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「全思考」  北野 武

2013-04-13 12:13:27 | DONKIの本棚
 
 
全思考
 
著者  北野 武    
 
    幻灯舎文庫   ¥457-
 
 
   東京 浅草は日本の演芸界のメッカである。 平たく言えば「日本のお笑い劇団」総本山だ。
此処から古くはエノケンやロッパが、最近では渥美 清、小沢 昭一などが出ている。
今をときめく北野 武も理系私大の学生時代にこの浅草6区に入り浸っていた。、いろいろと
やっている裡に、「ビートたけし」として漫才コンビを組んで頭角を現し、テレビに出るようになって
からは次第にひとかどのの「芸人」として世間様に知られるようになった。
 
   この間にバイクによる自損事故を起こしている。(1996年)幸い一命はとり留めたが顔面に
それと判る深い傷を残した。 この事故によって死生観も変わったと告白ている。
 
   ベネチャ・ビエンナーレの「金獅子賞」といえば世界の映画界での最高の勲章で、戦前の
名画である「自由を吾等に」(フランス)、日本のでは40年ほど前の「無法松の一生」=稲垣 浩
監督=がその受賞作品であるきりだが、1998年には「たけし」の(HANABI)が最優秀作品に
撰ばれた。 いわば一介の漫才師が一躍国際的な映画監督になったのだから世間は目を見張った。
 
   そればかりではない。 週刊誌や『新潮45」などにエッセイや談話を載せての、辛口の時事批判は
喝采をもって迎えられ長期連載となった。
その上昨今では多くの民放で10本以上のレギュラー番組を持つ超売れっ子、マルチタレントである。 
90年代を萩本欣一や和田アキコの時代とするならば、ミレニアムの当代の演劇界のカリスマは
北野 武と言えるのではないか。
 
   以上が「たけし」の駆け足の略歴であるが、それを踏まえて書かれたのがこの『全思考」である。
第一章の(生死の問題から始まって第五章の映画の問題までに己が思ったことや体験したことの
真実を述べたもの。
「死んだらどうなるか? 死ねば答えが出る」と彼独特のギャグが随所にみられて、興味がつきない。
 
   最近この続編が出て「超思考 北野 武」という。 併せてお読みになることをお薦めする。