前述の、関西二期会第74回オペラ公演”La RONDINE”のパンフ裏面より、転記させていただきます。
『第1次世界大戦がイタリアとウィーンの間に吹き荒れ、数奇の運命を辿った「つばめ」。
ドイツ語のオペレッタが何回かの変容を経てイタリアオペラに仕上がった。
聞き所はあの有名な「ドレッタの夢」だけではない。
ワルツの音楽の上に繰り広げられるプッチーニの甘美なメロディーは聴く人の心を離れない。
◆第一幕◆ パリのサロン
詩人のプルニエが自作の登場人物「ドレッタ」は金よりも真摯な愛をえらぶとはじめると、マグダはそれに続け「ドレッタの夢」でロマンティックな恋を夢見る。パトロンの銀行家ランバルドのもとへ、旧友の息子ルッジェーロが現われる。初めてのパリの夜には「ブリエ」の舞踏会がいいと一同。プリニエにはこっそりと奥様のドレスを拝借した女中のリゼットと、マグダはグリゼット(お針子)に変装してそこを訪ねることにする。
◆第二幕◆ ブリエの舞踏会
学生やグリゼットで賑わう中へルッジェーロが現われる。グリゼットに変装したマグダは言い寄る学生たちをかき分けて彼のもとへ進む。いつしか二人の間には恋が芽生える。プリニエに連れられ現れたグリゼットは、マグダに鉢合わせ。プリニエの機転でそっくりの人違いと騒ぎが収まったところへ、ランバルドが突然現われる。彼女を窘める彼に「もう別れましょう」と応えるマグダ。ルッジェーロとマグダは腕を絡めて舞踏会を後にする。
◆第三幕◆ リヴィエラの海岸のコテージ
ルッジェーロとマグダの甘い生活もいつしか資金が底をつき綻びを見せ始める。結婚して田舎の実家で暮らそうと話すルッジェーロ。いまだに過去の生活を隠していたマグダは話すべきかどうか狼狽える。プルニエは、リゼットをニースの劇場でデビューさせようと試みたが散々な結果に。リゼットは再びマグダのもとで働くことになる。再び戻ったルッジェーロの手には結婚を祝福する母からの手紙。マグダは決心し、「私は穢れた過去を持つ女。貴方の花嫁にはなれない」と告白する。涙に我を忘れるルッジェーロからマグダは静かに去ってゆく。