Feel Free ! アナログ・フォト・ライフ Diary

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"American Photo"

2006-10-03 18:44:49 | 写真全般
モンゴル隊が帰国してから、妙に好天が続いている。連日秋晴れらしい爽やかな青空が広がり、早朝はさすがに冷え込むが、日中は半袖でもいいくらいに暖かい。モンゴル隊がいた間にこの天気だったらなあ、と思わなくはないけれど、まあ行った場所がゴビ地方に近いところだし、あれはあれで仕方がないことだったとは思う。

さて、それはさておき、久々に写真について少々。実はモンゴルに来る途中立ち寄った韓国の空港で、たまたま”American Photo”なる雑誌を見つけたので買ってみた。日本の分厚いカメラ雑誌とは違って、95頁くらいの薄い冊子だが、中身はなかなか充実していて面白い。特に今月号はアメリカにおいて将来を刮目される若手写真家が特集されていて、これを見ると、現在のアメリカ写真界の動向が伺われて非常に興味深い。例えば、50年代的な「健全で明るい」ファミリー像をパロディー化したティモシー・ディバインの写真や、アメリカン・ゴシックの流れをくむ何気なさにどこか不気味さを湛えたマーク・マハニィの作品等々。それにしても、やっぱりアメリカの写真ってアメリカンな匂いがぷんぷん漂っている(笑)。

こうした作品を見るにつけ、やはり思い返されるのは日本の写真のことだが、アメリカ写真同様、日本の写真にもどこか日本「らしさ」が漂っているよなあというのが正直な感想ではある。自分としては別段日本らしさを出そうとか、日本人の心を写したいとかは全然思わないのだけれど、それでもやはり日本の写真史の文脈の中に位置づけられるような写真を撮りたいとは思っている。もっとも、何を撮るかでいまだ頭の中のプランがまとまってはいないのですが……。

ところで、話を元に戻すと、この雑誌、特集の他にもなかなか読みでのある記事が多いのだが、特筆すべきは新製品紹介の記事がほとんどないことで、やはりこの雑誌は「カメラ雑誌」ではなく「写真雑誌」なのだ。日本にもそろそろ「カメラ親父向き」でも「おしゃれ写真大好き女の子向き」でもないちゃんとした写真雑誌が出て欲しいものだと思うのだが、いかがなものだろうか。

この辺り、やっぱり写真がビジネスとして根づいている国とそうでない国の違い、と言ってしまえばそれまでだが、それにしても日本の写真ブームっていったい何なのさ、と改めて考えさせられた次第である。

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