(お知らせ)
このブログの読者の方々には、「29 高槻さんのブログ」〔2018/08/15〕以降、
「高槻さんのブログ;脳機能からみた認知症」( https://blog.goo.ne.jp/ageinglife )
をこれまでに何度かご紹介していますが、最近のブログ『「母はしっかり者なんです」・・・ちょっと疑ってみる』〔2018/10/01〕を是非とも閲覧されるようお勧めします。このブログでも最近「こんな時にボケやすい」「こんな人がボケやすい」というテーマについて解説したところですが、上記の「高槻さんのブログ」では「こんな風にボケていく」具体的な事例が分かりやすく紹介されています。後期高齢期のご両親がいる読者の方々には必見のブログです。
「生きがい」とは「生きる甲斐」「生きる意味」「生きる価値」「生きる喜び」「生きる楽しみ」などのことですが、人それぞれに多種多様な「生きがい」があるようです。

今回のブログでは、「生きがい」と「脳のはたらき」(知的機能)との関連について解説していきたいと思いますが、2010年に他界された小林司博士(精神科医)の著書『「生きがい」とは何かー自己実現へのみちー』(NHKブックス)に記述されている内容を引用させていただきます。この著書は、膨大な数の参考文献から導き出された知見を体系的にまとめ上げた「生きがい」についての基本書であり、人間性心理学の視点から人の心を深く掘り下げて「自己実現」との関わりを中心に「生きがい」の構造を探求した名著だと思っています。

小林博士は、「生きがいの成り立ち」について、「生きがい」や「幸福」を様々な欲求のピラミッドの頂点に位置付け「幸福」は「生きがい」の影のような部分であると説明しています。また「生きがい」の「なかみ」の大部分が自己実現によって構成されていると述べ、これらは死の宣告や障害、老化、孤独などによって破壊されやすいと指摘しています。
一方、「脳のはたらき」(知的機能)と「生きがいの成り立ち」との関連については、前回のブログ「35 人は年老いて3度死ぬ〔2018/09/26〕」で掲載した図表「動物から人間へ;欲求や生活様式の変化と知的機能の進化」「知的機能といきがい/やくわり/なかまの形成・喪失」「様々な欲求と知的機能」「マズローの5段階欲求階層説」を参照していただき、特に「前頭葉」と「生きがい」との密接な関連について十分理解していただきたいと思います。


小林博士が「生きがいの影のような部分である」と説明した「幸福」とは「様々な欲求が充たされた状態、またはその際に感じる満足感である」と表現することができると思います。したがって「様々なレベルの欲求」に対応して「様々なレベルの幸福」があることになります。つまり、動物としての欲求が充たされた場合には「動物としての幸福」を感じ、人間としての欲求が充たされた場合には「人間としての幸福」を感じることができるのです。
しかし、生命の維持や種族の保存を目的とした「動物としての欲求」は大脳辺縁系が関わる「情欲」と呼ばれる欲求で、一般的にマイナスイメージのある「必要悪としての欲求」あるいは「低次元の欲求」であると受け止められているようです。そのような意味から、いわゆる「幸福」とは「人間としての幸福」であるように思われます。つまり、人間の「幸福」とは、前頭葉機能(意志や意欲など)が関わる「生きるための目標」や「夢や希望、理想」などが達成された状態であり、その際に生み出される感情(満足感)であると考えられます。
動物に「生きがい」や「幸福」があるかどうかという議論はさておき、人間の「生きがい」や「幸福」には「自己実現を担う脳」である前頭葉が密接に関与していることから、このブログの読者の方々には「特に後期高齢期における前頭葉機能の重要性」や前頭葉機能の指標となる「かなひろいテストの重要性」を十分認識していただければ幸いです。
【参照】 ・04 知的機能(3)〔2018/05/09〕
・33 こんな時にボケやすい 〔2018/09/12〕
・35 人は年老いて3度死ぬ 〔2018/09/26〕
このブログの読者の方々には、「29 高槻さんのブログ」〔2018/08/15〕以降、
「高槻さんのブログ;脳機能からみた認知症」( https://blog.goo.ne.jp/ageinglife )
をこれまでに何度かご紹介していますが、最近のブログ『「母はしっかり者なんです」・・・ちょっと疑ってみる』〔2018/10/01〕を是非とも閲覧されるようお勧めします。このブログでも最近「こんな時にボケやすい」「こんな人がボケやすい」というテーマについて解説したところですが、上記の「高槻さんのブログ」では「こんな風にボケていく」具体的な事例が分かりやすく紹介されています。後期高齢期のご両親がいる読者の方々には必見のブログです。
「生きがい」とは「生きる甲斐」「生きる意味」「生きる価値」「生きる喜び」「生きる楽しみ」などのことですが、人それぞれに多種多様な「生きがい」があるようです。

今回のブログでは、「生きがい」と「脳のはたらき」(知的機能)との関連について解説していきたいと思いますが、2010年に他界された小林司博士(精神科医)の著書『「生きがい」とは何かー自己実現へのみちー』(NHKブックス)に記述されている内容を引用させていただきます。この著書は、膨大な数の参考文献から導き出された知見を体系的にまとめ上げた「生きがい」についての基本書であり、人間性心理学の視点から人の心を深く掘り下げて「自己実現」との関わりを中心に「生きがい」の構造を探求した名著だと思っています。

小林博士は、「生きがいの成り立ち」について、「生きがい」や「幸福」を様々な欲求のピラミッドの頂点に位置付け「幸福」は「生きがい」の影のような部分であると説明しています。また「生きがい」の「なかみ」の大部分が自己実現によって構成されていると述べ、これらは死の宣告や障害、老化、孤独などによって破壊されやすいと指摘しています。
一方、「脳のはたらき」(知的機能)と「生きがいの成り立ち」との関連については、前回のブログ「35 人は年老いて3度死ぬ〔2018/09/26〕」で掲載した図表「動物から人間へ;欲求や生活様式の変化と知的機能の進化」「知的機能といきがい/やくわり/なかまの形成・喪失」「様々な欲求と知的機能」「マズローの5段階欲求階層説」を参照していただき、特に「前頭葉」と「生きがい」との密接な関連について十分理解していただきたいと思います。


小林博士が「生きがいの影のような部分である」と説明した「幸福」とは「様々な欲求が充たされた状態、またはその際に感じる満足感である」と表現することができると思います。したがって「様々なレベルの欲求」に対応して「様々なレベルの幸福」があることになります。つまり、動物としての欲求が充たされた場合には「動物としての幸福」を感じ、人間としての欲求が充たされた場合には「人間としての幸福」を感じることができるのです。
しかし、生命の維持や種族の保存を目的とした「動物としての欲求」は大脳辺縁系が関わる「情欲」と呼ばれる欲求で、一般的にマイナスイメージのある「必要悪としての欲求」あるいは「低次元の欲求」であると受け止められているようです。そのような意味から、いわゆる「幸福」とは「人間としての幸福」であるように思われます。つまり、人間の「幸福」とは、前頭葉機能(意志や意欲など)が関わる「生きるための目標」や「夢や希望、理想」などが達成された状態であり、その際に生み出される感情(満足感)であると考えられます。
動物に「生きがい」や「幸福」があるかどうかという議論はさておき、人間の「生きがい」や「幸福」には「自己実現を担う脳」である前頭葉が密接に関与していることから、このブログの読者の方々には「特に後期高齢期における前頭葉機能の重要性」や前頭葉機能の指標となる「かなひろいテストの重要性」を十分認識していただければ幸いです。
【参照】 ・04 知的機能(3)〔2018/05/09〕
・33 こんな時にボケやすい 〔2018/09/12〕
・35 人は年老いて3度死ぬ 〔2018/09/26〕
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