2018/3/16(金) 午後 3:03
国の重要機関である財務省などの官僚の中に帰化人がいることや国会議員に帰化人が多数いることはもはや常態であるといっていいのが今日の日本です。また20年前の日本では今よりも「政治と金の問題」や政官財癒着がしばしばみられ、「利益供与型犯罪」もありました。その例として「新井将敬事件」をみてみましょう。
新井将敬という人物をご記憶されている方もおられるでしょうが、亡くなってほぼ20年になるようです。どんな人物かというと、1948年に大阪市で生まれ、大阪北野高校、東大経済学部を卒業し、新日本製鐵に勤務。73年に大蔵省入省、キャリア官僚として酒田税務署長、銀行局課長補佐を務め、80年に渡辺美智雄が大蔵大臣就任時に秘書官に抜擢、銀行界からの反対を押し切り証券界から渇望されていた小口預金的商品の「中期国債ファンド」を導入した。このときの証券界の幹事が日興証券(現SMBC日興証券)であり、これを契機に新井将敬と証券業界との癒着から後 述の事件へとつながっていきました。
83年自民党の中曽根派新人候補として旧東京2区から衆議院議員選挙に初出馬するも落選。このとき対立候補であった石原慎太郎から新井の出自を「元北朝鮮人」とするネガティブキャンペーンをされ、石原を告訴(後に告訴取り下げ)。彼の出自は朝鮮籍から(厳密には彼の誕生日は北朝鮮建国の48年9月9日より以前の48年1月12日なので元の国籍は北朝鮮籍ではない)16歳のときに帰化。帰化前の名前は朴景在(パク・キョンジェ)という名前だったそうだ。石原慎太郎は本当にエグい人物だと思うが、彼に言わせれば、「選挙民は立候補した人のパーソナルヒストリーを知る権利がある」ということで、確かにその通りだと思う。帰化人の国会議員は、やましいことがないなら、出馬する際に、当然、学歴職歴以上に重要な国籍の移動というパーソナルヒストリーを自ら予め明記すべきだといえる。蓮舫のような確信的三重国籍人は帰化人ですらない。
新井将敬は確かに帰化人ではあったが日本人として生きていく選択をした人物だった。86年に衆議院議員に初当選し、以後連続4回当選する。92年に佐川急便事件が発覚すると、疑惑が取りざたされた金丸信自民党副総裁(当時)を激しく非難し金丸信と竹下登に対して議員辞職を要求。政治改革・小選挙区制導入の是非が政局の焦点になると、改革派の若手論客としてテレビに出演し、脚光を浴びるようになる。小選挙区制導入反対の急先鋒だった小泉純一郎や石原慎太郎をも「守旧派」と断じ批判。
93年には自民党を離党し柿沢弘治、高市早苗らと自由党結成。その後、院内会派・自由改革連合を結成。94年新進党結党に参加、その後小沢一郎の党運営への反発から離党。初の小選挙区制で行われた衆議院議員選挙では無所属で出馬し当選。選挙後、同じく新進党を離党し無所属で再選した船田元、石破茂(新井と同じく86年衆院選当選同期)らと新会派「21世紀」を経て自民党に復党。
その後、一連の証券スキャンダルでの借名口座による株取引が問題化。更に日興証券(現SMBC日興証券)に利益要求していたという疑惑が浮上。保坂展人によれば、新井は自身の逮捕許諾請求をめぐる議院運営委員会において当時の法務大臣稲葉耕吉に抗議したとされている。98年2月19日、衆議院議院運営委員会で逮捕許諾決議が可決されて本会議で逮捕許諾決議が採決される直前に東京都港区のホテル内で首を吊った遺体として発見された。
新聞報道や警察は自殺と判断したが、動機や他殺を疑うなど諸説あり、いまだ明らかになっていない。夫人宛と亀井静香宛ての遺書が残されていたとの説もあるそうだ。先日亡くなった西部邁氏が自著の「新井将敬を検察に売った日興証券と自民党」で、彼の死について語っている。
江田五月氏が彼の死を語っている文章の中で指摘していることは、彼の二重性についてである。かなり手厳しく、率直に書いている。以下引用文より抜粋。
「新井さんは、若手の論客として知られた代議士で、私もテレビなどで席を同じくしたことも多く、好感をもっていました。」「衆議院がその日の会議で、(彼の)逮捕許諾の議決をする直前(の自殺)でした。」「彼の日ごろの言動とその実態とのくいちがいが衆目にさらされることとなり、本人の性格からも、居直って知らぬ顔といかず自ら命を絶つ道を選んだのでしょう。厚顔無恥な政治家が多い中で(例えばリクルート事件の中曽根康弘などがまさにこれ)自らの美学に殉じた形ですが、自殺を美化してはいけません。」
「今回の容疑は新進党時代のことですが、自民党時代にも株で2億円を超える利益を上げていたことが判っており、政党間の罵り合いは目くそ鼻くそです」「大蔵省出身の代議士で証券会社と特別な関係があったから、無担保で1億円借りられたり、1年半で4100万円利益を上げられたのでしょう。それを当然のことと思い、自分の立場の重さを自覚せず利益供与の要求はしていないと胸を張るのでは、やはり国民の感覚とはかけ離れており、国民が主人公とする政治をする人とはいえません」「逮捕状請求は証拠隠滅を図っていたので、(不当なものではなく、手続き上)問題ないと思います。」「テレビで彼の母親が、みんなやっているのに、なぜうちの子だけが・・・と絶叫していましたが正直な反応でしょう」(以下略)というような感想を述べている。(引用元あり文末参照)
もちろん、こうした犯罪は新井将敬本人の出自とは直接関係ないかもしれませんし、帰化した国会議員全てが汚職に絡んでしまうということではもちろんない。しかし、隣国の韓国は「大統領経験者やその親族=贈収賄事件の犯罪者として退任後に逮捕される」、という図式が顕著であることは事実。また、中国の政界の腐敗ぶりも凄まじいからこそ、習近平の「汚職追放キャンペーン」が繰り広げられているわけだ。
今日の日本では、こうした過去の事件の教訓を踏まえ「政治と金の問題」は少なくともこれらの国々よりはクリーンだといえるのではないだろうか。しかし、官僚組織もすこしずつ変質していることも事実で、日本国籍の外国人がどんどん入りこんでいる可能性も高い。個人情報保護法で、昨今は公人の帰化歴を官報で確認することがが出来なくなっているようだ。
引用:https://www.eda-jp.com/satsuki/arai.html
国の重要機関である財務省などの官僚の中に帰化人がいることや国会議員に帰化人が多数いることはもはや常態であるといっていいのが今日の日本です。また20年前の日本では今よりも「政治と金の問題」や政官財癒着がしばしばみられ、「利益供与型犯罪」もありました。その例として「新井将敬事件」をみてみましょう。
新井将敬という人物をご記憶されている方もおられるでしょうが、亡くなってほぼ20年になるようです。どんな人物かというと、1948年に大阪市で生まれ、大阪北野高校、東大経済学部を卒業し、新日本製鐵に勤務。73年に大蔵省入省、キャリア官僚として酒田税務署長、銀行局課長補佐を務め、80年に渡辺美智雄が大蔵大臣就任時に秘書官に抜擢、銀行界からの反対を押し切り証券界から渇望されていた小口預金的商品の「中期国債ファンド」を導入した。このときの証券界の幹事が日興証券(現SMBC日興証券)であり、これを契機に新井将敬と証券業界との癒着から後 述の事件へとつながっていきました。
83年自民党の中曽根派新人候補として旧東京2区から衆議院議員選挙に初出馬するも落選。このとき対立候補であった石原慎太郎から新井の出自を「元北朝鮮人」とするネガティブキャンペーンをされ、石原を告訴(後に告訴取り下げ)。彼の出自は朝鮮籍から(厳密には彼の誕生日は北朝鮮建国の48年9月9日より以前の48年1月12日なので元の国籍は北朝鮮籍ではない)16歳のときに帰化。帰化前の名前は朴景在(パク・キョンジェ)という名前だったそうだ。石原慎太郎は本当にエグい人物だと思うが、彼に言わせれば、「選挙民は立候補した人のパーソナルヒストリーを知る権利がある」ということで、確かにその通りだと思う。帰化人の国会議員は、やましいことがないなら、出馬する際に、当然、学歴職歴以上に重要な国籍の移動というパーソナルヒストリーを自ら予め明記すべきだといえる。蓮舫のような確信的三重国籍人は帰化人ですらない。
新井将敬は確かに帰化人ではあったが日本人として生きていく選択をした人物だった。86年に衆議院議員に初当選し、以後連続4回当選する。92年に佐川急便事件が発覚すると、疑惑が取りざたされた金丸信自民党副総裁(当時)を激しく非難し金丸信と竹下登に対して議員辞職を要求。政治改革・小選挙区制導入の是非が政局の焦点になると、改革派の若手論客としてテレビに出演し、脚光を浴びるようになる。小選挙区制導入反対の急先鋒だった小泉純一郎や石原慎太郎をも「守旧派」と断じ批判。
93年には自民党を離党し柿沢弘治、高市早苗らと自由党結成。その後、院内会派・自由改革連合を結成。94年新進党結党に参加、その後小沢一郎の党運営への反発から離党。初の小選挙区制で行われた衆議院議員選挙では無所属で出馬し当選。選挙後、同じく新進党を離党し無所属で再選した船田元、石破茂(新井と同じく86年衆院選当選同期)らと新会派「21世紀」を経て自民党に復党。
その後、一連の証券スキャンダルでの借名口座による株取引が問題化。更に日興証券(現SMBC日興証券)に利益要求していたという疑惑が浮上。保坂展人によれば、新井は自身の逮捕許諾請求をめぐる議院運営委員会において当時の法務大臣稲葉耕吉に抗議したとされている。98年2月19日、衆議院議院運営委員会で逮捕許諾決議が可決されて本会議で逮捕許諾決議が採決される直前に東京都港区のホテル内で首を吊った遺体として発見された。
新聞報道や警察は自殺と判断したが、動機や他殺を疑うなど諸説あり、いまだ明らかになっていない。夫人宛と亀井静香宛ての遺書が残されていたとの説もあるそうだ。先日亡くなった西部邁氏が自著の「新井将敬を検察に売った日興証券と自民党」で、彼の死について語っている。
江田五月氏が彼の死を語っている文章の中で指摘していることは、彼の二重性についてである。かなり手厳しく、率直に書いている。以下引用文より抜粋。
「新井さんは、若手の論客として知られた代議士で、私もテレビなどで席を同じくしたことも多く、好感をもっていました。」「衆議院がその日の会議で、(彼の)逮捕許諾の議決をする直前(の自殺)でした。」「彼の日ごろの言動とその実態とのくいちがいが衆目にさらされることとなり、本人の性格からも、居直って知らぬ顔といかず自ら命を絶つ道を選んだのでしょう。厚顔無恥な政治家が多い中で(例えばリクルート事件の中曽根康弘などがまさにこれ)自らの美学に殉じた形ですが、自殺を美化してはいけません。」
「今回の容疑は新進党時代のことですが、自民党時代にも株で2億円を超える利益を上げていたことが判っており、政党間の罵り合いは目くそ鼻くそです」「大蔵省出身の代議士で証券会社と特別な関係があったから、無担保で1億円借りられたり、1年半で4100万円利益を上げられたのでしょう。それを当然のことと思い、自分の立場の重さを自覚せず利益供与の要求はしていないと胸を張るのでは、やはり国民の感覚とはかけ離れており、国民が主人公とする政治をする人とはいえません」「逮捕状請求は証拠隠滅を図っていたので、(不当なものではなく、手続き上)問題ないと思います。」「テレビで彼の母親が、みんなやっているのに、なぜうちの子だけが・・・と絶叫していましたが正直な反応でしょう」(以下略)というような感想を述べている。(引用元あり文末参照)
もちろん、こうした犯罪は新井将敬本人の出自とは直接関係ないかもしれませんし、帰化した国会議員全てが汚職に絡んでしまうということではもちろんない。しかし、隣国の韓国は「大統領経験者やその親族=贈収賄事件の犯罪者として退任後に逮捕される」、という図式が顕著であることは事実。また、中国の政界の腐敗ぶりも凄まじいからこそ、習近平の「汚職追放キャンペーン」が繰り広げられているわけだ。
今日の日本では、こうした過去の事件の教訓を踏まえ「政治と金の問題」は少なくともこれらの国々よりはクリーンだといえるのではないだろうか。しかし、官僚組織もすこしずつ変質していることも事実で、日本国籍の外国人がどんどん入りこんでいる可能性も高い。個人情報保護法で、昨今は公人の帰化歴を官報で確認することがが出来なくなっているようだ。
引用:https://www.eda-jp.com/satsuki/arai.html
コメント
やはりkamakuraboyさんがおっしゃるとおり、選挙では国籍の移動を学歴と同じようにきっちり示すべきでしょうね。
そうすれば最近問題になっている二重国籍や学歴詐称のようなことにはならないわけです。
二重国籍や学歴詐称の人が選挙に出るのもおかしいです。
日本は他国籍を認めていないので二重国籍は違法状態ですし、学歴詐称は嘘つきですから、議員の資質がありません。被選挙権以前の問題です。すぐに自ら辞めるかやめさせるべきでしょう。
新井将敬は他の議員の「政治と金」問題を追及しながら、自ら汚い金におぼれては言い訳できないですね。
不当に金を手にすることに自分をコントロールできない人は議員の資質に欠けます。
議員になるためだけに党派をころころ変える人もポリシーがなく信用がおけないです。
ついでに秘書に日本国籍でない人を雇いその給料を税金でまかなう感覚も、議員としてどうなのかな。
こういう人たちには、日本人ならば当然だと考える議員の公明正大さの感覚が欠如しているようです。
2018/10/1(月) 午後 11:59 泉城
> 石田泉城さん
コメントをありがとうございます。「日本人ならば当然だと考える議員の公明正大さの感覚が欠如」というのはまさにこの人物の「二重性」に典型的な印象を受けます。旧民主党の国会議員達の「二重性」にも相通じますね。自分のことは棚に上げるというタイプですね。
また、国民にとって、国会議員の出自は立法府に送り込んでいい人物なのかどうか、判断するための重要な要素なので国籍の移動については明示を義務付けてほしいですね。
「秘書に日本国籍でない人を雇いその給料を税金でまかなう感覚」は国会議員の立場上、非常に問題だと思います。政府の非公開の機密事項が他国へ漏洩する可能性が起きますしね
2018/10/2(火) 午前 0:16 kamakuraboy
政策担当秘書は、日本国籍でないと資格試験が受験できないとのことです。
他の秘書は国籍の要件はありません。
私設秘書であれば、ほとんど制約がありません。
そして、秘書は、政治家への登竜門ですね。新井将敬はまさに大物政治家の秘書です。
私の知っている国会議員の若い秘書は、秘書2年足らずで市議会議員になりました。
自民党の大物の国会議員の秘書は、当時の民進党の県議会議員になりました。何ともポリシーがないのですが自民党の席が埋まっていたようです。
一方で、一般の人は普通の生活を望む人が多く、あえて議員になりたい人は少ない気もします。過疎地域ではなり手そのものが不在です。
私の知人も頼まれて候補になり、組織の力でほぼ競争もなく議員になりました。
となると、資質よりも、組織の力を借りた目立ちたがり屋が政治家になっていく傾向が増すのではないかと思います。それが現在の議員の一部を構成しているのではないでしょうか。
2018/10/3(水) 午前 1:16 泉城
> 石田泉城さん
こんばんは。「資質よりも、組織の力を借りた目立ちたがり屋が政治家になっていく傾向が増す」は私も同感です。どうみても話の中身が空虚で何のポリシーも見えてこない人物が多すぎますね。近未来に不要となる職業の中に「参議院議員」という意見もあるようですね。増やす方向のようですが無駄のようにしか思えません。
2018/10/3(水) 午前 1:28 kamakuraboy