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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

去っていない北朝鮮危機

2019-03-14 23:29:33 | 韓国・北朝鮮
トランプ大統領がご自身の外交成果と胸をはるように「北朝鮮危機」が先月12日の米朝首脳会談によって去ったという見方は当然ながらまだ早計である。


先月中国と韓国を訪問したあと日本を訪れた米国マティス国防長官は、29日の小野寺防衛大臣との会談の中で「8月の米韓合同軍事演習の中止は朝鮮半島問題の平和解決に向けて、外交交渉を促進する環境を作り出すための措置」と述べた一方で、「北朝鮮の核・ミサイル開発計画の完全かつ検証可能で不可逆的放棄(CVID)のために米国軍は同盟と緊密に連携しながら国連安保理の制裁決議を引き続き支持していく」と述べ北朝鮮に対する(武力行使を含めた)圧力を維持する考えを示したようだ。

実はこれまで米軍が韓国軍と共同で1974年から策定し、その後の北朝鮮の変化などに合わせて随時、変更を加えてきた米韓軍の軍事作戦「作戦計画5027」によると、第2次朝鮮戦争が勃発すれば、米軍5万2000人、韓国軍49万人、民間人を加えれば死傷者数は100万人にも上ると米国防総省は試算。

第2次朝鮮戦争が起こった場合に、日本も「対岸の火事」と眺めてばかりいられない状況が予想され、その想定によれば戦争勃発わずか1週間で朝鮮半島から韓国人25万人、北朝鮮人5万人の計30万人の難民が日本に押し寄せ、最終的には戦闘終結までに最悪の場合、260万人超の難民が日本に上陸するというのだ。(この数字はいくら何でも大げさという気もするのだが)


米国の専門家の共通した見方では、第2次朝鮮戦争が起きるなどして金体制と北朝鮮が崩壊すれば、米国と中国の緊張は高まり(38度線の消滅で在韓米軍のいる韓国と中国が国境を接することになり)伝統的な火種は一気に大きくなるという予想があったそうだ。専門家の間で一致しているのは、いずれにせよ、中国と韓国に大量の難民が流入するというシナリオだったようだ。


1989年に九州沿岸に漂着したベトナムからのボートピープルは1000人近い。これに中国からの偽装難民を加えると、1年間に3500人もの難民が九州に上陸し、日本政府は彼らの取り扱いに右往左往したそうだ。


第2次朝鮮戦争が発生した場合、日本に押し寄せてくる北朝鮮や韓国からの難民の数は30万人から最大260万人と推定され、このなかに北朝鮮の工作員が紛れ込んでいる可能性も否定できす、例えば北朝鮮の特殊部隊のグループが紛れていれば、難民収容所を抜け出して都市部に侵入し、他の特殊部隊の一団と合流して原子力発電所などをテロ攻撃されれば、東日本大震災による東京電力福島原発事故の比ではないなどの意見も。


北朝鮮からのミサイル攻撃に対しては防衛省は2005年から順次、地上配備型の地対空誘導弾「PAC3」部隊を配備し、16年までに全国6つの高射群すべてへのPAC-3の配備が完了しているそうではあるが、実験ではともかく、実際に使われたことがなく、たとえば核兵器を搭載したミサイルを迎撃できない場合などは最悪の事態が想定されている。


PAC-2の場合、イラク戦争での迎撃率はわずか9%にすぎないことがわかっており、しかも、ミサイル迎撃できずに目標を外したPAC-2が空中で爆破し、その破片が市街地に落下して民家の屋根を突き破り、人的、物的被害を拡大するというケースも出ており、仮に北朝鮮によるミサイル攻撃が実施されれば、日本の被害はやはり不可避のようなのだ。(北朝鮮は、ミサイル発射台は「好きなだけ製造できる」と過去に発表)

実は米朝首脳会談のあと、北朝鮮を分析してきた米国当局者はトランプ大統領の主張とは裏腹に、「北朝鮮が核兵器や弾道ミサイルの保有量を減らしたり、製造を停止した証拠は全くない」とした上で「北朝鮮が米国をだまそうとしているのは明白だ」と強調。米国はここ数年、北朝鮮に対する情報活動を強化し、寧辺の核施設の他にウラン濃縮施設が少なくとも1つ存在することを把握したとされるが、北朝鮮が存在を公表していない。


北朝鮮が、米国の堪忍袋の緒が切れぬうちに核やミサイルの廃棄を実施しなければ、依然として「北朝鮮危機が去った」とは言えないのである。




引用:

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180629/k10011500691000.html

http://biz-journal.jp/2017/04/post_18738_2.html

https://jp.sputniknews.com/asia/201711304329254/

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