「森林作業道」は、間伐をはじめとする森林整備、木材の集材・搬出のために継続的に用いられる道で、地形に沿うことで作設費用を抑えて経済性を確保しつつ、繰り返しの使用に耐えるよう丈夫で簡易な道としています。
作設にあたっては、施業やルートの計画から作業道の開設、そして最適搬出システム等の各工程に携わる担当者が連携して進めることがとても重要です。
このため、2月28日、今年度二回目となる「森林作業道現地検討会」を出雲市多伎町において開催しました。
参加者は森林組合・林業事業体の、「施業プランナー」、「作業道作設オペレーター」、「高性能林業機オペレーター」を主体に、島根森林管理署、森林総研、農林大学校、林業普及員など、40人でした。
講師には、研修現地の提供でお世話になった出雲市森林組合の今岡氏、森林作業道作設オペレーターの島根県の第一人者で、指導林家の村上氏、林業機械作業システムでは各種研修会の講師としてお世話になっている中国林機有限会社の住田氏をお招きしました。
林業課藤田林業普及専門幹によるオリエンテーション
実際に開設された森林作業道を使っての現地検討の様子
法面崩壊の原因など村上講師による解説
路面のクラックの原因検討
ホワイトボードでよりわかりやすく解説
(村上氏のコメント例)
・ルート選定にあたっては土砂が動いた箇所は避け、傾斜変換点の少し上側をめがける。
・固い岩盤の上に土砂が乗っている場合は滑り台のように滑りやすいので気をつける。
・切土法面の崩壊を防ぐには丸太組が効果的。
・急勾配な箇所はフルカットがよい。
・盛土する際には基礎部分の段切り・段盛りを適切に行うとともに、安定した法勾配を確保する。
・法尻を大切にする。
・残存木の間もしっかり固める。
・根株は土を振るい落としたものは使用しない。
・現場が終わっても、いつでも使えるように管理が大切。
・今後はヘアピンカーブの作り方をもっと学んでほしい。
等々コメントはつきません。奥が深いです。
現地検討の後も、各事業体からの労働生産性向上に向けた情報交換や、グループ討議を実施し、より見識を深めました。