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米保守派の意地を見せた?

2007-12-06 20:18:15 | 本の感想
実は俺、米の保守派にはロクな意見を書く人がいないという誤解をしていた。
けど、そんな誤解を俺は取り下げざるを得なくなった。

それは、John J. Measheimer & Stephen M. Walt 著の『The Israel Lobby and U.S. foreign policy』を読んだからである。
で、その本の感想。


・・・重い(弱)。

本編の長さ(約350ページ)もさることながら脚注が100ページ以上という異常な長さのため、電車の中ではまず読めない。
家で読む際にも 1ページあたりの文章量が多いので(ページサイズが大きいから)、最後まで読むには相当の時間+気合が必要。
後は、パレスチナ問題に関するちょっとした知識も必要かな。
この辺については、日本語版では補足が行われてるかもしれないけど・・・。

で、ここからは感想(ネタバレあり)。






イスラエルロビーが力を発揮している根本には、米の政治制度、特に選挙制度が抱えるジレンマもあるんだろうな。
確か、米の上院・下院選挙って小選挙区制だったよな。
要は、選挙資金(政治資金)が不足気味の少数政党や無所属の候補が議席を取りにくい制度なんだけどね。
この辺りについても、筆者は(少しばかりだが)改善を訴えているのが面白いかと。
選挙資金や政治資金を安定して確保できれば、イスラエルロビーも怖くないってか?

後は、米でユダヤ系の歴史を伝える努力不足を指摘してるのもポイント。
並んで、イスラエル批判⇒反ユダヤ(anti-Semite)という論が罷り通っている米の現状も批判している。


なんか、以上の文章を読んでるだけだと、単に米の政治制度や米におけるイスラエル批判をやらせろ、という主張がメインの本じゃんと思うかもしれん。
でも、イスラエルに対する米の態度がいかに米の国益(ひいてはイスラエルの国益)になっていないかもきちんと伝えているので安心(?)。
そのせいか、パレスチナ問題に関する見解はやや甘めだが・・・。

でも、(酒井 啓子氏の表現を借りれば)米保守派に属する学者達の割には(失礼)真っ当な見解が多い一冊。


結論:
日本語版でもいいんで、借りるなり買うなりネットでゴニョゴニョするなりして一度は読んだ方がいいかと。
日本語版を読んでないのにこんな事を書くな、って話だが・・・。


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