屁糞葛

2007年08月20日 | ミニ知識
 ヘクソカズラが森林管理科の苗畑横、放牧場フェンスに
絡みついていました。



 周囲が白く中が赤い可憐な花を咲かせますが、葉、茎、果実を手で
もむと強い悪臭を放ちます。

    

 ヘクソカズラは漢字で表すと「屁糞葛」となります。
 悪臭は、「おなら」のような臭いがします。

 別名として、ヤイトバナ(灸花、お灸)とか、田植えの頃に咲き始
めるくことからサオトメバナ(早乙女花)というな名前もあります。

 それにしても「屁糞葛」と「早乙女花」落差の大きい名前がつけら
れたものです。

    

 学名でも、「屁糞葛」と同じように「悪臭」が属名につけられています。


 対生で、葉柄の基部には三角形の小さな葉状のものがあります。
 葉間托葉と呼ばれています。
  (写真の真ん中、対生と葉間托葉分かりますでしょうか。)

 ヘクソカズラは、万葉集に一首だけ「クソカズラ」の名前で詠まれています。
 結構有名なようで、いろいろな場面で取り上げられています。

   カワラフジ はいおぼとれる 糞葛
   絶えることなき 宮仕えせむ


 昔は、ヘクソカズラのことは、クソカズラ(糞葛)と呼ばれていた
ようですが、いつの頃からか、さらに悪臭を強調した屁糞葛(ヘクソ
カズラ)となったようです。

 ヘクソカズラが絡みついているカワラフジは、古名であり現在は何
という植物であるかよく分かっていませんが、サイカチ説とジャケツ
イバラ説があります。

 カワラフジに絡みついている糞葛のように末永く宮仕え(公務員の
ようなものでしょうか)をしようといった意味のようです。

 ヘクソカズラは、実ができ冬には枯れたように見えるが、次の年に
また緑を復活する。勤め人の浮き沈みを表しているとも思えませんか。
ヘクソカズラは、どこにでもある植物すなわち平凡な勤め人を表して
いる様に思えませんか。

 カワラフジには、サイカチ説とジャケツイバラ説がありますがどち
らも棘があります。平凡な勤め人が、職場でチクチクとされながら浮
き沈みを繰り返し、家族のために定年まで我慢・我慢で勤め上げる構
図が目に浮かぶ様な気がします。考えすぎでしょうか。



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