fu-koの小窓

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『パンドラの鐘』

2022-06-08 | Entertainment
1999年、シアターコクーン芸術監督に就任した蜷川幸雄が、ともに世界の舞台で戦ってきた野田秀樹氏に新作戯曲の執筆を依頼し書き下ろされたこの作品。同年に野田さん自身が手掛けたバージョンと、蜷川さん演出バージョンがほぼ同時上演され、二人の演出対決が演劇界を席捲した名作。(←その当時、私はまだ演劇に興味なかったので観てません💦)
 
遺跡の発掘・古代都市のクーデター・王の殉死・長崎への原爆投下などのモチーフがおりなす古代から現代へ遥かなる時空を超えた壮大なスケールで描かれた本作は、同時に日本の歴史のタブーに真っ向から挑んだ衝撃作でもある。
 
開演のアナウンスも無いまま、客席がまだ明るい状態でおもむろに成田くんが客席通路から登場。ゆっくりと通路を歩き舞台に上がり、そして膝をついて床に耳を当てたところで鐘の音が鳴り響き暗転というシーンからスタート。このシーンの意味はこの作品のラストで分かる。
 
もともとこの劇場は客席通路演出が多かったんだけど、コロナ禍になってからはこんな風に客席を使った演出は全く見かけなくなっていたので完全に油断していた 劇場に入った時に舞台の中央やや下手寄りに1ヶ所だけ階段が付いているのに気づいて、「もしかして客席降り演出、あるの?」とちょっと期待したものの「さすがにまだ無理だよね~」と思っていたから、突然、私の数席右側の通路に後方から成田クンが現れてびーっくり! 客席を使った演出はこの1回のみでセリフも喋らない演出だったけど、徐々にコロナ前に戻って来ているのを感じました。至近距離で見た成田クン、テレビで見ている印象よりも背が高かったー
 
劇場バックヤードの一番奥の壁まで続く巨大な四角い舞台と、その舞台の四つ角に白い柱が立っているだけというシンプルなセット。
まさかラストシーンで、このバックヤードのドアが開いて四角い画のようになり劇場の裏通りの風景を見せる演出になるとは驚きだった 何も知らない配送車やサラリーマン、ベビーカーを押した女性etc.が普通に通り過ぎていたけど誰も気づかず、終演と同時に起こった観客の大拍手で始めてそこが劇場の裏である事に気づいた一人だけが足を止めたくらい。この作品の世界観や未来の希望が見えるような・・・。
こんな珍しい演出は初めてだったのでかなり衝撃を受けました。
他にも人がすっぽり隠れるほどの巨大な鐘もあったり、若手演出家・杉原邦生さんの演出作品を初めて観たけど、衣装、音響、照明も含めて全てが独特で個性的。今後要チェックの演出家さんかも。
 
今回が初舞台という成田凌くん。初めてとは全く思えない声量だったし演技力もあってとても良かった!舞台向きの俳優さんだと思う。
今回初見だった前田あっちゃんも、私が勝手に予想していたより(笑)良かったです。
その他の役者さんはみんなベテランさんなので見応えあり、休憩無しの2時間20分のストーリーがあっという間で、とても印象に残る舞台でした。時間があればもう一度観に行きたいくらい。シナリオ本とかあるのかな?観に行けなくても、もう一度追体験をしてみたい。
 
舞台『パンドラの鐘』プレスコール&取材会 → YouTube

◆キャスト◆
ミズヲ:成田凌、ヒメ女:葵わかな、カナクギ教授:片岡亀蔵、オズ:大鶴佐助、イマイチ:柄本時生、タマキ:前田敦子、ピンカートン未亡人:南果歩、ヒイバア:白石加代子、ハンニバル:玉置玲央

 

◇観劇記録◇
Bunkamuraシアターコクーン
S席 1階 F列 3番
<MY Bunkamuraオンライン先行抽選>

XC列があったので実際には7列目。奥行がかなりある舞台だったけどそんなに遠い印象は全く感じず、準備していたオペラグラスは全く使わなかった。まだホワイエでの飲食NGだったし何も販売もしていなかった。休憩無しで2時間超えだったけど座席クッションが良いのでラストまで集中できた。ただ足元が狭いので人が通るときには立たないとダメなのがマイナスポイントかな

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