土日とたっぷり睡眠を取ったら何とか体調が持ち直してきた。心配して頂いた方もいたようですが、ぼくは大丈夫ですのでどうかご安心を(笑)。
今日は吉祥寺に旅行用品の買い出し。モンゴルには11月にも行っているのでさほど買い込むものはないはずなのだが、愛用していた旅行バックが壊れてしまったのでやむを得ず小ぶりのキャスターバックを買う。
そう言えば、旅行用の大型トランクなるものをぼくはほとんど使ったことがない。というか、実は一回だけ使ったことがあるのだが、その時にあまりに大変な思いをしたのでそれに懲りて以降は旅行荷物は小型のボストンバックに収まる程度に止めることにしているのだ。
その一回とは他でもない。ぼくが最初にモンゴルに行った90年の時で、しかも最初の海外旅行であり、さらに言うなら一年間の留学生活を送るためだった。いま思いだしても良く行ったなという気がするのだけれど、何しろ当時のモンゴルはまだ社会主義時代で情報が極端に少なかった。モノがないという話は漠然と諸先輩から聞いていたが、実際にいったいどこまでモノがないのか皆目見当もつかないのである。そんなわけで、何と電子炊飯器やら鍋やらを段ボール二箱くらいに詰め込み、小脇に携帯型のワードプロセッサーを抱えて、トイレットペーパーを幾つもいれた大型トランクを引きずりながら出かけていったのだった。
しかも当時は直行便なんて便利なものはないから、北京経由で国際列車に乗り込み車中で二泊過ごしてようやくウランバートルに到着するという気が長い話。北京でガイドの女の子と別れ、車窓からの風景が次第に寒々しい草原の光景(出発したのはちょうどこの時期だった)へと変わってゆくのをぼんやりと見つめていたときの侘びさといったらなかった。俺はなんだってこんな寂しいところへ来ちまったんだろうかと己の無謀さを呪ってはみたが始まらない。良くも悪くも新鮮と言えばあまりに新鮮すぎるぼくの海外初体験なのであった。
あれからちょうど15年。時代は変わった。ウランバートルへは成田からの直行便が飛び、トイレットペーパーはおろか、パソコンやらDVカメラやらもごく普通に街中で買えるようになった。ぼくの中でのモンゴルへの気持ちも、付き合いが長くなるにつれて、初々しい愛着よりも愛憎こもごもといった複雑な気持ちへと変わりつつあるようだ。だが、どんなに歳月が流れ状況が変わろうとも、山のような荷物をかかえて最初に海外へ出たときの期待と不安がないませになった気持ちは海外の原体験としてぼくの中に確実に根付いている。成田から飛行機に乗りこむときの、あの身が引き締まる思いを思い出しながら、今回もまたモンゴルへと旅立とうと思っている。
今日は吉祥寺に旅行用品の買い出し。モンゴルには11月にも行っているのでさほど買い込むものはないはずなのだが、愛用していた旅行バックが壊れてしまったのでやむを得ず小ぶりのキャスターバックを買う。
そう言えば、旅行用の大型トランクなるものをぼくはほとんど使ったことがない。というか、実は一回だけ使ったことがあるのだが、その時にあまりに大変な思いをしたのでそれに懲りて以降は旅行荷物は小型のボストンバックに収まる程度に止めることにしているのだ。
その一回とは他でもない。ぼくが最初にモンゴルに行った90年の時で、しかも最初の海外旅行であり、さらに言うなら一年間の留学生活を送るためだった。いま思いだしても良く行ったなという気がするのだけれど、何しろ当時のモンゴルはまだ社会主義時代で情報が極端に少なかった。モノがないという話は漠然と諸先輩から聞いていたが、実際にいったいどこまでモノがないのか皆目見当もつかないのである。そんなわけで、何と電子炊飯器やら鍋やらを段ボール二箱くらいに詰め込み、小脇に携帯型のワードプロセッサーを抱えて、トイレットペーパーを幾つもいれた大型トランクを引きずりながら出かけていったのだった。
しかも当時は直行便なんて便利なものはないから、北京経由で国際列車に乗り込み車中で二泊過ごしてようやくウランバートルに到着するという気が長い話。北京でガイドの女の子と別れ、車窓からの風景が次第に寒々しい草原の光景(出発したのはちょうどこの時期だった)へと変わってゆくのをぼんやりと見つめていたときの侘びさといったらなかった。俺はなんだってこんな寂しいところへ来ちまったんだろうかと己の無謀さを呪ってはみたが始まらない。良くも悪くも新鮮と言えばあまりに新鮮すぎるぼくの海外初体験なのであった。
あれからちょうど15年。時代は変わった。ウランバートルへは成田からの直行便が飛び、トイレットペーパーはおろか、パソコンやらDVカメラやらもごく普通に街中で買えるようになった。ぼくの中でのモンゴルへの気持ちも、付き合いが長くなるにつれて、初々しい愛着よりも愛憎こもごもといった複雑な気持ちへと変わりつつあるようだ。だが、どんなに歳月が流れ状況が変わろうとも、山のような荷物をかかえて最初に海外へ出たときの期待と不安がないませになった気持ちは海外の原体験としてぼくの中に確実に根付いている。成田から飛行機に乗りこむときの、あの身が引き締まる思いを思い出しながら、今回もまたモンゴルへと旅立とうと思っている。