ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

情報格差

2005年10月18日 | 本blogの紹介
スタッフのC氏に「最近センセーのblog危ないですよ」とほめ言葉をいただいた。あまり政治的なことを書いていくつもりはなかった。せいぜい臨床に関係する,市町村や県,社会保険庁の事実を独善的に書いていくくらいにしか考えてなかった。

しかし,日本の9.11ショック(総選挙)前後から政治的なblogを見はじめていた。
マスコミは浮かれていたのか,もしくはヒステリーの言説(ディスクール)で本質からそれるように話題を展開していた。
本来は現政権の4年間のやったこと・やらなかったこと,借金や国債の数字の推移,聖域無き構造改革の進捗状況,医療費,各省庁の無駄遣い・・・そして各政党の展望・・・そんなデータを放送して欲しかった。(いわんこっちゃない。浮かれているウチに乗っ取り騒ぎである。天に唾をする者たちの行く末である。脱線・・・)

さて,コイズミ氏の得意な言い回しである。「郵政民営化YesかNoか」と大声で叫びながら,「改革を止めるな」とアリバイのように,あとで小さな声で言っている。
人は最初の言葉しか記憶に残らない。「改革を止めるな」の真意は分かった気になってしまうトリックだ。
改革とは 医療費負担増加,年金支給開始年齢引き上げ,消費税引き上げ,共謀罪,etc そして憲法改正(改悪)である。
そんなに大切な事柄が,一括して「改革を止めるな」に集約されるレトリックである。
もちろん野党もそこを攻めないし,それでは選挙「戦」にはならない。

そしてコイズミ氏は,私は国民に民意を確認した。私に一任したのだ。国民は!と話がすり替わっていく。
国民は郵政民営化の中身さえ知らされないままに,自分の思いを成し遂げる男らしさ,行動力,有言実行!などと錯覚し投票していった。国民も馬鹿ではない。そんなこと選挙で言ってなかったでしょ。と思う瞬間が必ず出てくる。
「私は改革を止めるなと,皆さんに訴えた。それが郵政民営化であり,増税だ。」と続けるのだ。これがきっとマスコミ漫談の放送作家の脚本である。
しかしコイズミ氏の政治的手腕とは,沖縄宜野湾市の基地の問題に露見される。アメリカのラムズフェルト長官が日本に来ない理由は,「あちらにも理由があるのでしょう。」としらばっくれて,マスコミもアメリカの国防長官が日本をスルーして中国・韓国を訪問とは伝わない。
普天間基地移設に名護市長と沖縄県知事と防衛庁で全く異なる見解で,それを政府案として提示できない日本政府にアメリカ政府高官がわざわざ来る必要がないし首相と会談する理由もない・・・コイズミ氏の政治力がないことが問題だが相手のせいにしてしまう。
自分のやりたいことにはどんな手段も用いるが,自信のないことは人の言うことを聞かない分,お手上げであのぶどうは酸っぱいからね・・・これが,1国の総理である。
普天間の問題ではないし,名護市が決めたことでもない,県知事が言ったからではない。日米外交の根本であり,外交の原則を決めることである。
靖国参拝も同様な論理だ。自分は適切に対応すると言った,国民の審判を仰いだ というに決まっている。

きっと天下のTBSの報道やフジテレビのニュースやワイドショーでは,四角だか三角だかが映像として映し出されるだけで,この国の実態を即したデータを映していなかった。今もそうだ。現名護市長が立候補しないと全国版のニュースに一応載っている。しかしそれに対する政府のコメントを記者会見で質問もしていないのでは・・・

さて情報格差である。インターネットは自分で検索し,情報を入手する。あとはリンクを頼っていく。
テレビ,新聞のように流れて消えていく情報でなく,文章をコピーし,URLをBook markしあとで見返すことが出来る。
分・時間単位で情報が更新される。また情報も英語を中心に世界からリアルタイムで入ってくる。世界の各地にいる日本人の情報も入ってくる。
テレビは・・・確かに情報が新聞よりは早い。ニュースではその日のうちに放送される。でも・・・中身がない。

そこでblogである。一番うれしく思ったのは,頭が良くて,批判力があり,世間のことを考えている人達がいると知ったことだ。自分の意見を主張すること,信念を貫くこと・・・かつての日本では「ブキヨーな男ですが・・・」みたいな科白が国民に受け入れられていた。歯の浮くような言葉,意味のない言葉は言えないが,でも伝えたいことを伝える信念をもった人達が映画の主役だった。

もちろん,情報はピンキリだ。自分に情報を取捨選択する能力を必要とされる。(文部省は総合的な学習で生きる力を養成すると言っている。絶対ホンキではないのだろうと思うが。)
知識ではなく,問題意識を持ち続けることがホントの勉強の仕方であり,生きていく力だ。

そんなことを考えている。
このblogもカテゴリーに「政治」を追加しようかという勢いだ(笑)
ただカテゴリーを作らないのは,やはり感情的になり,政治のバックグラウンドがボクには乏しいから。
2チャンネル的な人を不快にする文章が続いてもいけない。

せっかくインターネットを利用するのなら,テレビ・週刊誌を批判し,正論を主張をする人々のblogを探そう。
知識があり,歴史的な見方が出来て,日本への想いをもつ人々のblogを読もう。

今ボクのお薦めは(おこがましくてごめんなさい)ご意見番 森田実氏のHPです。
ジャーナリズム社会評論で比較的アクが少なく,読む人を不快にせず,力を与えてくれます。

児童精神医学などの文章を期待しアクセスした方には,最近硬い文が続き申し訳ありません。

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6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
コイズミ氏に踊らされ、報道に踊らされ… (HANAE)
2005-10-19 01:25:41
こんばんは。

私、住民票の移動の関係で、この前の総選挙が初選挙でした。

まあ、たかが一票、されど一票ということで、投票には行きました。投票に行くに当たり、もっと立候補者が何をしようとしているのか知りたかったのですが、テレビのニュースはワイドショーと化しているし、新聞はその新聞社の色が出るので、たくさんの新聞社のを読まなくちゃいけないし、マンションのポストには立候補者のペーパーがひらりと一枚入っているだけ…私は一体何に基づいてこの一票を投じればいいのか本当に困りました。結局、N○Kの政見放送を見ただけでした。

特に最近のニュースのワイドショー化は気になりますね。。。
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初体験 (なかまた)
2005-10-19 07:20:44
若い人の投票率は結構これから大切になるはずです。自分たちの仕事がない,税金が上がる,会社がつぶれる・・・他人事ではないはずですから。
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情緒的反応 (azami)
2005-10-20 00:27:29
靖国参拝についての世論調査の結果が支持が不支持を上回ったと発表されましたけど、上回ったと言っても2.3%の差にすぎないですけどね、それでもこの結果は報道等によって情緒的反応だけで物事をとらえているひとが多いのかという気がします。靖国参拝は一般の神社参拝とは違うから反発を受けているのに、相変わらずその点をごまかしてますよね。政府もマスコミも日本的慣習だと言って。この調査、沖縄や広島、長崎だったら全然違ったでしょうね。沖縄や広島、長崎の人々の声に今こそ耳を傾けなければという気がしています。参拝支持が48.1%というのは私は多すぎると思います。
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統計は嘘をつくにはうってつけ (なかまた)
2005-10-20 00:43:58
azamiさんどうも。世論調査で支持が不支持を「上回った」とか%にしてそれほど違わないのに、表現は自由だ。

例えば地元の新聞の昔のニュース ある島で地方患者が150%増加!と報道。実際は4人が6人に増えただけだった。

沖縄県知事も前知事との選挙戦で Changeとか 8,9%(この数字ははっきり覚えてませんが)と書かれた看板がいつの間にかかなり張り巡らされていた。選挙のことは何も書いていない。しかしインパクトがある。

そして選挙戦、日本一の失業率8.9%と打ち出した。これまで沖縄ではなかった新しい選挙戦だった。(なんか自民党についている広告会社ブレインが考えたのだろうとしか思えない。今となっては)



数字はすべてだと思いがちだけど、その背景を読み取らないととんでもないことになる。
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踊らない自分と憂鬱な自分 (kame)
2005-11-02 12:27:25
総選挙でコイズミ圧勝した後、ず~と憂鬱な気分が続いています。圧倒的な政治不信と国民不信で「夢も希望も無い]状態でしたが、至極マトモなブログを見つける事ができて少しホッとした気分です。ブログと言えば「保守右翼」とか「人種差別主義者」のたまり場の様相を呈しているイメージがあり、最近ではチャンと記事を読まなく成っていました。相変わらずTVでは「小泉プロパガンダ」が行われている様で、憤慨しております。何が「小泉チルドレン」だ「小泉シスターズ」だ!!

とにかく「オレは踊らされないぞ」と言う信念だけは持ち

続けていたい!近い将来何が起きようとも。
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kameさん どうも (なかまた)
2005-11-02 12:37:11
そうですね。TVよりも雑誌よりもblogですね。正論が述べられているのは。

最近、郵貯マネーが民営化のあとどう流れるか、コメントが増えてきました。なんで選挙前に・・・と思いますが。
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