教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

いばや通信の坂爪さんトークイベント

2015-03-09 | 研修・セミナー・講演など
2015年3月8日 夜 いばや通信のブログを連載している坂爪さんのトークイベントがあったので行ってきました。

facebookでときどき流れてくる 「いばや通信」の記事

時々フィードに流れてきたときには、「面白い事やっている人がいるなぁ」程度の認識でした。

ところが、この1週間くらい連続して「いばや通信」の記事がなぜか連続して話題となり、私も連載に引き込まれて、あれこれとバックナンバーの記事を読んでいたのでした。

その矢先、記事の紹介に、本日の夜に渋谷で坂爪さんのトークイベントがあることを偶然発見。

席もあいているようでしたので、早速チケットをオンラインで取り、会場に向かいました。(開催2時間前)


実物の坂爪さんていったいどんな出立で、どんなお話をされるのだろうと興味津々でした。

会場はこじんまりした場所で20人くらいの方が参加。ほとんどがいばや通信を普段よく読まれている読者の方でした。
(写真: トークショー後に撮影。向かって左から みっつさん 福島本人 坂爪さん)


さて、トークショーでは、坂爪さんとブログに登場するみっつさんが2人で登壇。


18時半から21時にかけて、ゲストが一方的に話すというよりも参加者の質問に答えるという形で会は進みました。

途中、ご自分の体験などをじっくりシェアされる方などもいらして、それに真摯に向き合いコメントするお二人が印象的でした。

いくつか、ここに備忘録として書き記したいことを残しておきたいと思います。


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1.なぜ家を持たない生活をはじめたのか?

これは、坂爪さんが昨年のバレンタインデーの時に、彼女から別れを告げられ、共同で住んでいた場所を出て行ったことがきっかけだったそうです。
新しく住まいを探すよりも、自分の立場を知らせ、泊めてくれる人がいたらラッキーくらいのノリで情報発信をしたそうです。
ところが、これが思わぬ反響を呼び、今では予約待ち(つまり泊めてあげるよーという人が多くてオーダーを待っている状況)なのだそう。

坂爪さんいわく、「これからは何か新しいものを付け加えて価値を提供するのではなく、不必要なものを削った状態が価値を生み出す時代」とのこと。
よって、移動の荷物なども最小限にし、なるべくシンプルな生活を試みているそうです。

断捨離という言葉がブームになっていたりしますが、燃料満載の飛行機は急発進・急上昇ができません。
おなか一杯の状態では機敏な動きができませんね。それと同じイメージが湧きました。

2.そもそも、このような変わった生活をしようというルーツは何か?

これは私の聞いた質問になりますが、はっきりしたルーツというのは思い当たらないようです。
しかし、坂爪さん自体が、感性を大事に生きたい志向の持ち主であり、いままで当たり前とされてきた常識を疑う立場に立ち、もうどうにでもなれという一種の”突き抜け体験”をしてきたことが特徴ではないかとご自分で分析されていました。

普通は、理性でこれはやめておこうと思うことが多いけれど、僕はそれを実際にやってしまった。その違いだけではないか?
ルーツという言葉がその人を特別視するような傾向があるけれど、そうではなくて、理性を振り切って実際にやってしまうかどうか。そこで分かれるのではないか?
とおっしゃってました。なるほど、これは万人に備わった何かなのかもしれません。

この突き抜け体験の話を聞いたとき、冒険家 栗城史多氏の逸話を思い出しました。大学時代にひきこもり性格で彼女にふられたとき、登山で見返そうと、突然山登りを始める。そして今では有名なアルピニストに。

実はだれでもこのように、突き抜ける何かをもっているのかもしれません。やぶれかぶれでわぁーっとなったときに、一種の突き抜け感、悟りのようなものがあり、そこからガラッと次元の違う自分に”変身”する。変身後は、元の自分に戻るのは難しい・・・・


3.とはいえ、ぎりぎりの生活があると何がおきるか?

家を転々とし定職につかない坂爪さんの生活は、もちろん経済的に豊かなわけではありません。
時に預金残高がゼロになることが何度もあったといいます。

ここで面白い話を聞きました。ピンチの状態がより深刻な時(預金がほんとにないような状況)ほど、不思議と大きな案件が突然飛び込んでくるそうです。逆に言えば比較的安定しているときは、それほど大きな出来事は起きない。


4.人は生きようとする生き物。そしてオープンさが鍵

たとえ自殺願望の人でも、突然海に突き落とされれば生きようともがく。人間はそういう生き物なんじゃないかと坂爪さんは言います。もうそれはほとんど自動的な反応。 だから、限界状況でもなんとかなる。なんとか生きようとする。

でも、みんながみんな危機的状況をいつも脱せられるわけではない。
では、どこに違いがあるか。 それがオープンさ。オープンにしていれば死なない。すなわちオープンさが鍵。

実際、坂爪さんは携帯電話番号、メールアドレス、個人スケジュールなどをすべてネット上で公開しています。
そして自分の生活を赤裸々に実況中継し、それを続けている。
だから、ネット上には多くのサポーターが存在する。
苦しい時にヘルプを出すことを拒まない。メンツなどを気にしない。
そうしたオープンさがあれば、生きて行けるそうです。


5.人は脳内で勝手に評価、脳内妄想する動物である自覚

例えば好きになった異性・・・ついつい脳内で妄想が広がり、実際につきあい始めると幻滅が・・・
「こういうタイプの人ってこうだよね」という先入観や決めつけ。

実際に話してみると全然違うのに。

合ったり体験していないのに、報道やうわさや、世間の評価などで判断してしまっていることが現代人は非常に多いと坂爪さんは言います。

確かにそうだなぁと思いました。こうした第3者の情報により、われわれの脳は洗脳を受け、ジャッジし、その結果、大きな誤解から戦争になっていくこともあります。現代人は、いわば幻想の中にいきていると言えるのかもしれません。

だからこそ、生身で、感性で感じられるリアルさを坂爪さんは常に追って感じようとしているのかも。


6.今に生きる

つまるところ、坂爪さんは今に生きる人です。
過去を憂えず、未来に怯えず。 ひたすら 今 今 今 に向き合っています。
先がどうなるかはわからない。でも、いま、生きている。それってすごい。
そしてそんな簡単には人は死なないという絶対的な自信。 今を信じて生きること。

例えば野宿したあとで布団で寝る機会があれば、日常感じていなかった幸福を味わうことができる。
自分(坂爪さん)よりずっとお金を持っている人が、お金で悩んだり怯えているのは今に生きてないから。
不自由を味わうことでかえって平凡の有りがたさが身に染みてわかるといいます。


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トークショーは2時間半あり、まだまだお伝えできていない情報がありますし、みっつさんの学校にいかなくても暮らしていけている話なども大変興味深かったのですが、このへんで。


さて、「自分としては、まだまだ手放し感が足りないかもしれないな」という気持ちが湧いてきました。

自分が本当にこれからやりたいミッションについて、もっと向き合って集中していくこと。
結果がどうであるかが問題ではなくて、必要な今を積み重ねていくことの大切さを学ばせてもらいました。

いばや通信  今後も目が離せません!
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