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Abu SISI's incident:Proving efficiency of Mossad or breaching sovereignty of Ukraine?

2011-03-22 20:16:49 | 時事ネタ(海外)
何か知らないけど、イスラエルの諜報機関であるモサド(Mossad)が、Gaza 地区にある電力公社の幹部として働いていた Dirar Abu SISI(ضرار أبو سيسي)氏を今年2月にウクライナで拉致→イスラエル国内の収容所に監禁したことを認めていた。
・Israel: We have Palestinian engineer missing since Feb.(2011年3月20日 jpost.com)
・Israel admits to arrest and detention of Gaza engineer(2011年3月20日 Haaretz.com)

ただ、この話、イスラエル国内では、先週の木曜日(2011年3月16日)まで報道規制が敷かれていた。
しかも、3月20日の時点でも詳細は明らかにされず・・・。
以下、2011年3月20日分 Haaretz.com『Israel admits to arrest~』から、Petah Tikva 裁判所の決定に関する説明を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
A gag order on the case was partially lifted on Thursday by Petah Tikva court judge Leah Lev-On and was only allowed to be published on Sunday.
Abu Sisi was arrested as part of investigation and is currently being held by Israel, the lifting of the gag order revealed.
Much of the rest of the details remain under gag order.

Lev-On wrote that publication of "details of the investigation and the circumstances surrounding the arrest" will remain under a gag order for the next 30 days.
(以下略)
---- 引用以上 ----

後30日は報道規制、ね。
つまり、来月の4月19日か20日にならないと、この件の詳細をイスラエル国内で報道できないってことか・・・。
裏を返せば、この件でイスラエル政府が神経質になってるってことかもしれんけど。


つーか、なんで Abu SISI 氏はウクライナで拘束されたのか?
この辺は以下参照(手抜き)
・モサドによるパレスチナ人の誘拐(2011年3月11日 中東の窓)
・UN accuses Israel of kidnapping Palestinian(2011年3月11日 cbsnews.com;AP)
・Director of Gaza power plant missing in Ukraine(2011年2月22日 Ma'an News Agency)

理由を簡単に書くと、「Hamas など武装勢力と直接関わってる証拠はないけど、電力公社の幹部に昇格してる以上 Hamas との関与が疑われるから」、という・・・。
しかも、SISI 氏はウクライナの市民権を得ていたにもかかわらず、だ。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって奴か?(違)

で、この件については SISI 氏の妻や親族などが、当初(2011年2月19日)から SISI 氏が拉致されたことを訴えていた。
↓公式サイト
・Где Дирар?(ウクライナ語で『Dirar はどこ?』という意味・・・らしい)

そして、この件に関しては、色んな意味で危険なにほひが・・・。
以下、2011年3月10日分 cbsnews.com『UN accuses~』から、在ウクライナ国連難民高等弁務官(UNHCR)広報官こと Maksim BUTKEVYCH 氏の発言部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
Maksim Butkevych, spokesman for the United Nations High Commissioner for Refugees in Ukraine, said Abu Sisi has been in custody in Israel since shortly after his disappearance.
The U.N. agency believes he was abducted and illegally transported by Israeli security forces, perhaps with the aid of Ukrainian counterparts.

"We don't know details of his trip from Ukraine to Israel — let's put it this way," said Butkevych.
"But unfortunately, what happened looks like a violent abduction and not a legal extradition or any other legal action on the part of authorities."
(以下略)
---- 引用以上 ----

非合法的な拉致、ね。
どうも、イスラエル政府単独で行ったとは言えないみたい。
というのも、ウクライナ政府はこの件について余り発言していなかったのよね。
この辺は、↓の記事の後半で触れられてるが・・・。
・"Моссад" засветился в степях Украины(2011年3月18日 Независимая газета;ロシア語)

この記事の終盤では、今回の件でウクライナ政府に与える影響なんてのを述べていたのだが・・・。
以下、2011年3月18日分 Независимая газета『"Моссад" засветился~(日本語適当訳:イスラエルの諜報機関『モサド』、ウクライナ国内に侵入)』から、最後のオチを(略
ただし、原文の下には適当日本語訳を追加しといた。
例によって、適当日本語訳の正確性は一切保証しな(略

---- 以下引用 ----
[以下原文]
(中略)
«Не секрет, что израильские спецслужбы – наиболее профессиональные и высокоэффективные в мире. Если дело касается терроризма, они из-под земли достанут нужного им человека.
Они работают во многих странах мира и, конечно, контактируют со своими зарубежными коллегами», – считает политолог Чумак.
Это мнение полностью разделил руководитель центра «Социовымир» Сергей Таран, отметивший, что на самом деле ничего сенсационного не произошло: «В мире привыкли к подобному. Но для Украины история с исчезновением Абу-Сиси стала сенсацией, потому что на нашей территории такие операции ранее если и проводились, то не предавались огласке. Это понятно, ведь у Украины нет четкой и способной раздражать какую-то сторону конфликта позиции по ситуации на Ближнем Востоке. Украинская позиция – это отражение позиции ЕС и США».
Поэтому Таран уверен, что ситуация никак не скажется ни на внешней политике Украины, ни на отношении к Киеву зарубежных партнеров.
«Единственный урок, который стоило бы извлечь из этой истории, – это пример образцовой работы спецслужб. Украинским специалистам и политикам стоило бы обратить внимание на то, как эффективно и успешно спецслужбы могут защищать национальные интересы своего государства, а не корпоративные либо бизнес-интересы представителей властной верхушки».

[以下適当訳]
(中略) 「イスラエルのモサドが、世界でも屈指の訓練され有能な諜報機関であるのは明らかだ。対テロのことになると、イスラエル国外でも狙いの人物(被疑者)を拘束する。世界各国で任務を行い、各国の諜報機関とも接触を図っている」 -- と[Института публичной политики(Institute of Public Policy)というシンクタンクだか何だか所属]Viktor CHUMAK(Виктор Чумак)氏は確信している。
『Социовымир(Sotsiovymir)』の最高責任者である Sergey TARAN(Сергей Таран)氏も、同じ見解を持っている:「世界各国はそのような話をよく知っている(確か日本でも・・・)。だが、Abu SISI 氏の拉致→行方不明は、ウクライナでも陰で行われてきたことが初めて公にされた事件だったため、ウクライナの歴史上もっともセンセーションな事件となった。ウクライナは中東地域における(イスラエルとパレスチナの)紛争で、明確にどちらの立場を取るかを示していない。ただ、ウクライナの中東地域における(イスラエルとパレスチナの)紛争に関する姿勢は、米国と EU の(パレスチナに関する)立場が反映されてるようだが・・・」
そのことから、TARAN 氏は、この事件がウクライナの外交姿勢やイスラエルに影響を与えるものでないと指摘する。
「この事件から導き出し学ぶであろうことは、諜報機関の優れた仕事の一例だ。ウクライナ政府の高官と政治家は、官僚が求める企業や経済面での利益より、(イスラエルのモサドみたいな)効率的かつ有能な諜報機関がいかに国益を守るかについて関心を寄せるだろう
---- 引用以上 ----

要は、SISI 氏がウクライナの市民権を取得してるにも関わらず、正式な手続きも経ずにモサドが(ウクライナの諜報機関と協力した可能性があるとはいえ)勝手に SISI 氏を拘束→イスラエルで監禁したわけだ。
しかも、ウクライナ政府はそれを黙認した形で・・・。
まぁ、この件に関するウクライナ政府の対応を考えれば、SISI 氏(やウクライナのパレスチナ難民)のことを「よそ者」と扱ってたとしても不思議はないけど。


にしても。
この件について、今も報道規制を敷いてるイスラエル政府って一体どこの国なんだろうな?


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