教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

家庭内別居がもたらす影響

2008-03-09 | 教育事情(国内・脳科学・心理)
早寝、早起き、朝ご飯という標語がありますが、朝・夕の食卓において家族が一同にそろうということが本当に少なくなってきたようです。理由は、共働き家庭の増加、各個人のライフスタイルの多様化、子供達の塾・習い事通い、深夜に及ぶ遊びやアルバイト(高校生の場合)など多岐に渡ります。

家族が食卓にいないという空間の問題もさることながら、一緒の空間にいても話題が共有されていないという現象にも注意を払う必要があると思います。例えば、テレビを見入っていて時間が過ぎる。子供はゲームをしているだけ・・・などの事態です。場所は共有されていても、心は通い合っていないというケースが増えているわけです。

小学生程度の子供にとっては、学校であったことを聞いて欲しいでしょう。また妻の立場としては家庭でおきていることを夫に理解して欲しいといったことがあるでしょう。こうしたコミュニケーションをとらなくても表面上はなんとかなっているかもしれませんが、そのつけは大きくなるような気がしています。

それが、近年みられる若者のコミュニケーション不全などをもたらしている影響は大きいと思います。身近にいる大人の代表は紛れもなく親であり、その親との会話が不足するということが、子供にとっての安心感の欠如、大人モデルをつかめないといったことにつながっているような気がしています。(ここで言う大人モデルとは、自分がどのような大人になるか、なりたいかといったモデルを言っています。)

ケータイの低年齢層の普及が、ますます同世代同士のコミュニケーション手段として使われ始めると、家族の会話より会ったことのない他人との会話に多く裂かれていくという心配も個人的にはあります。面と向かって家族と話しをすることの重要性、特に低年齢児童においては、それが安心感や心の安定、情操などにもたらす影響の大きさが再評価されることを望みます。

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