■小説「永遠の0(ゼロ)」 百田尚樹 講談社文庫
小説はあまり読まないのだが、この本は評判が良かったのと、太平洋戦争を描いたものとして興味があり、読んでみました。
百田尚樹氏のデビュー作品になるのだそうです。2006年発表、2009年文庫本化 900円。
ストーリーは、母に頼まれた姉弟が終戦を前にして沖縄戦で特攻隊で戦死した実の祖父 宮部久蔵の足跡を、父を知る何人かの
元海軍航空隊兵士に出会い、話をききながら辿っていくことでその実像に迫っていくという展開。
多くの部分で、ものすご~く感動します。涙も出ちゃいます。
そしてかなり勉強します。ヘタな歴史の本を読むよりもずっと勉強になります。これは確か!
歴史の勉強だけでなく、人間として生きるべき本質みたいなものも学べます。これも確か!
米国と日本、米国民と日本人・・本質的な価値観の違いも学べます。
日本国の軍部並びに外交部、政治の今と変わらぬ官僚体質もおまけで学べます。
当時の国民やマスコミも、軍事テクノロジーについても・・。
いろんな書評があり、中には批判的な意見もありますが、私の採点はアマゾン流で★4つ半、95点です。
65年を経て太平洋戦争がどんどん風化している状況で、是非みんなが、特に若い人が読むべき物語だと思います。
読後少し残念に思うことは、戦後民主主義を受け入れ65年経っても、日本人の本質は良い方には変わらず、どんどん悪くなっている
ように、現実が見えることです。
戦争という極限状態にある兵士たちが、何を思い毎日を戦ったのか、半強制の特攻隊員として死を前に何を思ったか、そこで描かれる
人生観や社会観は、たぶんこれまでのイメージを変えるものでしょう。
それは現代にあっても、凛として説得力のあるもので、人として生きる上で絶対に忘れてはならないものと思います。
エピローグでの、宮部久蔵の死は少しかっこ良すぎたのでは?・・・ここがマイナス5点で95点でした。
是非、読んでください!!!
■きょうのⅠ曲plus1
Barclay James Harvest - Hymn → http://www.youtube.com/watch?v=nzUYzEzx0-A
こちらは英国産 永遠のB級バンド、バークレイ・ジェイムス・ハーベスト、1977年"GONE TO THE EARTH"に収録された曲。
私は「お元さん」のようなキリスト教徒ではありませんが。
Hymn - Vangelis → http://www.youtube.com/watch?v=DB7fnZ-AQNE&feature=related
画像がピンと来ませんが、音は凄く良いですね。ヴァンゲリスは80年代からソロで多くの名曲を製作しています。
おなじみなところでは、「炎のランナー」や「ブレードランナー」「ミッシング」などの映画のテーマ曲、なんといっても2002年FIFA
ワールドカップ・サッカー、日本・韓国大会のテーマ曲ですね。