … 」と単純な計算問題を始め出した場面を目にして唖然としたからです。また、たまたまではなく、他のテレビ番組でも他の(権威ある)認知症の専門医が同様な「MMSE」の検査手順を披露していたからです。おそらくこれらの専門医は本人が自ら「MMSE」を実施した経験が少ないか、臨床心理士や看護師が実施した「MMSE」の得点から(得点を鵜呑みにして)患者さんの認知機能を安易に評価しているのでしょう。
○ 何故「長谷川式」を用いないのか?
このブログでは、現在の認知症医学/医療、認知症の薬剤、現在の認知症行政や認知症対策の中核施設の活動、介護関係者を対象とした認知症関連の研修などに対する「批判」や「反論」「皮肉」「他人の悪口」などは出来るだけ避けることにしています。したがって、認知症の医療や介護に関わっている関係者なら誰でも知っている「長谷川式」に関するコメントは、敢えて回避したいと思います(何らかのコメントを希望する読者の方々はこのブログの連絡先に直接お申し出ください)。
このブログの読者の方々(医療/介護関係者を含め)には今回のブログの内容は難解な内容であったかも知れませんが、脳のはたらき(知的機能)を的確に評価しなければ老人性認知症の確実な予防や認知症高齢者の適切な介護を実践することは困難であることを再度(何度も)強調しておきたいと思います。
次回のブログでは、いつでも、どこでも、誰でも、「MMS」の得点(評価点)を推定することができる「MMS」の「超簡略法」について解説したいと思っています。

【参照】 ・05 知的機能(4) 〔2018/05/05〕
・29 高槻さんのブログ 〔2018/08/15〕


今回のブログ以降は「MMS」や「かなひろいテスト」を実施している医療/介護関係者を念頭に置いた実務的な内容の解説を「4回シリーズ」で続ける予定です。一般の読者の方々には難解な内容になると思いますので予めご了承下さい。理屈っぽいことが好きではない読者の方々や「MMS」「かなひろいテスト」を実施した経験がない医療/介護関係者の方々は今回のブログをスルー(素通り)して下さい。
以前のブログ「 05 知的機能(4)」〔2018/05/15〕でも述べたように「MMS;Mini-Mental State」は知的機能(主に左脳が担う認知機能)の簡易検査法として繫用されていますが、一般的には「MMSE;Mini-Mental State Examination」と略称されることが多いと思います。しかし、浜松2段階方式においてはこの検査法についての詳細な解析や臨床応用が確立していることから、このブログでは意図的に「MMS」と略称しています。したがって、このブログ「誰も知らない認知症」では、認知機能の簡易検査法として一般的に用いられているMMSEを「MMSE]、浜松2段階方式で用いられているMMSEを「MMS」と表記したいと思います。また、認知症の医療や介護の領域で知名度が高く、広く用いられている「改訂長谷川式簡易知能評価スケール;HDS-R」または「長谷川式認知症スケール」は「長谷川式」と表記したいと思います。

今回のブログでは、医療/介護関係者を念頭に置いて、何故「MMS」なのか、何故「MMSE」ではなく「MMS」なのか、何故「長谷川式」ではなく「MMS」なのか、ということについて解説していきたいと思います。
○ 何故「MMS」なのか?
今回のブログでも「MMS」に固執する最大の理由は「浜松2段階方式」の主導的な存在である「エイジングライフ研究所」によって「MMS」の「下位項目」(時の見当識、記銘、想起、命名、口頭命令など)の「項目困難度」(その項目の設問に正しく回答することの難しさ)が詳細に解析されていることです。「MMS」の「項目困難度」をもう少し理解しやすく表現すると「被験者に質問する様々な項目の難しさの程度の指標」ということになると思います。この「エイジングライフ研究所」による「MMS」の解析から導き出される具体的な内容(有用性)を以下に列記しておきます。
A 認知障害の進行に伴って「主に左脳が担う認知機能」が低下、障害されていく
過程を理解することが出来る
B 認知症高齢者の欠落機能(出来なくなったこと)と残存機能(まだ出来ること)
を的確に評価することができる
C 「時の見当識」の一部(年月日)を評価することによって被験者のMMS得点
(評価点)を簡便かつ的確に推定(予測)することができる
*被験者のMMS得点が推定(予測)できるので、最初に質問する
「時の見当識」以降の下位項目の検査を円滑に進めていくことが
可能となり、被験者や検査担当者の負担が少なくなる
*このブログで紹介した「MMS」の「簡略法」や「超簡略法」を
を用いることによって、いつでも、どこでも、誰でも「MMS」
の得点(評価点)を推定(予測)することができる
○ 何故「MMSE」ではないのか?
基本的には「MMS」と「MMSE]は全く同様の簡易知能検査法です。では、何故「MMSE」ではないのか、その理由を2つ挙げておきたいと思います。
1つは、「MMSE」が「長谷川式」と同様な検査法として安易に理解され、実施されている現状があるからです。もう1つは、あるテレビ番組に出演した認知症の専門医が「MMSE」の「注意と計算」を「100引く7は? では93引く7は、86引く7は? … 」と単純な計算問題を始め出した場面を目にして唖然としたからです。また、たまたまではなく、他のテレビ番組でも他の(権威ある)認知症の専門医が同様な「MMSE」の検査手順を披露していたからです。おそらくこれらの専門医は本人が自ら「MMSE」を実施した経験が少ないか、臨床心理士や看護師が実施した「MMSE」の得点から(得点を鵜呑みにして)患者さんの認知機能を安易に評価しているのでしょう。
○ 何故「長谷川式」を用いないのか?
このブログでは、現在の認知症医学/医療、認知症の薬剤、現在の認知症行政や認知症対策の中核施設の活動、介護関係者を対象とした認知症関連の研修などに対する「批判」や「反論」「皮肉」「他人の悪口」などは出来るだけ避けることにしています。したがって、認知症の医療や介護に関わっている関係者なら誰でも知っている「長谷川式」に関するコメントは、敢えて回避したいと思います(何らかのコメントを希望する読者の方々はこのブログの連絡先に直接お申し出ください)。
このブログの読者の方々(医療/介護関係者を含め)には今回のブログの内容は難解な内容であったかも知れませんが、脳のはたらき(知的機能)を的確に評価しなければ老人性認知症の確実な予防や認知症高齢者の適切な介護を実践することは困難であることを再度(何度も)強調しておきたいと思います。
次回のブログでは、いつでも、どこでも、誰でも、「MMS」の得点(評価点)を推定することができる「MMS」の「超簡略法」について解説したいと思っています。

【参照】 ・05 知的機能(4) 〔2018/05/05〕
・29 高槻さんのブログ 〔2018/08/15〕


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