<厳格な戒律の反動は小さくない>
ストイックな人生観(?)を持つスペンサー・シリーズの10作目。
紹介が前後した。
このところ、どういう順で本を読んだのか分からなくなっている。
コメントするのが面倒になって打っちゃってあるのも何冊かあるが、それもあわただしさゆえで、あわただしいというのは必ずしも物理的忙しさと比例するわけではない。
たぶんに気分に左右されるものらしい。
スペンサー君同様、身体的精神的に中年の危機にさしかかっているのかも知れぬ。
ま、ともかく、11作目では、あらたにリンダというお向かいのビルで働いている女性とちゃっかりヨロシクやってしまうあたりが、スーザンとの間がすっきりいっていないくせして(何とか軌道に乗せたいという願望とは裏腹に)スペンサーのだらしなさである。
まことにストイックである。
そういう生き方を努力の末、習得したスペンサーが、それゆえにスーザンとの距離を生じせしめたにもかかわらず、息抜きというか逃げ道というか、ごくあっさりとはまりこんで、これにはさほどの葛藤を感じていないらしいのは、やっぱり、「てなもんや三度笠」だと、私が感じるゆえんなのである。
変な意地を張り通さない、やせ我慢しないハード・ボイルドなんてのは、やっぱりお笑いじゃなかろうか。
しかし、そのあたりに倫理観の平均水準があるのだとしたら、いや、だとしても、それはそれで私の知ったことではない。
今回は、厳格なキリスト教信奉者である議員の妻が浮気場面をフィルムに収められて脅されているのをスペンサーが何とか助けるという趣向である。
そこには裏世界が絡んで云々はお約束のパターンである。
まあ、私としては、所詮、娯楽作品なのだから肩の力を抜いて減らず口を楽しめればそれで十分だと思っているような具合である。
ストイックな人生観(?)を持つスペンサー・シリーズの10作目。
紹介が前後した。
このところ、どういう順で本を読んだのか分からなくなっている。
コメントするのが面倒になって打っちゃってあるのも何冊かあるが、それもあわただしさゆえで、あわただしいというのは必ずしも物理的忙しさと比例するわけではない。
たぶんに気分に左右されるものらしい。
スペンサー君同様、身体的精神的に中年の危機にさしかかっているのかも知れぬ。
ま、ともかく、11作目では、あらたにリンダというお向かいのビルで働いている女性とちゃっかりヨロシクやってしまうあたりが、スーザンとの間がすっきりいっていないくせして(何とか軌道に乗せたいという願望とは裏腹に)スペンサーのだらしなさである。
まことにストイックである。
そういう生き方を努力の末、習得したスペンサーが、それゆえにスーザンとの距離を生じせしめたにもかかわらず、息抜きというか逃げ道というか、ごくあっさりとはまりこんで、これにはさほどの葛藤を感じていないらしいのは、やっぱり、「てなもんや三度笠」だと、私が感じるゆえんなのである。
変な意地を張り通さない、やせ我慢しないハード・ボイルドなんてのは、やっぱりお笑いじゃなかろうか。
しかし、そのあたりに倫理観の平均水準があるのだとしたら、いや、だとしても、それはそれで私の知ったことではない。
今回は、厳格なキリスト教信奉者である議員の妻が浮気場面をフィルムに収められて脅されているのをスペンサーが何とか助けるという趣向である。
そこには裏世界が絡んで云々はお約束のパターンである。
まあ、私としては、所詮、娯楽作品なのだから肩の力を抜いて減らず口を楽しめればそれで十分だと思っているような具合である。