fu-koの小窓

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『リア王』

2024-03-23 | Entertainment

シェイクスピア4大悲劇のひとつ「リア王」。古代イングランドの王を主人公として400年以上前に書かれた戯曲。

リア王は生来の気性の荒さと老いから娘たちの腹の底を見抜けず3人の娘のうち2人を亡くしてしまい、自分も悲嘆と狂乱のうちに哀れな最期遂げる。
現代とはまったく無関係に思えるような時代が背景だけれど、人は誰でも年を取るし、跡目争いや遺産などの親子・兄弟関係の在り方はどの時代でも万人の問題。
リア王を取り巻く愛と憎悪、残酷さと優しさ、暴力など、人間のいろんな感情がむき出しになっている作品でした。

シェイクスピア作品はよく中世ヨーロッパの舞台セットや衣装で演じられることが多いけど、今作の1幕の舞台セットは白一面の壁、椅子が7脚、コピー機、ウォーターサーバー、そして昔懐かしいOHP(笑)があるだけ。後方の白い壁にOHPで映像を映したり、墨で絵や文字を書いたりしながらストーリーが進み、2幕では舞台セットはほとんど使用せずに黒い背景で装飾の全く無い舞台の奥行を生かした演出だった。BGMはほとんど無し。衣装は全員現代のスーツやワンピースで最初違和感を感じたけど、見ているうちに中世とか現代とかの時空を超えたストーリー展開に入り込めたし、変な演出や音楽がまったく無いことで役者さんのセリフに集中できた。

シェイクスピアの難解な長台詞を完璧に自分の言葉として話している全てのキャストに感服!マイク無しの生の声で、舞台の最奥から淀みなく一言一言をきちんと客席の隅々まで届けられる声量は本当にすごいと思う。
主演の段田安則さんの徐々に老いて狂気に満ちて行く姿にはもの悲しさを感じ、小池徹平くんのパンツ1丁の狂った乞食の演技に驚き、上白石萌歌ちゃんの可憐でひたむきな演技も初々しくて良かった。

 

 舞台「リア王」ダイジェスト → 「PARCO STAGE」公式YouTube

 

◆キャスト◆

リア王:段田安則、エドガー:小池徹平、コーディリア:上白石萌歌、ゴネリル:江口のりこ、リーガン:田畑智子、ケント伯爵:高橋克実、グロスター伯爵:浅野和之

 

◇観劇記録◇
東京芸術劇場 プレイハウス
1階 G列 14番

7列目のど真ん中というかなり良席!傾斜はなくフラットな面だったけど千鳥格子配置だったので目の前の人の頭はあまり気にならず、視界のまっすぐ先が舞台0番の位置だったので役者さんがそこに立ってこっちに向かって喋っている時は目が合ってる感覚だった(←たぶん気のせい・笑)。

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2 コメント

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Unknown (kate)
2024-03-31 12:45:54
現代のスーツやワンピースで演じるリア王なんて不思議な感じだね。
でもダイジェスト観ると時代が違っても同じような問題や悩みなどは
あるからきっと違和感なくなって来るんだろうな。
それにしても役者さんの発声は本当に凄いよね。
私大きな声を出すのが苦手で遠くの人を呼ぶのも全然声が通らなくて
こんな舞台やったらすぐに喉やられちゃう。^^;
千鳥格子の席も良いアイディア! 前が座高の高い人だった時の絶望感は凄いもんね。
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To.kateさん (fu-ko@管理人)
2024-03-31 15:52:09
シェイクスピアの戯曲を現代の衣装で観たのは初めてだったけど、
ストーリーの芯が現代にも合致するなら有りなのかも、と思った。
でも、中世の豪華絢爛な衣装も好きなんだけど(*^^*)

役者さんの発声、特にミュージカルではなく演劇を観ると毎回驚く。
私の声は結構遠くまで届くらしいけど(職場友人談)、さすがに劇場は無理だと思う(笑)

座席配列はやっぱり千鳥がいいな~と思ったよ。
特に私のようなチビにとっては前席の人の頭って見え方にかなり影響出るので(汗)。
全ての劇場やスタジアム、全部そうして欲しい!!
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