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BANDAI 眼魔伝ガンダイス 解説編

2021-08-25 17:35:21 | 眼魔伝ガンダイス
そもそも、眼魔伝ガンダイスって何?



BANDAIが2002年に発売した、対戦型バトルホビー玩具。




侍や妖怪などの和風キャラからピエロや騎士等、はては土偶まで、色々な物をキャラクター化し、サイコロのように約2センチ四方にデフォルメしたフィギュア。




ミニフィギュアには2か所、もしくは4か所に「眼魔」と呼ばれる目がついており、ゲーム時にはフィギュア本体を転がし、出た目の数などで競うサイコロモチーフのゲームとして遊ばれた。

しかし人気は長く続かず、シリーズは1年で終了。




2003年には海外市場を狙い、海外版「Jagun Fighters」として世界展開。
しかしこちらも短命にシリーズは終了。

マイナーな玩具ではあるが一部の熱狂的ファンやコレクターがいる玩具である。




発売当時期の背景
当時はまだスマートフォンは存在せず、インターネットの普及率も上がり始めていたが、子供たちにとって遊びの情報はまだまだ雑誌やテレビに頼らざるを得ない状況であった。

特に雑誌は講談社のコミックボンボン(2007年廃刊)と小学館のコロコロコミックがほぼ2強であり、多くの子供はここから玩具やゲームの情報を得ていた。

2002年当時、子供たちにヒットしていたホビー玩具を一部出してみると・・・

・コミックボンボンで取り上げられていたホビー
 クラッシュギア
 SDガンダム(武者頑駄無)
 メダロット

・コロコロコミックで取り上げられていたホビー
 爆転シュートベイブレード
 デュエルマスターズ
 ダンガンレーサー
 バトルビーダマン

と、どれもヒット作ばかりである。

そんな中、今までとちょっと系統の違う、新しいホビー玩具として発売された「眼魔伝ガンダイス」だが、ホビー玩具百花繚乱の時代、すでに子供たちは新しい物にお金を掛ける余裕もなく、一部のマニアックな子供の胸に突き刺さるだけでガンダイスは終了してしまったのである。

余談だが、この時代は新しい対戦ホビー玩具は沢山発売されたが、大ヒットした商品はほとんど無い。
ガンダイスと同時期に発売されたKONAMIビーストシューター、TAKARA 改造メンコバトルBANG!など、どれも苦戦し、長続きはしなかった。
(どれも公式HPが消えている中、2021年現在でもBANGはHPが残っている。)

第二次ブームを巻き起こしたベイブレードの人気は異常に強かった・・・



眼魔伝ガンダイスの敗因
上記のような、新規参入が厳しい対戦ホビー玩具市場において、ガンダイスが勝ち残れなかった要因は、一言で言えば「時代」であったと分析する。

発売は大手玩具メーカーBANDAIだが、商品の企画、設計は株式会社サブマリンが行っていた。
商品は2002年3月から発売され、シリーズ最終商品は2003年2月に発売。
この1年間の間、ほぼ毎月商品が発売され、アイテム数としては15点だが、ガンダイス本体の種類としては56種、カラーバリエーションなど含めると277種もの商品が発売された。


これだけの数の商品化に加え、世界観のストーリー、各キャラクターのストーリー、おまけで付くイラストなど、今では考えられないほどの手間が掛かっている。




しかし、一方で子供たちは既に夢中になっていてお小遣いをつぎ込むべきホビーを持っていたのである。

そもそも、対戦型バトルホビーにおいて、遊びに最も難易度が高い要素は「対戦相手」である。
自分ひとりがガンダイスにハマっても、クラスメイトの誰もガンダイスを持っていなければ対戦すら出来ない。

また、わずか1年で矢継ぎ早に商品が展開したのもマイナス要素となった。
小売店にしてみれば、毎月新商品が出て、先月の売れ残りが売り場に残っているのに新たな商品を陳列するのはマイナスな要素でしか無い。
その陳列場所にベイブレードを置いた方が、確実に売り上げは上がるのである。

結果として、シリーズ後半に発売された商品は、当時ガンダイスを収集していたファンからも「全く売っているのを見かけなかった」と言われるほど、入荷する店舗は減少していたのである。
このような「買えない」状況が生まれると、余計に興味を持ち続ける子供は減り、負のスパイラルに陥ることになる。

こうして時代に負けたガンダイスは、2003年春ごろからはワゴンセールに送られ、不遇の扱いと共に幕を下ろす事となった。




眼魔伝ガンダイスは面白くない?
ガンダイスは商業的にも失敗し、知名度も低く、マイナー玩具として終わったが、決して魅力のない玩具では無い。

その独特の世界観、何より各キャラやガンダイス本体のデザインはとても素晴らしく、20年近く経った今でも熱心に探し、コレクションしている人たちがいる。


277種もの種類はなかなか全貌を把握できず、シリーズ後半、特に最終商品である「ガンダイス核(コア)」は、その完成度の高さに反し市場に出回っている数の少なさから非常に人気になっており、セット品なら数万円で取引されている。
それだけの魅力を備えた玩具なのだ。

発売から20年の時の流れは、当時興味本位で買った少年が成長し大人になるには十分な年月である。
当ブログやSNSなどで一部のファンが騒いでも、多くの人にとっては「ガキの頃に買った良く分からないオモチャ」でしかなく、それが今やプレミアがついている可能性もある事など知る由もない。
引っ越しや就職を期に、机の引出しに転がっていたガンダイスは捨てられ、今の世界に残された絶対数は減り続けている。


そんな中、ごくごく稀にオークションサイトやフリーマーケットサイトに出品されるガンダイスを探し、手に入れる事は、まさに21世紀の「宝探し」とも言える。
最も、初期に発売された商品類は、今でも在庫過多であちこちで二束三文で売られているが・・・

探す事、手に入れる事、情報を知る事、そして当時の記憶を遡る事。
ガンダイスの収集は、難しい反面、中毒性があると言えるほどの魅力を持つ。



ガンダイスの魅力とは、そのデザイン性、種類の多さによるコレクション性、そして宝探しのような稀少性にある。






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