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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

米朝合意により米韓軍の連合防衛体制を凍結

2019-03-12 22:06:51 | 米国
2018/6/13(水) 午後 3:29



年間費用数百億円といわれる在韓米軍費用を「米朝合意」により削減可能に
                       
 
北朝鮮の非核化やミサイル問題、拉致問題解決の議論の陰で、実は日本にとって昨日は特筆すべき出来事があった。


昨日の米朝首脳会談の後の記者会見の中で、トランプ大統領は韓国との「軍事演習はやめる。軍事演習は極めて挑発的だと私は考えた」「また非常に経費がかかる」と発言。


更に、在韓米軍の撤収問題についても「現在、米朝間の議論に含まれていないが、ある時点でそうなることを望む」と述べ、「我々は兵士たちを(韓国から)引き揚げさせたい。我が国の兵士たちが家に戻ることを望んでいる。韓国だけで3万2000人の米国人兵士がいる」と強調し「今後の交渉を見てみなければ」と述べたそうだ。


つまり、トランプ大統領は、「(手近なところでは)8月に予定されていた韓米軍事演習は中止」し、「北朝鮮との対話が続く間は米韓合同軍事演習を中止する」ことを表明したのだ。これは「約70年間に渡る米韓軍の連合防衛体制の柱が一つ凍結(Bloomberg 2018/6/13)」を意味しており、朝鮮戦争休戦から65年を経て、極東の軍事バランスの変化が実際に起き始めているのだ。


今回の米朝首脳会談が一時中止になりかけたのも、5月の米韓合同軍事演習に北朝鮮が反応して態度を硬化させたことが発端だったわけで、昨日の米朝合意を受けて、米側も米韓合同演習を中止することで北朝鮮が非核化に向けた具体的で検証可能な措置を促す狙いがあるようだ。

 引用:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-12/PA8AIH6JIJV101


北朝鮮にとって米韓軍事演習は自国を敵対視するものであるという反応が常にあり、今回の会談の中でも恐らく中止を申し入れ、米側がその申し入れを「快く」受け入れたというところなのかもしれない。


恐らく北朝鮮の非核化に向けた動きと並行する形で、表面的には「米韓同盟は米国にとって、朝鮮戦争で5万人ともいわれる米軍兵士達の犠牲を払った戦略的財産」という立場を維持しながらも、少しずつ朝鮮半島の在韓米軍の規模が縮小していくことが規定路線のようだ。


これは親北政権の文在寅大統領にとっては、故廬武鉉大統領と同様に悲願であろうし、異論はないのではないだろうか。


韓国の保守層の思惑に反する方向であっても、昨日の合意によってトランプ政権の「在韓米軍縮小、最終的には撤収」は規定路線となったのではないだろうか。


本日付けの韓国の主要紙では、「韓米連合訓練を中断するという爆弾発言(中略)」「韓米合同訓練は『非常に費用が高い訓練』と述べた」=「70年の敵対を乗り越えた日に韓国は『トランプショック』(中央日報)」とか、「トランプ大統領と金正恩氏の会談は、見方を変えれば5100万人の韓国国民を人質にする金正恩氏と、世界の警察官である米国との人質交渉だった(朝鮮日報)」といった、いつもの被害妄想的反応。昨日まで「板門店宣言」で大騒ぎのお祭りムードはどうしたの?と聞きたくなるような有様。


当然予想されたことなのに、いつも思うことなのだが、彼らは自分達に不利な展開が起こることを、予め想定できないのだろうか。敢えて最初から予想できる都合の悪い展開の可能性を頭から否定してかかっているのだろうか。不都合な真実から目を背ける習性がDNAの中に染みついているのかもしれない。


ところでこの件に関する米国内の反応は、例えば「米韓軍事演習中止を表明したのは、これにより北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は非核化に向け具体的かつ検証可能な措置を速やかに講じるよう促せるのではないかという一種の賭け」などの肯定なのか否定なのかあいまいな意見であったり、


「北朝鮮との平和条約が結ばれていない以上、約3万人の在韓米軍は即応能力を維持するために演習の継続が必要だ(元米駐韓大使のアレキサンダー・バーシュボウ氏)」など慎重な意見も。


「韓米軍事演習をやめるという大きな譲歩は韓米同盟を損ねまた、重大な脅威であり、北朝鮮は今後さらに多くのことを要求してくるだろう」というなかなか鋭い指摘と、


米朝合意そのものについては「米朝首脳会談の非核化関連発言は驚くほどレベルが低く、期待以下だった。(全米科学者協会のアダム・マウント上級研究員)」とくさしていたりのようです。
クリストファー・ヒル元米国務次官補は「在韓米軍は北朝鮮だけでなく、東アジア地域の安全のために駐留している。彼ら(トランプ政権)が在韓米軍の意味を理解できなければ、(世界の)他の地域についても理解できないだろう」と韓国が大喜びするような(現実を斜めに見ている)意見も。
在韓米軍の中身というのは、陸軍2万人、空軍8000人、海軍300人、海兵隊100人、特殊作戦100人で、スローガンは「fight tonight」なのだそうで、つまり、中身としては殆どは韓国を守るための戦力でしかなく、日本を守っているわけでも、「中国の第一列島線」に対応しているわけでもないことが素人目にもわかるのである。


韓国人達がどこまでそのことを理解しているのか。一昨年から昨年にかけて韓国内に終末高高度防衛ミサイルTHAAD導入費用を分担することを拒み、地元住民が搬入そのものを妨害し、トランプ大統領来韓の時、車両の目の前で反米デモを繰り広げたりやりたい放題で、しかも「THAADは在韓米軍を守るためのもので、韓国全土をカバーしていない、中国から反対されている」という極めて近視眼的な被害妄想を爆発させていたのだから、在韓米軍の存在目的がそもそも何なのか全く理解していないし、それを国民に向けて説得するような同盟国として機能するだけのまともな政府すらないということだ。


ところで、米韓軍事演習の莫大な費用の内、爆撃機や原子力潜水艦、空母の出動費用が全て米国もちで、その他に軍事演習にかかる年間費用の100億円以上の内、60~70億が米国もち、30~40億が韓国もち、という費用負担であるらしい。(朝鮮日報2018/6/13付け)
その点を踏まえ、トランプ大統領は米交渉チームに、現在の韓国の年間負担額(980億円)の1.5倍以上を受け取るよう注文した」と警戒感を示し「防衛費分担金での意見の違いが続けば、北朝鮮が敢えて要求しなくても在韓米軍撤退や縮小という主張が韓米の間から先に出てくるかのしれない」とシビアに分析しているようである。


思うに、昨日の米朝会談の本当の目的は「米国の韓国切り」だったのではないだろうか。( 結果論からですが。 だって、この前の文大統領に会ったときのトランプさんの表情、相手をまとな同盟国のトップだとは思っていないのが表情だけ見ててもわかりますよね。終始強ばっていましたし、会談時間はたったの21分!! ) 昨日金正恩委員長に会っているときの表情のほうが普通でした。
朝鮮戦争のとき、米軍の将校が、米軍供与の高価な武器を捨てて逃げ回る韓国人達のことを「朝鮮半島有事で、米軍が備える相手は中国人民解放軍と北朝鮮・朝鮮人民軍の他にも存在する。韓国軍だ。米軍は3正面で戦いを強いられる」と嘆いていたというのは有名な話ですよね。
 ですが、そのくせ「米軍よ、行かないで」と言い出しそうですね、また。


コメント

興味深い情報ですね。

そして「米国の韓国切り」をいうのも興味深いです。

共産主義勢力の防波堤という韓国の役割も技術の進歩によりかわってきており、北朝鮮のミサイルの射程距離UPがその象徴的な出来事のように思います。
ようするに韓国を米軍が在留していても、してなくてもリスクが変わらないなら地政学的に捨ててしまえという事かなあと思います。
2018/6/13(水) 午後 7:58 [ 黒岩虎吾郎 ]


> 黒岩虎吾郎さん
ご指摘の通りだと思います。今は離れた場所から米軍は精密誘導弾で空爆可能で、地上部隊は人的被害のリスクが大き過ぎて、半島から撤退したがっていますし、地元民の妨害でTHAADも完全配備できていないらしいですし。

日本にとっては自国の国防は自衛隊と在日米軍で十分でしょうし。何よりも、彼らとは距離をおきたいですしね。
2018/6/13(水) 午後 8:21 kamakuraboy

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