ファミリー メンタル クリニック

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TPPと精神医学的診断

2015年10月29日 | 精神保健・医療行政
とにかくTPPは色々 ビックリするような事が。
その中でも著作権は ミッキーマウス法と呼ばれるように 保護期間の長さが問題.
また親告罪でないという点も。

で、DSMというアメリカ精神医学会が監修しているアメリカの精神科診断学(診断と統計のためのマニュアル)がある。
これがビックリすることに著作権の問題があり、書籍や雑誌などで、この診断基準の中身を自由にコピーして使うことが禁止されているらしい.(そりゃそうだろうが)
なので、これを正式にアメリカ精神医学協会から許可を得て掲載しようとすると、かなりの金額を請求されるようだ。
(コピーライトの商業利用と見るのだろうか?それなら学術的に利用するのはフリーにすべきだと思うが,そうじゃないようだ。)
著作権の考え方は分かるが、これって診断を著作権と見て,商業利用しているように見える。
この正式なマニュアル本を買わないとダメ! だもんね~ という事らしい。
診断に著作権が、日本人ノーベル医学生理学賞の教授から何て言われるだろうね?

ま、もともとDSMについては懐疑的な俺は困ることはないけど。

一般的な書式ではDSMでなくICDのコードを使用する。DSMが利用できなくても何ら支障はない。
ただ 自閉症関連の診断名がチョコチョコ変更になり、説明をしている。
DSM IVで広汎性発達障害 アスペルガー障害 → 自閉症スペクトラム  自閉スペクトラム障害 自閉スペクトラム症 色々と名称が混乱している時期であると解説が必要.
学生は現場を知らない初心者なので.
(そもそも広汎性発達障害 という名称に違和感を覚えていたけどね)


また◎◎障害が◎◎症に替わったことは大きい。
学生の講義でもdisorder の訳出については、この何年解説していた.
ただ 学習症 という名称もイマイチだけど。障害と言う言葉が消える分マシかな。

なんて TPPで精神医学的診断学を学習することに影響が出るとは思わなかった.
アメリカ精神医学会 大丈夫か?

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