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備忘録

そりゃメモ書きにきまってるさ

『明治バベルの塔 万朝報暗号戦』 山田風太郎著 文春文庫 1992年

2014年03月02日 | 歴史
誰だって「こいつは面白え」と思ったものは、こっそり真似して人に伝えるものだろう。
今のような娯楽のなかった時代にはその時代の娯楽があったわけで、山田風太郎は「講談読み物」に読み耽った子どもだった。
漫画を読み耽った子供が漫画を描くようになるのと同じで、山田風太郎は、自分が読んだ読み物に「こうしたらもっと面白くなるじゃないか」というスパイスや調味料を施して自らも小説を書くにいたった。
私も偶然に親父が昔読んだその手の読み物を子供のころ読み知っていたので、その面白さがよくわかる。
今ならパソコンゲームでオリジナルストーリーの作れるタイプに似ていなくもない。
しかし自分が紡ぎ出す空想や妄想よりも魅力があるから人の作った枠組みでゲームをやるのだろう。
山田風太郎はそういうことが抜群にうまいプログラマーなのである。
ただもう夢中で遊んでいるうちに、結果として何十冊もの本が出来上がってしまったので、吉行淳之介のように呻吟して文章を捻り出したのではないという話もよくわかる。
今ならこの本はちくま文庫にでも入っているのだろうか。
「う~ん、有名すぎるから僕は読みたくない」と言っていた知り合いも、どうやらこの本がきっかけになってはまってしまったらしい。
時折、「今何読んでいるの?」と尋ねると、「また風太郎を読んでしまったよ。」と悔しそうに言う。
重ねて、「忍法帖では、甲賀とあれだね。エッセイよりもやっぱり小説だね。」などと言う。
なんだ、結局全部読んでしまったんじゃないか。

 
日本のミステリーやハードボイルドに説得力が薄いのは、拳銃の存在の有無ではないかと考えている。 現在の日本では銃刀法による規制が敷かれていて、これは刀狩に等しい。 これにより乱世が終了したのは事実であるが。
結果、日本では、まだしもリアリティがあるのは時代小説であり歴史小説ということになる。 距離を置けばかなり自由に物語を作れるのである。 とはいえ、室町から明治あたりまでだろうか。 それより前も後もうまく距離感がつかめないようだ。
だから私は時代小説を読んだのだった。

鉄砲隊と騎馬軍団―真説・長篠合戦

2014年02月28日 | 歴史
2003 洋泉社鈴木 真哉


 鉄砲隊も騎馬軍団もなかったという話。
こういう話を読むと歴史の全てが疑わしくなってくる。
受験の時にやった歴史の勉強って、一体なんだったのかしら?ppp
真説っていうけれど、これも「説」のひとつに過ぎないわけだから・・・。
だから、どっちみち、何かこれが本当なんだという物語を、人は必要とする生き物なんだわ。


商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
長篠合戦は、織田・徳川連合軍が鉄砲三千挺を千挺ずつ“三段撃ち”し、戦国最強の武田騎馬軍団を壊滅させた画期的な戦いだったと評価されてきた。その後の天下取りの行方にも大きな影響を与え、日本史史上、新戦法=“従歩火兵戦術”が、旧戦法=“騎兵白兵戦術”を破った信長の「戦術革命」の勝利とされた。しかし、この定説には根拠がなく、後世の旧陸軍の戦史研究や、作家・歴史研究家たちが捏造したものだった。本書では、合戦の勝敗を決した「三大戦術(騎馬・鉄砲・柵)」の実像を、諸外国との比較を含めて批判し、歴史の流れを誤解させてきた元凶を洗い出す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鈴木 真哉
1936年横浜市生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。防衛庁、神奈川県等に勤務。在職中から「歴史常識」を問い直す研究を続ける

重複が目立つ, 2003/12/1
By 菊月
この著者の本は結構持っていて、好きな著者ではありますが
ほかの本「鉄砲と日本人」などや「刀と首取り」などと重複が目立ちます。
又、信長鉄砲隊にたいする幻想を払拭しようと啓蒙するくどさが目立ち
いまいち感をおぼえました。




「影武者」みましたか?, 2003/7/17
By mitsumata (東京都)

 黒澤明の傑作「影武者」。
滅び行くもののはかなさ、美しさを描いた日本映画の金字塔である。
特に長篠の合戦のシーンはすばらしい。
大挙突入する武田の精鋭騎馬軍団、
迎え撃つ織田・徳川の連合軍の鉄砲隊による一斉射撃。
ついに両雄の激闘に決着の時が訪れる。
 が、映画は傑作であることは疑いはないが、

映画が描写する合戦シーンにはかなり疑いがありそうだ。

 著者は丁寧に資料を挙げながら、
戦国時代の常識、長篠合戦の常識を覆していく。
「武田の騎馬軍団」「長篠の合戦=戦術革命」
「信長による鉄砲隊の集団運用」など
常識と思っていたことが実は根拠がなかったりする。

 実際に読んでもらえるとわかるが、

確かにポニーのような日本馬では騎馬軍団はムリだな、
というのが目で見てよくわかる。
それは司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだときから
感じていたことではあったのだが・・・。

 世界の戦史や種々の資料を参照しながら持論を
立てていく展開が明快で小気味いい。



歴史的戦術革命ではなかった長篠の合戦, 2004/6/25
By かっちゃん - レビューをすべて見る

無敵の武田騎馬軍団はなかった。(当時の馬は荷物運搬程度の駄馬)信長が考案したとされる3000丁にも及ぶ組織的な火縄銃三段打ちもなかった。(技術的に不可能)織田・徳川連合軍の方が武田の3倍ぐらいの兵力があり、かつ十分な野戦築城を行っていたので結果としてそうなったのであり世情に言うような目覚しい戦術革命でもなんでもなかったということを資料統計に基づき立証....(少しくどい)歴史のロマンはなくなるが、この考え方の正当性はは300年後の幕末における長州征伐、戊辰の役などの徳川方の惨めな戦い方が立証しているといえる。(長篠の勝利者である徳川家がそれらの戦術を家訓としていないはずがないし、近世の軍学にも何の影響も与えていないのだから)



ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争

2014年02月28日 | 歴史
2002 講談社高木 徹


言葉巧みに国を騙す会社があることがわかった。
物の言い方ひとつで国の運営が左右されてしまうなんて本当に恐ろしい。
でも、最後は、言ってみればハーフが育てたシライジッチに支払いを踏み倒されるのがくたびれもうけっぽくておかしかったぞ。


商品の説明

出版社/著者からの内容紹介
銃弾より「キャッチコピー」を、ミサイルより「衝撃の映像」を!!

演出された正義、誘導される国際世論。
ボスニア紛争の勝敗を決したのはアメリカPR企業の「陰の仕掛け人たち」だった。

スパイ小説を超える傑作ノンフィクション!!
NHKスペシャル「民族浄化」で話題を呼んだ驚愕の国際情報ドラマ!

人々の血が流される戦いが「実」の戦いとすれば、ここで描かれる戦いは「虚」の戦いである。「情報の国際化」という巨大なうねりの中で「PR」=「虚」の影響力は拡大する一方であり、その果実を得ることができる勝者と、多くを失うことになる敗者が毎日生み出されている。今、この瞬間も、国際紛争はもちろん、各国の政治の舞台で、あるいはビジネスの戦場で、その勝敗を左右する「陰の仕掛け人たち」が暗躍しているのだ。――序章「勝利の果実」より

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高木 徹
1965年、東京都生まれ。’90年、東大文学部卒。同年、NHKにディレクターとして入局。報道局勤務などを経て、現在、福岡放送局勤務。2000年10月に放送されたNHKスペシャル「民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~」は、優秀なテレビ番組に贈られる、カナダの第22回バンフテレビ祭「ロッキー賞(社会・政治ドキュメンタリー部門)」候補作となる


田中清玄自伝

2014年02月28日 | 歴史
1993 文芸春秋田中 清玄


人から借りて読んだ本だけど、ほら吹き男爵の冒険みたいなのをリアルでやってる日本人がいたのでぷ。

おっどろきー

確か90歳くらいのおじいさんなんだけど、言ってることが、けっこうアップツーデートで、これも

おっどろきー

なので、びっくりしたい人にはお勧めでぷねppp






商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)
特高との武装闘争、昭和天皇への直言、米ソ情報機関との暗闘、山口組組長への友情、岸信介・児玉誉士夫一派との死闘、国際石油戦争での活躍、そして今…。日本でいちばん面白い人生を送った男。

内容(「MARC」データベースより)
特高との武装闘争、昭和天皇への直言、米ソ情報機関との暗闘、山口組組長への友情、岸信介・児玉誉士夫一派との死闘、国際石油戦争での活躍…。日本でいちばん面白い人生を送ってきた男が、これまでの生涯をふりかえる。*



釘の歴史

2005年02月10日 | 歴史
 釘の歴史は数千年前、古代エジプトの時代にさかのぼる。最初の釘は、おおよそ紀元前3400年にさかのぼるが、過去100年ちょっとの間にはじめて、釘は家庭でまた家具に幅広く用いられるにいたった。
 何世紀もの間、釘は一度に一本、かなりの費用をかけて、赤く熱した鉄の短い棒を型作り、金槌で打って一端を尖らせ、他端を頭の形にすることによって作られていた。1700年代後半までには、釘製造者は、「釘職人」と呼ばれていたが、平らな鉄板から釘を切り出すことのできる手動の機械を考案していた。1880年代にはすでに、蒸気機関がその工程を速めて「切り出し釘」は以前ほど高価ではなくなっていた。しかしながら、その強度は依然としてまちまちであった。
 そのすべてが変わったのは、1900年代前半、スチール鉄鋼が柔軟でしかも非常に強くなったときだった。このときから今日に至るまで、ほとんどすべての釘は、スチール・ワイヤーから作られている。これらの「ワイヤー釘」(この手の釘はそう呼ばれているが)は、丸い。スチール・ワイヤーが、機械の中に吸い込まれていくと、その機械が、ワイヤーつかんで、切断し、頭を作って、先を尖らせるまでのすべてを、たった一回の操作でやってしまうのである。この工程は全面的に機械化されているので、この機械のスイッチをいれたり切ったりする人がいさえすればよい。こういう機械が毎分何千本もの丸釘を作り出し、かくして釘の製造費用をかなり下げることができるのである。