My Painting Life

絵付けに係る日々の出来事を徒然なるままに、、、。

薩摩焼 十五代 沈壽官展

2012-02-16 08:18:15 | 日記
昨日、千葉三越で開催中の沈壽官展に行って来ました。中国から日本に一時帰国中の友人のRちゃんから、「作品も、お人柄も素晴らしいから機会があったら是非、見に行ってみたら。」と今回の作品展を強く勧められました。昨日は初日と言うことでしたが会場の7階にたどり着くと、ローカルなデパートの良さと言うか、ほどほどの人の入りでじっくりと作品を鑑賞することができました。驚いたのは、入場無料と言うこともさりながら、素晴らしい作品の数々が殆どガラス越しではなく直接鑑賞できたことです。クリーム色の白薩摩と深い黒灰色の黒薩摩の作品の数々において、作陶から絵付けまで全てご自分で完成させているということで、陶器の精緻な作りだけでも驚く程なのに、絵付けの繊細な迫力には圧倒されるような気が漲っていました。ご本人も会場においでで、お顔を拝見すると茫洋としたおおらかな人柄が滲み出ておいででした。
皆さんもご存知だとは思いますが、薩摩焼の沈家は代々続く陶芸の家柄です。このお方は沈家に生まれたから陶芸家になったのではなく、神様に選ばれて沈家に生まれた一人の天才であると思い至りました。
会場は2回じっくり回り、卓越した素晴らしい作品に触れたときの温かい気持ちに満たされながら家路に着きました。
皆様にも強くお勧め致します。会期は2月15日(水)~21日(火)まで千葉三越7階で開催されています。

テーブルウェアフェスティバル

2012-02-12 21:37:55 | 日記
東京ドームで開催されていたテーブルウェアフェスティバルは本日無事終了致しました。開催期間中、JPPAブースではさしたる事件も無く、連日のデモンストレーションもおおむね好評だったようです。私のデモンストレーションも、「オンゴールド」のテーマで行ったのですが、大勢の人が集まってくれて、互いに楽しいひと時を過ごすことができました。主催者側からJPPAへは来年も出展要請が有ったようで、めでたい限りです。今年の私の出品作品に対する皆様の感想は「今年は地味ね。」と言うのがもっぱらのご意見のようでした。その度に、「実は忙しかったので昨年受けた原宿陶画舎のマスターポーセリンエキスパート試験で提出したティーセットにディナープレートを描いて足しただけです。」と言い訳した私でした。今年も出品者の皆様、それぞれ力作揃いで本当に素晴らしかったです。
それはさておき、例年通り、フェスティバル終了前の小一時間、あれこれブースを見て回りました。毎年出展している注目の窯元さんを見つけると嬉しく、「すごいな。日本にはこんなにすごいプロの芸術家がたくさんいて、物が売れない時代なのに皆、めげずに頑張っているのよね。」と感動するのでした。自分もポーセリンペインターのはしくれだけに、そうした陶芸作家たちがどれだけの時間と手間をかけて一つ一つを作っているのかわかるので余計、感情移入してしまい、実際にはできないくせに「ああ、お金が無尽蔵にあるのならばこの人たちの作品を全部買ってあげたい。」という僭越な思いに浸りながら、作家のブースを見て回り、卓越した芸術のエッセンスを盗みたいと願うのでした。これって一番たちの悪いお客でしょうね。
嬉野から出展している有田焼のお店では、ちょっと面白い磁器を発見し、しかも全部半額と言うので大人買いしちゃいました。家の屋根裏部屋には一生かかっても描ききれない程の磁器が溜まっているのに、こういう時には我を忘れて再び買いに走ってしまうのが悪い癖です。私の様なお客の為に会場内に待機している日通さんに送ってもらうとしたら、何と財布には既に1000円札一枚。結局配送も頼めず、何とか自力で持ち帰りました。
でもJPPAのブースに戻ると私みたいな人がいっぱいいてそれぞれ閉店間際の出展ブースでせしめた戦利品の自慢で盛りあがっていましたので少し安心しました。人が物を買った時の、物に対するポジティブなオーラは周りの人まで幸せな気分にする力があるようです。
来年も機会が有りましたら又出品させて頂こうかな、と幸せな気分で重い磁器を抱えて家路につきました。