Feel Free ! アナログ・フォト・ライフ Diary

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ローライコードの時間(3)

2005-11-17 11:20:59 | カメラ
思い出したように「ローライコードの時間(3)」(笑)。

前回まではローライ全般を見渡した上でのローライコードの使いやすさ、ということについて書いてきた。で、今度はコードの中での4型という選択肢について書いてみたい。

実はぼくが4型を購入したのはほんの偶然からだった。本当はローライスタンダードを探していたのだが、たまたま入った三共カメラに在庫がなく、その時あったコードの中で、状態、価格の最もバランスが取れていたのが4型だった、というだけである。

ところが、その後、ワークショップ仲間のYさんや他のインターネットサイトからの情報で、この4型がコードの中での(そしてぼくにとってはローライ全体の中での)ベストバイであったことを知った。

では、なぜ4型がベストバイなのか。その理由の細かいところはこちらを参照して頂きたいが、簡単に言ってしまうとコードは4型で完成形に到達した後は、5型に到ってライトバリュー(EV値によってシャッタースピードと絞りが連動して動く)が採用されたり、ピント調整ノブが左側になったりと、かえって使いづらい部分が出てきてしまったということだ。もちろんカメラにあまり慣れていない当時のユーザーとって5型にもアドバンテージがあったということは想像にかたくないが、マニュアルカメラ本来のフットワークの良さを味わおうということになると、やはり4型がベスト、ということになる。

もっともこの4型、コードの中では製造年数がわずか1年程度と最も短く、中古カメラ店でもほとんど見かけないか、もしくはあったとしても状態が極めて悪いものが多い。まあ、そうしたレアなところが偏屈者には心惹かれる部分だと言えなくもないのだが、あまり中古市場に出回らない割には価格も5型よりも若干低めの設定であることが多く、この辺りもコード4型を勧める所以であったりする。蛇足ながら、Yahoo !オークションではたまに4型やそれにつけるレリーズボタンなど出物があるので、コードを狙っている方は定期的にチェックされるといいことがあるやも(笑)。

ローライコードの時間(2)

2005-11-10 07:15:11 | カメラ
(続き)

……では、具体的に、何が優れているのか。

まず第一に、ローライフレックスや、あるいは5型以降のコードに比べても、コード4型はひとまわり小ぶりで、軽量である。さすがにベビーローライと比べればそれは大きいのであるが、それでも使っているうちに手になじんでくる大きさではある。ちなみに、M型ライカの中でも最も軽量な(CLを除く)M6はボディが560g。仮にこれに現行のズミクロン35mm(255g)を装着するとして合計815gだから、総重量830gのコード4型とほとんど変わらない計算になる。

そして第二に、これは意外に重要な点なのだが、フォーカシング・ノブと巻き上げノブが共に右側に装着されているという点。ローライフレックスは伝統的に二つのノブが左右両側に配置されているのが基本だが、これだとピント合わせと巻き上げ時にいったんカメラを持ち替えなければならない。一方、ローライコードは5型までは共に右側装着が基本で撮影時の一連の動作をスムーズに行うことができる(ちなみに同じ5型でも後発の5a及び5bはフレックスと同様左右装着である)。

ざっと簡単にまとめてしまうと、だいたい以上の二点に集約されるだろうか。要するに、ぼくにとっての使い勝手の良さとは携行性の良さと撮影時のハンドリングの良さであり、この二点に絞って考えるならばローライのベストチョイスはコード(4型)以外にありえないのである。

もっとも、これはあくまでぼくにとっての、ということであるから、フレックスよりも劣っている点というのも、もちろんコードには存在する。例えば、

1.フレックスはフィルム装填がオートマットだが、コード4型はセミ・オートマットである。
2.シャッターが横にスライドさせる方式のため、手ぶれしやすい(フレックスはボタン式)。
3.ファインダーが暗い。
4.フレックスにはプラナーやクセノタールといったいわゆる名玉が存在するが、コード4型は三群四枚のクセナーである。

といったところ。それじゃあ、長所よりも欠点の方が多いじゃないかと思う向きもあるかも知れないが、オートマットとセミ・オートマットの違いは微々たるものであるし、シャッターについても4型以降は小さなシャッターレリーズ・ボタンというのが存在し(もっともこれを探すのは少し苦労するかも知れないけれど)、レリーズ・ボタンをシャッター・ボタンとして利用すればまず手ぶれする心配はない。さらに4番目のレンズの違いと言うことにいたっては、これはもう個人の好みとしかいいようがなく、値段ほどの差が描写の違いに出ているとは思えないし、第一、レンズの微妙な描写の違いなどと言うものは本来、写真の出来にはあまり関係ないものである。

従って、残りの問題はファインダーの暗さで、残念ながらこれだけはどうしようもない。だが、ファインダーの明るさと軽快さとどちらを取るかと言われれば、もちろん、ぼくは躊躇なく後者を取るだろう。小ぶりで小回りがきき、どこへでも持って行く気になる気さくな相棒、それがぼくにとってのローライコードであり、メインカメラに収まっている所以なのだ。

(次回に続く……たぶん)

ローライコードの時間(1)

2005-11-09 15:21:58 | カメラ
本屋に行ったら、文庫の新刊『ローライフレックスの時間』(藤田一咲著)が出ていたのでペラペラとめくってみた。表紙を見た感じでは一瞬食指が動いたが、結局購入見送り。文章にあまり読みでがなく、ローライに関する記事も同じ出版社から出た『ハッセルブラッド&ローライフレックス』というムックの焼き直しが多い。内田ユキオの『ライカとモノクロの日々』やわが師匠渡部さとるの『旅するカメラ』辺りは結構いい線行ってたと思うのだけど、どうも最近の文庫は企画・編集がおざなりというか、安直になってきているような気がする。読み物として買うには文章が薄く、かと言って写真集として買うには作例以上作品以下という感じがしてしまうのだ。『ライカ通信』の次号も一向に出る気配がないし、クラシック・カメラネタはそろそろ尽きてきたということなのかも知れない。

で、『ローライコードの時間』(笑)。いや別に文庫に対抗してるわけじゃないんだけど、「ローライフレックス」についての思い入れを語っている人は多いのに、「ローライコード」を賛美している人にはめったに出くわさないので、ちょっと埋め合わせを、と思った次第である。

ぼくがローライコード(4型)を使い出したのは今年の四月からだから、ローライ(コード)歴はわずか半年余りに過ぎない。だが、その間にローライコードは完全にぼくのメイン機材に居座り、いまじゃ、ほとんどこれ一台あれば必要十分なんじゃないか、という気がしている。普通はここまで来ればじゃあ次はフレックスを、などと言うものなのだろうが、自分の場合はその気はまったくなし。それほどまでにこのコード4型の使い勝手は優れているし、完成されていると思う。では、具体的に、何が優れているのか。

(次回に続く)

ローライナー

2005-07-22 21:17:00 | カメラ
スペイン、モンゴルと立て続けにローライコードでカラーネガを撮り続けているうちに、すっかりローライでカラーネガプリント、というスタイルが気に入ってしまった。何より6×6というフォーマットが「カラーはシンプルに」というコンセプトを後押ししてくれるし、ローライのスローな操作性もシンプルな絵作りにはもってこいという気がするのだ。

さて、そうなってくるとがぜんローライをもっと愛用したくなってきた。今まではどうせ四万以下のカメラだし、と買った時のままフードもフィルターもつけずに使っていたのだが、やっぱ逆光にはフードは必需品だよなあ、とか、モンゴルみたいに埃っぽいところには保護フィルターもマストアイテムだし、などとあっさりと考えを改め、いそいそと中古カメラ屋めぐりに出かけてしまった。

ところが、インターネットで目星をつけておいた喜久屋カメラに行く前に、たまたまふと立ち寄ったマップカメラで、

「ローライB-1用 フード、ローライナー1.2、フィルター セット 31,500-」

というのを発見、胸の高まりを押さえつつ、即店員に声をかけて商品を見せてもらうことにした。

話は少しそれるけれど、ローライの欠点の一つとして、最短撮影距離が1mである、というのがある。つまりローライは(その時代のカメラの常として)接写が苦手なわけだが、この欠点を補うべく出されたアクセサリーが「ローライナー」で、ビューレンズと撮影レンズにこれを装着することによってローライでも何とか近接撮影が可能になるのである。

ちなみにこの「ローライナー」、ローライ二眼レフのバヨネットタイプに応じてBay1からBay3までの型があり、さらにそれぞれの型ごとに撮影可能距離に応じて1~3までの3タイプがラインナップされている。例えば、ローライコードはBay1型であり、そのタイプ1は100~45cmまで、タイプ2は50~31cmまで、タイプ3は32~24cmまで接写できるというわけだ。

で、さっそくぼくは皮ケースをあけて中味を見せてもらったのだけれど、ケースに整然と収められた商品を見てまずは驚いた。ぼくはローライナーの1.2というのをBay1のタイプ2のことだろう、と勝手に解釈していたのだけれど、ケースの中にはローライナーが二つ収まっている。つまり、ローライナー1.2とはローライナーのタイプ1とタイプ2のことだったのだ。おまけにフィルターの方は無色のH-1フィルターを含む各種フィルターが5枚セットになっているという優れもの。フード、ローライナーのタイプ1&2、フィルター5枚、そしてそれらがすべて収まる皮ケース。それが三万ちょっとの値段なのであった。

ローライナー一個で1万2千円前後することを考えれば、これはかなりお買い得と言えるし、ローライコード用のアクセサリーをこれだけ揃えるのにかかる労力と時間を考え合わせれば格安とも言ってもいいくらいだ。

とゆーわけで、今はこのアクセサリーセットは無事手元にあって、もちろんぼくの気分は最高である。何だか、ローライコードを使い倒せと写真の神様から啓示を受けたような(笑)。もちろん、ローライは二眼レフであるから、接写時のピント精度は怪しいものだけれど、何より小型軽量格安のローライコードにこれまた小型軽量なレンズを取り付けるだけでまがりなりにも接写が可能になるのが何だか嬉しいではないか。

今では、懸案だった東京シリーズを、ローライコードのみで撮り切ってみようかなどと画策している次第だ。

クセナー75mm f3.5

2005-04-19 20:30:37 | カメラ
ようやくローライコードで撮ったカラーネガプリントがあがってきた。手ぶれもなく、コマが重ならずにきちんと撮れているようで一安心。一応、使い物になる代物だったらしい。

今回試写が上がってきたのは富士のリアラエースとコダックのポートラNCで撮ったもの。噂ではだいぶ硬めでコントラストが高いということだったが、経年変化のせいだろうか、それほどの硬さは感じられず、むしろ柔らかめのような気がする。もちろん、フィルムにもよるのだろうし、事実リアラエースの方は発色が良く、コントラストはやや高めだが、ポートラNCの方は落ち着いた色合いでポートレートにはちょうど良いようだ。結構好みの描写かも。

あとはアグファカラー・ポートレートやコニカミノルタの160PSがどんな写りになるかだな。こんな風にフィルムとの相性を楽しめるのもデジタルにはない楽しみのひとつだろう。ローライコードのスローな使い勝手も何だか愛おしくなってきた。

ローライ

2005-04-14 18:56:31 | カメラ
 とうとう買ってしまった、ローライ。2B一期生のYさん所有のローライフレックスを拝見して以来、ずっと気になっていたのだ。もっともぼくのはフレックスではなくて、ローライコードの方。より軽いクセナー75mm f3.5付きの4型である。

 数ヶ月前までカメラはもう35mmオンリーで行こうと思っていた。スナップを中心にしていたし、身軽に動くことを信条としていたぼくにはライカ一台あれば十分だったのだ。
 それが変わってきたのが、グループ展へ向けて自分の作品をブックに纏めている時だった。写真をセレクトしてゆくに従い、自分の作家性らしきものがほのかに立ち現れてくるのは良かったが、それが同じモノクロの35mmでずっと続いてゆくと何だか変化に乏しく面白みに欠けるような気がしてきたのである。

 その時にふと思ったのが、6×6でカラーポートレートを撮ってみてはということだった。モンゴルの草原をバックにいろんな職業の人たちを正面から捉えたポートレートを撮ってみる。そんな発想がむくむくと頭をもたげ、その矢先にYさん所有のローライフレックスに触れて、ローライの意外な軽さと安さに驚いたのだった。
 
 購入してさっそく試写をした。二人組の女の子がいたので、「ちょっといいかな」と断り正面から撮影させてもらう。古い機種なのでファインダーが見やすいとはとても言えないが、6×6フォーマットだと二人の姿がちょうどバランス良くフレームに収まり、いかにもポートレートといった感じで気分がいい。ライカでポートレートじゃあ何だか間が抜けているものねえ。しばしばフォーマットの重要性を説く師匠の言葉の意味が、なんとなく分かった気がした。

 試写したフィルムはDPEに預けてきたのでこのローライが本当に使い物になるのかどうか、実はまだ分かってはいない。でも、六ヶ月保証がついて3万8千円程度だし、何よりクラシカルな二眼レフだと声かけもスムーズに行きそうな気もしてくるではないか。さて、ローライ持ってこれからどこへ出かけようか。そんなことを考えているととても幸せな気分になってきた。

T3

2005-03-21 21:28:49 | カメラ
日曜日。T3を買ってしまった。「T3」と言っても「ターミネーター3」ではない。「コンタックスT3」、いわゆる高級コンパクトカメラという奴である。

京セラがカメラ事業から撤退することになった今になってT3を買うのは馬鹿らしいような気もするのだが、ライカを使っての夜間スナップにある種の限界を感じ、泣く泣く購入。夜間、被写体に気づかれない内にささっと撮ってしまうにはやっぱりオートフォーカスの方が都合が良いことも多いのである。加えてライカで常用しているレンズと同じ焦点距離である35mmレンズが搭載されていること、さらにライカでは不可能な30cmからの近接撮影が可能なことが購入の決め手となった。

もっとも、じゃあライカを使わずT3だけで十分なのかと言えばもちろんそんなことはないところが写真道の(あるいはカメラ道の?)奥の深いところである。
いくら絞り優先AEができるからと言ってもやはりT3の露出がオートであることは変わらないわけだし、絞りこんでの昼間のスナップでは速射能力においてライカ(を始めとするレンジファインダーカメラ)の右に出るものはいないはずだ。それに夜間スナップにしても、速射が必要ない風景を写す場合にはやっぱりライカが重宝するだろう。ズマロン35mm f2.8を使ってスローシャッターでストリートを写した時の、あの包みこむような優しい光の味わいはやはり捨てがたいものがある。

今後は近接撮影と夜間の人物スナップにはT3を、昼間スナップと夜間風景にはライカ(+ズマロン)というのがぼくのスナップ・スタイルになりそうだ。