Feel Free ! アナログ・フォト・ライフ Diary

当ブログは同名Webサイトのダイアリー版です。本家Webサイトへは下のbookmarkよりどうぞ。

誰もが撮れる写真

2006-11-07 15:44:50 | 写真全般
昨日、次回個展開催が決定してから沢山の人からおめでとうコメントを貰ったり、電話を貰ったりしている。本当に感謝しています。ありがとう。

さて、今さら言うのもおかしいのだが、今回に限っては行けるのではないかという予感はあった。だから落選した場合の予定はまったく考えてはおらず、コニカミノルタで個展をやるという前提の元に今後の計画を練っていたので、その意味でも審査に通ったのはありがたかった。

ぼくは(モノクロ時代から始めて)この数年間、何度も何度もブックをまとめ、その都度師匠を始め2Bの仲間にも見てもらい、そして自分の写真について深く思索を巡らせてきた。そしてその都度、思ったのは、まとめあげた写真はまあ悪くはないけれど、ぼくでなくとも撮れる写真ばかりだな、ということだった。その時まとめた写真をギャラリーに送っても、恐らく審査に通ることはなかったろう(実際、コダックでは一度落とされている)。

そんな長い試行錯誤が続いた後にまとめ上げたのが今回のブックだが、不思議なことに、試行錯誤の果てにたどり着いたのはやっぱり誰でも撮れる写真だった。技術的なことを言えば、作品の8割近くはピーカンで、ほぼ感度分の16(実際には半段開けだが、これはオーバー気味に撮るという意図からではなく、ローライコードの絞りの指標が当てにならないため、分かりやすく晴れの時は絞りを11に固定していたからに過ぎない)だし、曇りの時は露出計の示す値通りに撮っていた。しかも、ピントについてはほとんどが無限遠で撮っていたのだから、これでは技術もなにもあったものではないだろう。

だからぼくのブックのうち、数枚であるなら、恐らく誰にでも撮ることは可能なはずだ(モンゴルに行きさえすれば)。だが、数枚は撮れても、同じようなタイミングで撮影を続け、そうして撮られたネガから30枚以上を選択して、プリントを自分の作品世界にまでまとめあげるのは誰にでもできることではないと思う。誰もが撮れる写真=誰もがまとめられる作品ではないのである。

実は早くも次々期シリーズの構想に着手している。次回個展でモンゴルのシリーズは一段落着くので、その次は日本を舞台に、それも東京を舞台に撮影しようと思っている。誰もが撮れるが、誰もがまとめられるものではない、シンプルで、叙情を極力そぎ落としつつもなお残る空気感のようなものを意識しながら、次々期シリーズに挑戦して行きたいと思う。

次回個展が決まりました

2006-11-06 16:50:50 | 写真集・写真展
少しごぶさたしてました。

一応、先月29日に無事日本に戻り、この一週間は写真展巡りをしたり、久しぶりに暗室に入ったりと(精神的)リハビリに励んでいた。

で。実はモンゴルに向けて出発する直前にコニカミノルタプラザに使用申請を出してあったのだが、その通知が本日届いた。結果は個展開催決定!!ただ、開催時期は希望してあった6月から少し早まり4月11日から19日までとのこと。2月にはグループ展もあるので何かと忙しくなりそうな予感がしている。

しかし、今年はこと写真についてはうまく行き過ぎで怖いくらいだ。再春館での個展開催が決定したのを皮切りに日本カメラ口絵掲載、新潮文庫カバー写真採用、そして今回のコニカミノルタと、そのうち反動がくるのではと疑わしくなるくらいのツキよう。これで後は懸案の写真集と写真論の翻訳出版の方がうまく行けば言うことないのだけれど、とにかく、今回の個展が決定して少し勢いがつくかも知れない。こういうのはやはり流れと言うものもあるので、チャンスを逃さないよう、ここしばらくは作品制作と共に売り込みに勤しむつもりだ。