2018/6/12(火) 午後 7:42
シンガポール米朝会談
米朝首脳会談の合意内容(両首脳が合意文書にサイン)は以下の4つ。「合意は包括的なもので、プロセスは迅速にきめる」ということです。
合意文1:米朝の両国民が平和と繁栄を望んでいることに従い、 新しい米朝関係を構築。
終戦宣言→米朝国交正常化へのプロセス作りということでしょうか。しかも、まだ非核化が実現していないものの、トランプ大統領は北朝鮮の「体制保証」を約束したそうです。
「体制の保証」は従来から北朝鮮の最優先の主張だったわけですが、このことはとりもなおさず、半島統一のために韓国が北朝鮮に吸収されるか、一国二体制での統一でしか半島統一がなされないということにもなります。
米国は朝鮮半島については、東西ドイツや南北ベトナムのように完全に1つの政府の下での統一は期待していないということになります。これがまさに、この地域の周辺国の思惑なのかもしれません。
合意文2:朝鮮半島に永続的で安定的な平和体制の構築の努力をする。
今回は終戦宣言に向けた方向性の合意がなされたということでしょうが、終戦と平和条約締結後の在韓米軍の縮小あるいは撤退を金委員長が今日の話し合いの中で要求したかどうか明らかではありません。
トランプ大統領には在韓米軍縮小の意志を大統領候補時代から表明しており、韓国の文大統領にしても、(廬武鉉大統領がそうであったように)北朝鮮との平和条約締結後には、在韓米軍の縮小に異論はないでしょう。今日はまだ何も具体的に決まったことはありませんが。この方向性で、具体的な中身の実行を加速していくもようです。
合意文3:北朝鮮が朝鮮半島を完全に非核化するため取り組むとした3月27日の「板門店宣言」を再確認。
しかし、核放棄に関してはCVIDの文言や、「ミサイル放棄」に関する文言はありませんでした。しかも、「朝鮮半島の非核化」は、在韓米軍の核も含んでいるわけです。
ミサイルに関しては何も文言が見当たりませんが、トランプ大統領は5時から行われた記者会見の中で、「北朝鮮の弾道ミサイル実験用発射場は既に撤去されており、ミサイル実験も現在は行われていない」という発言をしておられました。この部分でも米国よりも北朝鮮の方が巧妙です。その発言内容は北朝鮮の言い分に過ぎません。
発射台はまた造ろうと思えば造れるわけだし、ミサイルそのものは依然として北朝鮮が保有していることも事実で、今後、どのようにそれらを放棄させるのか、ICBMのみならず、日本全土を射程に収める中距離ミサイルに関してはどうなるのでしょう。
合意文4:米朝はすでに身元確認されたものを含め戦争捕虜や行方不明兵の遺骨の回収に尽力する。
今日の合意は米朝の2国間のものなので、米兵(遺骨)に関する合意は文言化されているものの「拉致問題」は、米朝間の直接の問題ではないので、やはり文言として盛り込まれなかったのは仕方ありません。
朝鮮戦争では1950年から53年の間に3万3千人以上の米兵が戦死し、約8100人が行方不明となっており、行方不明者が8千人以上ということで、米兵の未回収遺骨はかなりの数にのぼるようです。
今回の合意の4番目に盛り込まれていますが、朝鮮戦争休戦から、65年もの歳月が経過しており、行方不明者は既に生存者(捕虜など)がいないということでしょう。曽我ひとみさんの夫の元米兵のジェンキンス(享年77)さんも昨年、佐渡島で亡くなりましたね。晩年は平和な日々だったようですが、北朝鮮の影に常におびえていたそうです。
記者会見の中で「日本の拉致問題についてもとりあげた」という発言がトランプ大統領からあり、これは安倍総理がトランプ大統領と昨日も「核・ミサイルの放棄と拉致問題の解決に向けた前進」という日米のすり合わせを行った一定の成果だと思います。
今後は拉致問題の解決には日朝の直接の話し合い再開が必要です。(水面下では直接の話し合いはなされているそうですが)
4年前、日朝の話合いの結果である「ストックホルム合意」に対し「拉致被害者の再調査」を約束しながら北朝鮮は履行しませんでした。
今回の米朝会談で、トランプ大統領から金委員長に対し、日本がこの問題では決して妥協しないことを伝えられたようですから、彼が直接決断すれば、生存していると思われる方々の帰国も可能となるはずです。
「最終的には日本が自国の責任において北朝鮮との話し合いを進めていく必要があります」と今、記者会見で安倍総理が発言なさっています。
圧力を緩めると約束を反故にする相手なので、経済制裁などの圧力は緩めずに、今回の和平ムードの勢いにのって、拉致被害者家族が再会できる「最後のチャンス」だと思って、速やかに解決に向けて前進して頂きたいですね。
コメント
若しも、北鮮温存の二国体制で行くのでしたら、近い将来韓国は北朝鮮に飲み込まれることに成ります。真の現状では韓国は同盟国とは言い難いので、北鮮による統一で、その方が日本に取っては好いと云う方も居られる。疑似憲法を廃棄して、軍と核を持つ絶好の機会に成ると考えられるからです。ロシアとチャイナは、朝鮮半島が日本の真の同盟国に成ることを怖れていることは分りますが、日本としてはもう朝鮮半島とは関わりを持たない、関係を持ちたく無いことが本音でしょうね。ここ半年、一年が、将来の分水嶺でしょう。
2018/6/13(水) 午前 9:38 [ 井頭山人(魯鈍斎) ]
> 井頭山人(魯鈍斎)さん
コメントを頂きありがとうございます。私も実はほぼ同じ意見でございます。在韓米軍が撤退かもしくは、戦時作戦統制権が韓国に還された場合、いずれ朝鮮半島の南北の境界線は再びや破られて衝突がおき、ここに米軍が南北いずれにも中立という立場で介入しなければ、核や生物化学兵器で38度線に近いソウルは一瞬で機能麻痺となって北が南を飲み込んでしまうと思います。
日米は韓国を既に対共産圏の防衛ラインの外にある、いわゆる「レッドチーム」と結論を出したようです。既に韓国政府は米国から同盟国扱いされていないようですし、何よりも文政権自体北の傀儡のようなものですから。
日本の改憲は、その意味から最早避けられない情勢だと思います。
2018/6/13(水) 午前 10:15 kamakuraboy
シンガポール米朝会談
米朝首脳会談の合意内容(両首脳が合意文書にサイン)は以下の4つ。「合意は包括的なもので、プロセスは迅速にきめる」ということです。
合意文1:米朝の両国民が平和と繁栄を望んでいることに従い、 新しい米朝関係を構築。
終戦宣言→米朝国交正常化へのプロセス作りということでしょうか。しかも、まだ非核化が実現していないものの、トランプ大統領は北朝鮮の「体制保証」を約束したそうです。
「体制の保証」は従来から北朝鮮の最優先の主張だったわけですが、このことはとりもなおさず、半島統一のために韓国が北朝鮮に吸収されるか、一国二体制での統一でしか半島統一がなされないということにもなります。
米国は朝鮮半島については、東西ドイツや南北ベトナムのように完全に1つの政府の下での統一は期待していないということになります。これがまさに、この地域の周辺国の思惑なのかもしれません。
合意文2:朝鮮半島に永続的で安定的な平和体制の構築の努力をする。
今回は終戦宣言に向けた方向性の合意がなされたということでしょうが、終戦と平和条約締結後の在韓米軍の縮小あるいは撤退を金委員長が今日の話し合いの中で要求したかどうか明らかではありません。
トランプ大統領には在韓米軍縮小の意志を大統領候補時代から表明しており、韓国の文大統領にしても、(廬武鉉大統領がそうであったように)北朝鮮との平和条約締結後には、在韓米軍の縮小に異論はないでしょう。今日はまだ何も具体的に決まったことはありませんが。この方向性で、具体的な中身の実行を加速していくもようです。
合意文3:北朝鮮が朝鮮半島を完全に非核化するため取り組むとした3月27日の「板門店宣言」を再確認。
しかし、核放棄に関してはCVIDの文言や、「ミサイル放棄」に関する文言はありませんでした。しかも、「朝鮮半島の非核化」は、在韓米軍の核も含んでいるわけです。
ミサイルに関しては何も文言が見当たりませんが、トランプ大統領は5時から行われた記者会見の中で、「北朝鮮の弾道ミサイル実験用発射場は既に撤去されており、ミサイル実験も現在は行われていない」という発言をしておられました。この部分でも米国よりも北朝鮮の方が巧妙です。その発言内容は北朝鮮の言い分に過ぎません。
発射台はまた造ろうと思えば造れるわけだし、ミサイルそのものは依然として北朝鮮が保有していることも事実で、今後、どのようにそれらを放棄させるのか、ICBMのみならず、日本全土を射程に収める中距離ミサイルに関してはどうなるのでしょう。
合意文4:米朝はすでに身元確認されたものを含め戦争捕虜や行方不明兵の遺骨の回収に尽力する。
今日の合意は米朝の2国間のものなので、米兵(遺骨)に関する合意は文言化されているものの「拉致問題」は、米朝間の直接の問題ではないので、やはり文言として盛り込まれなかったのは仕方ありません。
朝鮮戦争では1950年から53年の間に3万3千人以上の米兵が戦死し、約8100人が行方不明となっており、行方不明者が8千人以上ということで、米兵の未回収遺骨はかなりの数にのぼるようです。
今回の合意の4番目に盛り込まれていますが、朝鮮戦争休戦から、65年もの歳月が経過しており、行方不明者は既に生存者(捕虜など)がいないということでしょう。曽我ひとみさんの夫の元米兵のジェンキンス(享年77)さんも昨年、佐渡島で亡くなりましたね。晩年は平和な日々だったようですが、北朝鮮の影に常におびえていたそうです。
記者会見の中で「日本の拉致問題についてもとりあげた」という発言がトランプ大統領からあり、これは安倍総理がトランプ大統領と昨日も「核・ミサイルの放棄と拉致問題の解決に向けた前進」という日米のすり合わせを行った一定の成果だと思います。
今後は拉致問題の解決には日朝の直接の話し合い再開が必要です。(水面下では直接の話し合いはなされているそうですが)
4年前、日朝の話合いの結果である「ストックホルム合意」に対し「拉致被害者の再調査」を約束しながら北朝鮮は履行しませんでした。
今回の米朝会談で、トランプ大統領から金委員長に対し、日本がこの問題では決して妥協しないことを伝えられたようですから、彼が直接決断すれば、生存していると思われる方々の帰国も可能となるはずです。
「最終的には日本が自国の責任において北朝鮮との話し合いを進めていく必要があります」と今、記者会見で安倍総理が発言なさっています。
圧力を緩めると約束を反故にする相手なので、経済制裁などの圧力は緩めずに、今回の和平ムードの勢いにのって、拉致被害者家族が再会できる「最後のチャンス」だと思って、速やかに解決に向けて前進して頂きたいですね。
コメント
若しも、北鮮温存の二国体制で行くのでしたら、近い将来韓国は北朝鮮に飲み込まれることに成ります。真の現状では韓国は同盟国とは言い難いので、北鮮による統一で、その方が日本に取っては好いと云う方も居られる。疑似憲法を廃棄して、軍と核を持つ絶好の機会に成ると考えられるからです。ロシアとチャイナは、朝鮮半島が日本の真の同盟国に成ることを怖れていることは分りますが、日本としてはもう朝鮮半島とは関わりを持たない、関係を持ちたく無いことが本音でしょうね。ここ半年、一年が、将来の分水嶺でしょう。
2018/6/13(水) 午前 9:38 [ 井頭山人(魯鈍斎) ]
> 井頭山人(魯鈍斎)さん
コメントを頂きありがとうございます。私も実はほぼ同じ意見でございます。在韓米軍が撤退かもしくは、戦時作戦統制権が韓国に還された場合、いずれ朝鮮半島の南北の境界線は再びや破られて衝突がおき、ここに米軍が南北いずれにも中立という立場で介入しなければ、核や生物化学兵器で38度線に近いソウルは一瞬で機能麻痺となって北が南を飲み込んでしまうと思います。
日米は韓国を既に対共産圏の防衛ラインの外にある、いわゆる「レッドチーム」と結論を出したようです。既に韓国政府は米国から同盟国扱いされていないようですし、何よりも文政権自体北の傀儡のようなものですから。
日本の改憲は、その意味から最早避けられない情勢だと思います。
2018/6/13(水) 午前 10:15 kamakuraboy