縄文人とは、約１万6000年前から約3000年前まで続いた縄文時代に、現在の北海道から沖縄本島にかけて住んでいた人たちを指します。平均身長は男性が160センチ弱、女性は150センチに満たない人が多く、現代の日本人と比べると背は低いが、がっしりとしており、彫りの深い顔立ちが特徴。世界最古級の土器を作り、約5000年前の縄文中期には華麗な装飾をもつ火焔土器を創り出すなど、類を見ない独自の文化を築いたことで世界的にも注目されています。
小中学生の頃に社会の教科書にのっている縄文土器と弥生土器の写真を誰でも目にしたことがあると思いますが、そのあまりの違いに疑問を感じたことがありませんでしたか。縄文土器の方が年代が古いのに、とても高度な美術的な装飾が施されているのに対し、弥生土器は実用的にしてもあっさりとシンプル過ぎることが。
現在、縄文人は考えられていたより高度な文明を持った集団であることが判ってきたそうです。そしてこれまでは身体的な特徴などから東南アジアに起源をもつ人々ではないかと考えれれてきました。その由来を探るためこれまで縄文人のミトコンドリアＤＮＡ解析は行われていたものの、核ゲノムＤＮＡ解析は技術的に難しかったことから試みられていませんでした。2016年に、静岡県の国立遺伝学研究所の斎藤成也教授のグループが核ゲノムＤＮＡの一部を解読して縄文人と現代日本人（本土ヤマト人）との関係について研究結果を発表されています。
その研究とは福島県・三貫地 さんがんじ貝塚から出土した100体を超える人骨の内、男女２体の頭骨（東大総合研究博物館所蔵）から奥歯（大臼歯 きゅうし）１本ずつを取り出して提供された検体から縄文人の核ゲノムDNAの塩基32億個のうちの１億5000万個の解読に成功し、東京周辺の本土人（ヤマト人）と比較解析したもので、その結果判ったことは、本土日本人（ヤマト人）には縄文人から１２％の遺伝情報が受け継がれているというものです。またこれまで（ミトコンドリアＤＮＡなどの研究から）縄文人のＤＮＡが、アイヌ、沖縄人、本土日本人（ヤマト人）の順に多く受け継がれていると推定されており、アイヌと沖縄の人たちの遺伝情報の割合についてはまだヤマト人ほど詳しく調べていないとした上で「アイヌは縄文人のＤＮＡの50％以上を、沖縄の人たちはそれより低い20％前後ではないか」と推測しておられるようです。
日本人の成り立ちに関する有力な仮説として、東大教授や国際日本文化研究センター教授を歴任した自然人類学者・埴原和郎（1927～2004）が1980年代に提唱した「二重構造モデル」があります。弥生時代に大陸からやってきた渡来人が日本列島に移住し、縄文人と混血したが、列島の両端に住むアイヌ人と沖縄人達は渡来人との混血が少なかったために縄文人の遺伝的要素を強く残した、という学説です。斎藤教授は「今回のDNA解析で、この『二重構造モデル』がほぼ裏付けられたと言っていい」と述べておられます。
更に斎藤教授が述べておられるのことは「東ユーラシア（東アジアと東南アジア）のさまざまな人類集団のＤＮＡと比較して、中国・北京周辺の中国人や中国南部の先住民・ダイ族、ベトナム人などがお互い遺伝的に近い関係にあったのに対し、三貫地貝塚の縄文人はこれらの集団から大きくかけ離れている」こと、すなわち「縄文人は東南アジアの人たちに近いと思われていたが、核ＤＮＡの解析結果が意味するのは、縄文人が東ユーラシアの人びとの中で、遺伝的に大きく異なる集団だということが判明した」と述べておられるのです。つまり、縄文人の遺伝情報を受け継いでいる日本人は東ユーラシア（東アジアと東南アジア）の他の人々とは異なった特異なルーツをもつということなのです。そのルーツはこれから更なる研究解析によって徐々に判ってくると思われます。
小中学生の頃に社会の教科書にのっている縄文土器と弥生土器の写真を誰でも目にしたことがあると思いますが、そのあまりの違いに疑問を感じたことがありませんでしたか。縄文土器の方が年代が古いのに、とても高度な美術的な装飾が施されているのに対し、弥生土器は実用的にしてもあっさりとシンプル過ぎることが。
現在、縄文人は考えられていたより高度な文明を持った集団であることが判ってきたそうです。そしてこれまでは身体的な特徴などから東南アジアに起源をもつ人々ではないかと考えれれてきました。その由来を探るためこれまで縄文人のミトコンドリアＤＮＡ解析は行われていたものの、核ゲノムＤＮＡ解析は技術的に難しかったことから試みられていませんでした。2016年に、静岡県の国立遺伝学研究所の斎藤成也教授のグループが核ゲノムＤＮＡの一部を解読して縄文人と現代日本人（本土ヤマト人）との関係について研究結果を発表されています。
その研究とは福島県・三貫地 さんがんじ貝塚から出土した100体を超える人骨の内、男女２体の頭骨（東大総合研究博物館所蔵）から奥歯（大臼歯 きゅうし）１本ずつを取り出して提供された検体から縄文人の核ゲノムDNAの塩基32億個のうちの１億5000万個の解読に成功し、東京周辺の本土人（ヤマト人）と比較解析したもので、その結果判ったことは、本土日本人（ヤマト人）には縄文人から１２％の遺伝情報が受け継がれているというものです。またこれまで（ミトコンドリアＤＮＡなどの研究から）縄文人のＤＮＡが、アイヌ、沖縄人、本土日本人（ヤマト人）の順に多く受け継がれていると推定されており、アイヌと沖縄の人たちの遺伝情報の割合についてはまだヤマト人ほど詳しく調べていないとした上で「アイヌは縄文人のＤＮＡの50％以上を、沖縄の人たちはそれより低い20％前後ではないか」と推測しておられるようです。
日本人の成り立ちに関する有力な仮説として、東大教授や国際日本文化研究センター教授を歴任した自然人類学者・埴原和郎（1927～2004）が1980年代に提唱した「二重構造モデル」があります。弥生時代に大陸からやってきた渡来人が日本列島に移住し、縄文人と混血したが、列島の両端に住むアイヌ人と沖縄人達は渡来人との混血が少なかったために縄文人の遺伝的要素を強く残した、という学説です。斎藤教授は「今回のDNA解析で、この『二重構造モデル』がほぼ裏付けられたと言っていい」と述べておられます。
更に斎藤教授が述べておられるのことは「東ユーラシア（東アジアと東南アジア）のさまざまな人類集団のＤＮＡと比較して、中国・北京周辺の中国人や中国南部の先住民・ダイ族、ベトナム人などがお互い遺伝的に近い関係にあったのに対し、三貫地貝塚の縄文人はこれらの集団から大きくかけ離れている」こと、すなわち「縄文人は東南アジアの人たちに近いと思われていたが、核ＤＮＡの解析結果が意味するのは、縄文人が東ユーラシアの人びとの中で、遺伝的に大きく異なる集団だということが判明した」と述べておられるのです。つまり、縄文人の遺伝情報を受け継いでいる日本人は東ユーラシア（東アジアと東南アジア）の他の人々とは異なった特異なルーツをもつということなのです。そのルーツはこれから更なる研究解析によって徐々に判ってくると思われます。
コメント
縄文人は誰もが東南アジアの人種に近いと思っていたのが、実は遺伝的に大きく異なるという核ＤＮＡの解析結果は面白いです。
現代の常識を疑わずに物事を捉えると、見誤ることがありますよと警告しているようです。古代史の通説にも当てはまることだと思います。
2019/1/10(木) 午後 10:44 泉城
> 泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。大和民族には他のアジアの国々に見られない特異的なルーツがあるということが核ＤＮＡ解析という科学のツールで判ったということですね。仰るように、通説は必ずしも正しいとは限らず、特に古代史に関しては様々な分野の専門家がこれまでの「常識」とは異なる見解を指摘するに至っていますね。
2019/1/10(木) 午後 11:09 kamakuraboy
2018年1月22日ヤフーブログに投稿した記事より
